初めて泣かずに終わった1ヶ月。1年と1ヶ月のウィーン生活。

明日からまたもや4連休がやってきます。ハロウィンのハの字も感じないウィーンですが、来月から住む家は家族住まいなので、多少行事ごとに詳しくなりそうな気がしています。そう、再びの引越しを決意しました!ウィーンに来て、周りの友人から学んだこと「納得いかないことは我慢しない、自分次第なことは変える努力をすること!」

ブログで、優しい皆さんに慰めてもらいながら日々を暮らすなんて甘えてばかりじゃいけない。そして何よりも誰かに不満を持った状態で生活するのは不健康。色々と決意に至る経緯がありますが、兎にも角にも先週「よし引っ越すぞ!」と決意しました。

 

決意の翌朝、アトリエのキッチンでコーヒーを入れながら友達の「元気〜?」に対して、「いや〜それがさぁ、家探しをまたしないといけないんだよねぇ」と。「どうしたの?」と聞いてくれて、つらつらと前夜あった出来事を説明。そしていい家見つかるといいねぇ〜と。もし困ったら家でしばらく寝たらしいよ〜と。その時はのほほんと授業へ向かいました。

 

 

そしてランチが終わって、アトリエに戻ったら、朝会話した友達が

「kiki、J先生が空いてる部屋がある家があるんだけど、誰かいないかなぁ〜って聞いてたよ! kikiが探してるって言っておいたから、先生が戻ってきたら聞いたら?!」と、まさかの吉報!

 

先生がランチから帰ってきたのを察知して「J〜!!(先生なんて呼ばない、呼び捨て。笑)私家探してるのーーー!!!」と大急ぎでオフィスへ。「Kiki~!やぁ〜〜(イエスの意味)聞いてるよーーー!」と詳しく空いてる部屋情報とともに、大家さんに電話までかけてくれました。そしてあれよあれよ、という間にどうも新しいお家が決まりそうです。

 

最初は同年代で自立した人たちと暮らしたいと思って、そうしたのですが。それはそれで、色々とあります。お金を払わない彼氏という名の同居人が増えたり、契約書がぐちゃぐちゃで話と違う、とか色々ね。アート系の人が集まるフラットシェアからも声がかかったのですが、私はドラックを一切やらないので、それもそれで、パーティーの度に悩むし疲れるし。正直、もう楽しく暮らすより、安全安心なところで生活して学業と制作に専念したいというのが一番です。考えることが山ほどあるので、家に帰ってまで誰かと議論する体力はありません。笑

 

そんなこんなで、先週末にご家族のお家へお邪魔してきました。私のドイツ語にも「問題ないよ!」と言ってくれ、ビザに必要な諸々も用意してくれる。何より、大学の関係者でお互い身元がはっきりしているので安心。娘が3人いるのですが、オープンな子達で「この人たち私が日本人で、留学生で、とか気にならないんだろうか」と自問自答するぐらいには超フラットに接してくれました。家族ごとにはある程度お互い線引きをしながら、程よい距離感で生活できたらいいなぁ。今回は色々と不安だったので、新しい家を決める前に、大学の友人に色々と相談して「そこなら大丈夫だよ!」と太鼓判。「kikiは大人だけど、一人で外国で生活しているわけだから、頼れる人と暮らすのがいいと思う」と。

 

夏から今まで、色々と疲れる出来事が多かったけれど。

今は、あぁもうここに1年いるんだなぁという実感があります。1年が過ぎたあたりから、自分の生活がここにあるという現実味が湧いてきました。困ったことがあれば友達から電話があって手伝いに行く。週末には友達からお誘いがある。1年前に一人ぼっちで始まったウィーン生活はいつの間にか一人ぼっちではなくなっていました。

 

多分、だけれど。ドイツ語を勉強したことが大きいような気がします。

平日の夜にカフェやご飯に誘われても、週末にパーティーに誘われても、1年前の私は大勢の中で孤独になるのが嫌でいつも断っていました。今夜手伝いに行っていた彼も、最初の1年は私と同じ理由で一人ぼっちだったと言っていました。彼は英語を話さないので、ドイツ語の拙い最初の1年間の孤独は私以上だったと思います。お互いに最初の一年はよく家に帰って泣いたなぁ〜と。そんな話をしながら作業していました。今笑って、彼の卒業制作を手伝えるのが嬉しいです。

 

10月も終わります。

私がウィーンに来て初めて、泣かずに過ごした1ヶ月でした。不甲斐ないことは変わらないのですが、どこか肩の荷が降りて、ゆっくり頑張ろう。わからないことは無くならない。恥ずかしくない、聞けばいい、学べばいい。そう思えるようになりました。まだ聞き間違えること、言い間違えることだらけだけれど、それでもいいから堂々と生活しようと思えるようにもなりました。大事なのは毎日学ぶことだから。

 

それがこの1年での一番の成長だろうと思います。

 

 

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美味しいご飯を皆で共有できる今がとても幸せです。