Swing, Swimming.

今日からセカンドセメスターが始まりました。ERASMUSで短期留学していた子が帰ってきて、代わりに母校へ帰ってしまったり。EUの大学では1セメスターの短期留学が推進されています。卒業時には母国語+2ヶ国語話せるようになることが、望ましいとされているそうです。母国語、英語は大抵身についているので+第3国語ってことですね。EU発足の理念に近いものがこのERASMUSにもあります。文化の相互理解、もう戦争を繰り返さないために。国境が接している大陸においての平和を過去の過ちから学んでいるわけで、簡単に言えば、そういうことです。いや、教育レベルの向上とか、いろいろ書いてありましたが。すごく簡単に。

 

前セメスターでメキシコへ留学していた子が帰ってきました。授業の最後に「メキシコについて話して!」と先生に促された彼女は、非常に興味深い話をしてくれました。大学のこと、同じ専攻でもフォーカスの違い、メキシコ人のこと、南米のこと。そして彼女は留学中に地震を経験していました。そう、メキシコ中部地震。ヨーロッパ生まれの彼女にとっては初めての地震体験、しかもマグニチュード7.1。大学はもちろん1ヶ月休校になり、住んでいたアパートも倒壊の危険があることから引越しを余儀なくされたそうです。彼女の地震体験の中でとても興味深い表現がありました。

 

 

「初めて'揺れ'というのを感じた時は、めまいがしたのかと思った。でも地震だと気がついた。それがファーストインパクト。ただ深刻さなんて感じなかった。大学へ行こうと出かける時で、そのまま予定通り出発した。ちょうど地下鉄に降りた時に、2度目の今度は本震が来た。まるで泳いでるみたいだった」

 

「そのあと、何が起きたのかしばらくわからなかった。なぜなら語学に問題があったから。インフォメーションが何も入ってこなくて、電車をしばらく待った。ただ遅れているのかと思って。でもあまりにもこないから、タクシーでも拾おうと思って地下から地上に上がったら、建物が倒壊してた。でも結局は言葉がわからないせいで、私にはただの静寂だった」

 

Swimmingもquiet silentも地震の被災者から聞くのは、なんだか不思議なワードでした。swimmingはswingにかかっていたのかもしれませんが。(今日の先生はベルギー人なので授業の公用語は英語でした)私にとって地震は大地であり、揺れであって、騒動です。でもそれはある意味、日本で地震教育とも言える訓練を子供の頃から受けてきたからこそ身に付いた感覚なのかもしれません。

 

何はともあれ、多くの犠牲者が出た中で彼女が無事に帰ってこれたことに一同ほっとしていました。イギリス留学帰りの子にはまだ会っていないし、次のセメスターはフランスやスペインへ行く子がいるので、また興味深い話が聞けそうです。「Kikiはどこに行きたい?」と聞かれますが、もう正直に「もはや今もERASMUSみたいなもんだからね〜もう新しい言葉は…。てへ」と笑ってごまかしてます。とてもいい機会だとはわかっていますが…そんなエナジー湧いてくる気がしません。笑

 

そんなこんなで始まった2ndセメスター。履修科目が17!と数えてちょっと恐ろしくなりましたが、ひとまず今週と来週半ばまで、授業は英語なので。ちょっとリラックスして望めそうです。ただ履修登録の深い沼にはまっているので、誰か捕まえて教えてもらわなければ…。今、私が上手に発音できるドイツ語は2つ。

「質問があるのですが、時間ありますか」と「手伝ってもらえませんか」です。

 

今期もこれを駆使することになりそうです。