アート系大学留学準備。ポートフォリオ編2。

長々とたらたらしたポートフォリオ編1はこちら。

 

 

kiikiii.hatenablog.com

 

 

さて、Step2より追加制作が必要だと思った場合、じゃあどうするのか。

もちろん、自分で考えて、自分らしい作品を制作して追加するのが一番シンプルでいいと思います。アートだから自由でしょ!という方はもちろん、そうでしょう。

とはいえ、いろんなサイトで様々な人がアドバイスしているように、セオリーがあるならそれに頼ってもいいかもしれません。 個人的にどうしたらいいかわからない場合は、今ある作品を抱えてポートフォリオ準備クラスへ行ってはどうでしょうか?

 

 

日本にもいくつか海外留学用の準備クラスを持っている学校もありますし、私もデンマークのフォルケホイスコーレのファンデーションコースで学びました。その時は無意識でしたが、今振り返れば、セオリー通りにポートフォリオに入れられる作品をひたすら作る半年のコースでした。オブザベーショナルプロセスに当たる作品もこの学校で制作し始めたものです。

デンマークの学校についてはこちらにちらっと書いています。

 

 

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日本でも興味があったので、見学に行ったりもしました。

 

www.sokeiabroad.com

 

www.jcfl.ac.jp

 

どちらも雰囲気のいいコースでした。私の専攻の分野とは少しズレがあることと、単純に資金も時間もなかったので通うことはありませんでしたが、探せばあるなぁ〜と思います。デンマークに限らず、ヨーロッパではファンデーションコースやポートフォリオ準備コースを持つ学校が多くあり、場合によっては語学レッスンもオーガナイズされていたりします。資金に余裕がある場合は悪い選択肢じゃないと思います。

 実際に私の時も合格者の5名中4名は過去にそういったコースの受講歴があります。もちろんそんなことせず受かった子も1人いたので、マストじゃないです。デンマーク時代の同級生も全員受かったわけじゃありません。行けば受かるってことではなく、手がかりが全くない場合の選択肢だと思います。

 

さて、どうにかこうにか作品が揃ったら

 Step3:ポートフォリオ編集へ突入

私が提出したポートフォリオはこんな感じです。

I.サイズ:A2(見開きA1)

ウィーンに滞在して準備していたわけではないので、スーツケースに入るサイズがA2でした。入らなかったdrawingは泣く泣く写真やスキャンからのコピーを入れました。

 

II.形式:クリアファイルを使用しオリジナルと作品写真混合

銀座の伊東屋で購入したクリアファイルを使いました。審査は現地で結果が出て、落ちても受かってもすぐ返却してもらえる様子だったので、できるだけオリジナルを入れました。要項にも現物かコピーかの記載はなし。写真はそもそもフォトグラフの作品と、サイズが合わなかった作品を撮影して入れたものの2種類です。

他の合格者の子はファイル形式ではなくバインダーにオリジナルをバンッと全て挟んでA3とか、陸路じゃないと運べなそうなA1を優に超えたビックサイズの子もいました。一緒に受かった子たちでメディアやデジタルポートフォリオを出している子はいませんでしたが、どうなんだろう…。

 

III.ページ数:30ページ

 30ページは多い方だったと思います。だいたいみんな20点前後だったようです。

 

IV.構成

自信のある最新の作品が1ページ目。私はファッション、グラフィックと作品のジャンルがボーダレスなので流れが難しかったのですが最終的に今の自分らしさを筆頭に遡る形になりました。ボーダレスでも作風と言うか、私の強みだと思えることがどのジャンルでも共通して現れるように意識しました。グラフィックはプロセスが見えづらい割に積み重ねているものが厚い。なのでグラフィック作品はプロセスがわかる構成に。同じく立体作品も写真になってしまったので同じように、ラフスケッチやコンセプト段階のビジュアルを追加。個人的な特性でもありますが、文字の分量も多かったです。drawingはヌードデッサンから抽象画までを入れました。クリアファイル形式で編集しやすかったのでそれぞれ作品の制作年、あるものはタイトル、素材などのキャプションも入れました。フォトグラフ作品もあり、見開きA1サイズの作品もあり、で結果的に多めの30ページになりました。

 

「自信のない作品は省くこと」を念頭にその時あった作品の半分ほどを使って編集し提出しました。

 

ポートフォリオ制作のステップはここまで。

 

長々と書きましたが、私には正解はわかりません。

客観的に見ても私のポートフォリオのクオリティは高くはありません。

デンマークのフォルケ時代の友人の入試時のポートフォリオや大学の同級生のものを見せて貰う機会もあるのですが、作品量も内容もバラバラです。私にはバラバラに見えます。よく欧米系の大学は「プロセス重視」と言われますし、確かにそれはそうなのですが、合格者のポートフォリオで一切プロセスの見えない作品のみ、というのも見たことがあります。ポートフォリオだけの審査しかない場合を除けば、複合的な判断なのだろうなぁと思います。私はポートフォリオ、課題作品、エッセイ2本の1次試験。2次では実技制作を現地で3作品とその作品のプレゼンテーション、個人面接。並べただけでもポートフォリオだけではなかっただろうと思います。

 

初めて取り掛かる人には謎の多いポートフォリオ制作。私の話はほんの戯言と思って、周りにいる人にいろいろ相談しながら頑張ってください!