ヴェネツィアビエンナーレに行ってきた。

イタリアはヴェネツィアへ6日間の研修旅行に行ってきました。

目的はもちろんこちら。

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La Biennale di Venezia

ヴェネツィアビエンナーレです。

 

日本でも瀬戸内トリエンナーレなど数年周期での芸術祭が根付いてきましたが、こちらは元祖。今年で第58回。二年に1度と考えれば軽く100年を超えた伝統的な芸術祭です。建築と芸術を交互に毎年開催しており、今年は芸術年。というわけで初めてのヴェネチアへ行ってきました。

 

まずはビエナーレで個人的にとても良かった作品を独断と偏見でお届けします。

 

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そういえばドイツ語どうなった Part 3.

期末で追い込まれてます。大学生はもう少し時間があると思ってたよ…あぁ…

 

アトリエは灼熱すぎて、日中は作業に集中できないので自宅で文献を読み漁っています。来週1週間、イタリアへ研修旅行に行かなくてはいけないため(…研修旅行多すぎじゃない?ねぇ?)、筆記試験やレポート系の提出が1週間繰り上がってしまい、窒息寸前な感じでギリギリです。どのくらいかというと、夕方6時までワンピースを表うら逆に着ていたことに気がつかないくらいには、色々とおざなりです。先週の試験の結果が旅行中に出るの、恐怖でしかない。

 

そんな毎日です。そんな感じで追われていたら、10月でウィーン在住3年目に突入することに気がつきました。その前に、自戒も込めて自分の語学能力を客観視してみようと思います。そういえばドイツ語どうなったPart3です。

 

 

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天秤にのせるもの。

夏セメスターも残り2週間で授業が終わり、あとは夏休みの宿題(表現ほど可愛くない。笑)がどっさりと残るのみです。提出期限は10月頭。夏休みがなんだか落ち着かないのはこのせいですが、今年こそは一時帰国したい!3週間でいいから!と言う意気込みを散々口にしてきました。そんな私に棚から牡丹餅。でもちょっと栃餅。

 

先週の昼下がり。

主任教授「kiki、来年の私のウィーンでのプロジェクト、インターンに興味ない?」

わたし「えっ!あります!もちろん!いつですか?」

主任教授「来年の10月よ!じゃあ決まりね!」

 

それから3日後。

主任教授よりメールが一通。

リーベ Kiki!早速プロジェクトの最初の演出家とドラマトゥルグとのミーティングに行ってきたから、今週中にインターンとアシスタントを集めて私たちのミーティングをしたいの。8月には本格的に始めるわ〜!

 

なっなんと!一年がかりのプロジェクトですか?えぇそらそうでしょうけども…もちろんやりますとも!一年なんてむしろ短いですよね!楽しみですとも!インターンは必須単位に含まれてるし!えぇ、意気込みバッチリ!!

 

…で、私の一時帰国いつ??

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引越しを手伝いに行ったら壁壊してた。

ウィーンも30度越えで夏に突入しました!あれ、春は…?と言う疑問は華麗にスルーして…。もちろんクーラーなどありませんから、汗をかいて、水を飲んで、アイスを食べてドナウに飛び込む、で夏を乗り切ります。はい。

 

そんな天気のいい週末、友達3人が引っ越すというので、引越しのお手伝いに行ってきました。怪我をする前からお手伝いの約束をしていたのですが、片手では役立たず…としょんぼり。でもとりあえず、来たらいいよ〜新しい家、見においでよ〜と3人に言われてぶらりと行ってきました。行ってみたら、こんなだった。

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いや、これリノーベション!

*壁の内部が湿気でやられていたので、壁を剥がして、補修するためにガリガリ中。 

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結局救急病院デビュー。手術もしてバタバタなウィーン編。

これはカルマ。ウィーン生活2年目も終わりが見えてきたこの時期にやってしまいました。というわけで、ウィーンで救急車に乗って手術したって話です。

 

デンマークでも、カナダでも救急病院にお世話になった経験のある私ですが、ここウィーンでは医者知らずで過ごしてきました。いつも3ヶ月も経たない頃に病院送りになっていたので、むしろ1年を過ぎたあたりで、ウィーンでは少なくとも救急にお世話になることは無さそうだなぁ〜♪なんて鼻歌まじりでした。カナダ編はこちら。

 

kiikiii.hatenablog.com

 

 

金曜日の19時。やっと授業が終わって、とてもいい天気だったので、授業終わりにアイス食べに行こう〜と誘われる。でも朝からの授業でランチもろくに取っていなかったので腹ペコ。アイスを断って、夜に劇場で会う約束をしてみんなは帰って行きました。

今思えば、アイスを食べに行けばよかったと心から後悔。

 

スーパーで買ったアボカドを手にアトリエのキッチンへ。なんだかその日ディスカッションが消化不良で確かにボ〜ッとしていました。手元を見てるんだか、なんだかって感じでアボカドを切っていたら、手を滑らせて、勢いよくアボカドを貫通してそのまま手の平にナイフが垂直にぐっさり。まさに漫画のように突き刺さってしまいました。衝撃の光景に一瞬時が止まった。慌てて、手からナイフを抜いたらアボカドから貫通して見える刃先は軽く2cmはあります。つまり少なくとも1.5cmほど深く手のひらに突き刺した様子。手の甲まで貫通してないか確認した。傷口から透明な血が溢れるは、直後から中指と人差し指が全体的に痺れて感覚がなくなるわ、でちょっと手を切ったレベルじゃない。えっやばい。と思っていたところへ友達が血だらけの私を発見。大慌てで救急車を呼んでしまいました。厳密に言うと、友達も意識もあるし、歩けるからこれから向かうという気持ちで連絡したのですが、いかんせん救急車の呼び出し番号にかけてしまったので、向こうもじゃあ来てくれともならずに出動します…と。

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加点方式な日常に習うが慣れない。

私は欧米社会において、決定的に自分が馴染めないことが一つあります。

 

かれこれ20代半ばから海外と日本を行き来する生活(風)になり、自分が生粋の日本人ではもはやないという自覚があるですが、この点においては、「あ〜私って日本人」と妙な実感を得るものです。

 

今日もその場面に出くわし、口をパクパクさせてきました。

どんな場面か簡単に回想します。

 

本日、17時半。ライフドローイングのクラスの先生との個人面談にて。

※先にお断りしておくと、この先生は誰でも大抵褒めます。褒めて伸ばすタイプ。超繊細なものの言い方をするので、ゆえに、大抵褒められます。他の人の面談風景見たことないけど、断言できる。自慢じゃないけど、私のドローイングはへなちょこです。

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怒りが理由の最上位にきてほしくないと心底思った夜。

クリスチャン・ルパのProcesと言う演劇を見てきました。5時間15分の演劇ですが、最後まで客席にいたのは5分の1でしょうか。

 

クリスチャン・ルパはポーランド人演出家で、ポーランド演劇界では非常に評価の高い人です。私は2016年に彼が日本に招待された際のシンポジウムをまとめた本を読んだことがあり、ずっと興味のあった演出家です。加えて今回はカフカの審判を原作とした演劇で、舞台は簡単に言えば「ポーランドが超コンサバティブ社会だった場合にカフカの審判が現実に起こったら」を仮定して5時間の話が展開されました。

 

一緒に見に行ったクラスメイトの殆どは最初の90分で怒って帰ってしまいました。

最終的に最後まで見たのは私と先生と同級生一人の3人だけでした。

 

クリスチャン・ルパが非常に政治的なテーマを持った演出家で、さらにカフカをどう捉えていたか、そしてカフカの審判を読んだことがあれば。そんな私からすればある種納得のいく演劇でした。観客に中指を立てるような演出に面食らって最初の90分で席をたった同級生たちに伝える気はサラサラありませんが、ただ一言言うなれば、審判とは範たるか、そして今どれだけ世界がコンサバか、ということを5分の1しか残らなかった客席が物語っていたと思います。

 

怒りにまさかせたら、目を背けていいのか。

自分の美学と相反したら、それは悪いものだとレッテルを貼る権利があるのか。

 

私からすれば、「ねぇこれがアートよ、私の美学。どうきれいでしょ。イケてるでしょ。センスあるでしょ」ってなほうが中指立てたくなります。そりゃ綺麗よ、美しいかもしれない。でも誰にでも作れる、大衆一般論を芸術と呼ぶことには一言物申したいけどねって感じです。そしてそれ以上に、よくないと思うもの、理解できないことを全て相手の責任とするのは、アメリカが世界警察だと勘違いしている事象と通づると思うのです。怒りに任せて、無知な自分を棚に上げてなんでもつぶやいていいってわけじゃないし、その間に「知ろうとすること」や「疑問を投げかける」感覚を持ってほしい。そしてそういう繊細さが、誤解を恐れずに言えば、欠けたことによって戦争も差別も生まれるんじゃないかと思うわけです、個人的には。

 

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