アトリエ生活。

ただいまウィーンは早朝5時。

 

お正月感もなく、3日には朝からアトリエ生活に戻りました。昨日も朝からモデルの塗装をしていたので頭痛が治りません。アトリエには塗装室なるものがあるのですが、爆音の換気扇を回してもスプレーの匂いでクラクラです。鼻水も真っ黒です。笑

 

普段は23時まで居られるアトリエですが、まだクリスマス休暇中、警備の問題でアトリエは18時過ぎに閉まってしまいます。最近はそのまま直帰してシャワーして20時に一度就寝。0時前に起きてご飯を食べて家で作業、というのが習慣化してきてしまいました。睡魔に抗うことなく作業できるので、結構気に入っているのですがこれも今日まで。来週には授業が始まります。

 

そういえばアトリエ、アトリエって言ってもどんなところよ?って感じですよね。

 

f:id:kiikiii:20180105131423j:plain

こんな感じです。初日の写真なのでスッカラカン。今の乱雑具合とは大違い…。個人のデスクが2つにボードなどが支給されて制作を自由に行えます。このワンフロアが私たちの専攻のアトリエとなっていて、講義もほぼ全てここで行います。写真にはありませんがこの奥に1:1のモデルが作れるようなスペースと、資材置き場と化してるロフト、ライブラリーとシャワールーム、キッチンがあります。誰かが夕食を作って「お腹すいた人〜」って呼掛けと共にキッチンからいい匂い。匂いにつられて、持参したご飯がある人も集まってテーブルを囲む。ストレスフルな時はヨガを始める子もいれば、スクリーンにポルノが流れる時もあります。カオス。

 

とても古い建物で、たまに建築ツアーのお客さんがエントランスで説明を聞いているのに遭遇したり、日曜日にホールで映像作品の撮影をしていたり。

 

f:id:kiikiii:20180105131237j:plain

螺旋階段。画材を持って登ると息切れ。

 

特に年齢や年次、セメスターに関係なく使用しています。今の所、私のウィーンでの社会はここに集約されています。ブログで出てくる皆んなもここの人。いつも総称が定まらず、友達やらクラスメイトやら専攻の〜と表現しているのですが、ドイツ語でKollegeのみんな。アトリエ以外でも先輩、後輩と言う括りもなく和気藹々としていてます。

 

ウィーン生活の8割(時には9割9分9厘)を過ごす場所。観光名所もまだ手付かずで、こうなったら日本から誰か遊びに来てくれた時に一緒に初見しようと思っています。私が案内できるのはアトリエ周辺と激安スーパーです。無能ガイド。

 

ここで出会うのは教授や講師の先生方、警備さんとお掃除のお姉さん。

 

毎朝お掃除にきてくれるお姉さん。私たちがそこいらじゅうで作品を広げ制作している合間をひょいひょいと抜け、どれがゴミでどれが素材かも分からないような状態のアトリエで間違うことなく上手にお掃除してくれます。プロ!お掃除のお姉さんも警備さんとも毎日顔を合わせるので、私たちが朝食会をしている時にお姉さんがくれば「一緒に朝食食べよう!」とテーブルを囲みます。クリスマスパーティーの最中に警備さんがくれば「一緒に食べましょう!」とお皿とフォークを用意します。どうしても制作が終わらなくてアトリエを出られない時はこっそりビールを賄賂にしてちょっと延長してくれたりします。愚痴を聞いてくれることもあります。警備さんたちは私たちの顔写真入り入館リストを持っていて、入り口でチェックしてくれるので、安心して作品を置いたまま帰宅することができます。よくYouTube見てゲラゲラ笑ってるけど、必ず挨拶を笑顔で返してくれるので、なんだかホッとする存在です。安らぎの大男集団。

 

教授がふらりと現れることもありますが、先生方が仕事の途中に立ち寄ってくれることも多いです。昨日もお昼頃、メイン科目の先生が現れて私のデスクにどどんっと紙袋を置いてニコニコ笑顔。何かと思って覗いたら、なんと日本語の本の数々。「昔、日本で仕事した時の友人に貰ったんだけど日本語で読めないからね。君にあげるよ!プレゼントフォー・ユー!」

 

本は重たいので、日本からは数冊しか持ってこれませんでした。まぁ、日本語読んでる場合じゃないから、と言い聞かせていたけれど

 

「OMG〜!!!」ってなりました。単純。笑

 

しかも帰宅してポストを開けたらさらに日本から国際郵便で本のプレゼントが送られてきました。なんという偶然。


f:id:kiikiii:20180105113949j:image

先生からのプレゼント。ハイナーミュラー作品たち。

プレゼントの1冊とともに、読み耽るご褒美タイムが待ち遠しい〜。