ウィーンでアート散策。Belvedere 21。RACHEL WHITEREAD 展。

28°Cを記録中のウィーン、今日も子供が食べるであろう1ユーロアイスを購入して涼を取りましたkikiです。なんか落語家的な入りですいません。

 

湿気がないので、日差しを避ければクーラーなしで過ごせる気候です。そもそも部屋にもアトリエにもクーラーなんてものはありませんので、原始的な方法で体を冷やすほかありません。でもやっぱり2月のどんより、より断然好きです!ヨーロッパの夏!

 

気づけば今セメスターも折り返しです。この2ヶ月、スケッチよりもひたすら文字を書き殴ってきました。でもまだ水曜締め切りのレポートが2本残っています。やばい。スーパーアカデミックで、ぜぇぜぇしてます。

 

そんな中でもちょこちょこと美術館へは行っています。最近見た展示がとても良かったので、ちょっとご紹介したいと思いブログを開きました。

Belvedere 21 er Hausで開催中のRachel Whiteread展

www.belvedere21.at

 

 

Belvedere 21、通称は21 er Haus。ベルヴェデーレ宮殿のすぐお隣、と言うか敷地内?にある現代美術館です。オーストリア建築家Karl Schwanzer建築でとてもモダン。建物自体はコンパクトですが、癖がなく、見やすいです。不思議なのが、ここもまた2階が回路状に展示室が配置されていて、これはこちらの一般的な作りなんでしょうか?結構日本の美術館にはない作りだと思うので興味深いです。いやでも意外と市営の美術館なんかだと似た作りかもしれない…時代性でしょうか?はて?

 

オススメはグランドフロアのRachel Whiteread展です。レイチェル・ホワイトリード(またはホワイトレッド)はイギリス生まれ、1993年に女性アーティストで初めてターナー賞を受賞したアーティストです。

www.tate.org.uk

 

マスターピース的な象徴的な作品が多い作家でもあるので、日本でも見たことがある方がいると思います。ターナー賞の"House"やウィーン、Jundenplatzでの"Holocaust Monument"(2000年)や1991年から1998年に"UNTITLE"、Hot-water bottle(日本でいう氷枕のような形の湯たんぽ)を様々な素材にて制作されたシリーズなど個人的に好きな作家です。今回初めて見たコラージュのシリーズもよかったです。

こちらは野外展示のCHICKEN SHED。ベルヴェデーレ宮殿の庭園とのコントラストが不思議な感じです。

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Racel Whiteread  CHICKEN SHED  2017

彼女の示すところの喪失的素材の石膏で型どられた、言葉の通り凹凸を繊細に拾い集めた「型」が、私たちの目に「見えるもの」と「見えない可能性」について問うているような。私にとってそういう作品群の彼女の展覧会、静けさがとても印象的でした。感覚的な素材や色彩のチョイスが気持ちを内から外へ誘ってくれ、イントロダクションで使われた言葉の通り、詩的な空間でした。彼女の30年の作品群を見渡せる贅沢な展示、お勧めです!

 

もう一つ、最近行ったのはMuseum Gugging。こちらもとても良かったので、また別でご紹介したいです。ウィーンはエゴンシーレとクリムトだけじゃないんだよ!と言うことを、なんの使命感もなく、勝手にお届けしようと思います。個人的にエゴンシーレは好きだけど、クリムトは、うん…と思っているので尚更です。いや、この数年で好きになるかもしれませんが。笑

需要があるかじゃない!私が忘れないために書いているのでお暇な方だけお付き合いいただければ…。