あぶないロジック。

なんだかちょっと疲れています。久しぶりに英語で話したのと、マシンガントークな英語を聞いたせいかもしれません。彼女のことは好きだけど、どの言語でも早口。あんまり人の話聞いてない気がするし。笑

でも本人も自覚ありなので憎めません。

 

疲れているので甘いものが無性に食べたいです。

今日見つけたこの看板。危険な香りしかしない。

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なぜお疲れ気味かといいますと…ドイツ語試験への不安はもちろん。WG(部屋)探しが難航しています。それを理由にマシンガン英語トークの彼女に会ってきたわけです。友達には誰でも、現地の子でも、ネイティブでも苦労するんだから頑張れ!と肩をバンバン叩かれましたが…どこの誰か知らない人と住む、しかもビザ更新に問題のないところを探す、資金も限られてる、と当たり前のことばかりですが個人間のやり取りは根気がいりますね…家なき子になったらどうしよう…。頑張ろう。

 

彼女に、そういえば他の子に一緒に住もうって誘われてなかった?と聞かれました。実は仲の良い友達が短期留学で別の国へ行くので、その期間どう?と誘ってくれていたのですが問題があり交渉は決裂してしまったのです。

 

理由は彼女のルームメイトの一人が「ドイツ語の拙い人と暮らしたくない、英語を家で話したくない」と意見したから。友達からその理由を言われた時は、正直とてもショックでした。でも事実なので仕方がないし、そのルームメイトがなぜそういう考えを持ったのか、理由を聞いてさらに「そうか…」となりました。

 

彼女は音大生です。音大には多くのアジア人、そして日本人が居るそうです。先日、彼女の門下生の公開試験?発表会みたいなものがあった時のこと。そこにはもちろん彼女の友達もいれば、アジア人生徒の友人も沢山観客として訪れていたそうです。そしてそのアジア人のグループは、アジア人の演奏だけを聞いて、みんなで固っておしゃべりしながら他の誰の演奏も聞くことなく会場を出て行ったそうです。

その話をしてくれた友人たち一同は「なんか嫌な感じだったよね。閉鎖的というか。あの中に知り合いもいたのに、まるで知らない人みたいな態度とられたんだよ…何かしたかなって考えちゃった」と。もちろん「だからアジア人は〜とは思わないよ。でも、ドイツ語ネイティブの彼女は少なからず留学生の手助けをしているのに、あれじゃあねぇ…彼女は音大でそういう環境にずっといるんだろうね。だから家では気兼ねなくドイツ語で喋り倒したいって思うんだろうね」というのが真相でした。

 

この話だけでは、正直そのアジア人の子達がどういう理由でみんなで固まっているのかまではわかりません。彼らは彼らの言い分や、環境があるでしょうし。悪意があったわけではないでしょうし…。ただ私に気を使ってアジア人と言ってくれたけど、いろいろな時系列からして日本人グループだったのだと後でわかってしまいました。

 

別に彼らを責めたいとか、晒したいとか、そういう気持ちでこのことを書いているわけではありません。もう一度言いますが、私は彼らのことを何も知りません。ジャッジなんてできる立場じゃないし、したくもありません。

 

ただ、よほどインターナショナルな環境、感覚を持った集団や人物でない限りは「日本人がした振る舞い」=「日本人の文化」と受け取られてしまうことがあるのだということを実感した話でした。

 

これには逆説もあって、「kikiはアジア人だけどとってもオープンだよね、どうして?」と聞かれることがあります。非常に困る質問です。何を理由にそう聞かれているのか検討がつかないので、どう答えていいかも分かりません。私とあなたの相性がいいだけじゃない…?っていつも頭にはてなマークが浮かんでしまいます。笑

 

時々、「日本の右習え文化が嫌だ。海外では自己主張できるから自分にはその方が合っている」という見解の元、ちょっと自分勝手だなと思う日本人の人と出会うことはあります。でも自己主張し合えるから、礼儀知らずでいいかといえばそうではないだろうと思います。私はそこまで日本人の友人とそれ以外の友人との間に礼儀や気遣いにおいての違いを感じたことはありません。むしろ場合によっては彼らの方が敏感です。友人達がオブラートに包んでアジア人と言ってくれたのがいい例かもしれません。差別やジェンダーについて考える機会や環境が身近にあるので、彼らのそういう気遣いはとても繊細です。

 

ヨーロッパに住んでいると、自分が嫌な思いをした相手の人種や背景がその後に暗い影を落としていないか密かに自分の中で戦っている人が沢山いるんだなぁと思います。

私も例外ではありません。嫌な思いしたら、何か相手の要素から理由をはっきりさせたくなっちゃうものですよね。〜だから、あの人はこんなことしたんだ。みたいな。

 

そういうロジックに一番簡単に、かつ無条件にハメてしまいがちなのが「だって〜人だもん。仕方ないか」なのかもしれません。危なすぎるロジックだなぁと思います。