暮れのご挨拶。今年も1年ありがとうございました。

年の瀬らしいことを書いて、今年の日記を一度締めたいと思います。

2017年の12月、何してたかなぁと思い返すと、そうかウィーンに住み始めてからまだ2ヶ月弱だったんですね。なんだかもう2年経ったような、今はそんな気分です。時間が流れるのが速かったのではなく、1年での出来事とは思えないくらい濃厚な時間でした。

 

夏を越えるまで、年甲斐もなく、たくさん泣いた1年でした。

でも、その度に色々な友人にぎゅっと抱きしめられた1年でもありました。

 

最近、年齢ってなんだろうと思うことがあります。社会人として経験を積んでも、言語や国が変われば、簡単に赤ちゃんに逆戻りです。赤ちゃんは笑うことで相手へ信頼を伝えてコミュニケーションを図りますが、私もまさにへらっと笑ってなんだか許されてきた1年だってように思います。

ドイツ語が全くわからなかった時も、みんなが笑っていれば私も笑って、自分を守っていました。1年経って、人に合わせて笑っている自分に気がついて、それが自己防衛だったと。ハッとしました。「kikiはいつもニコニコしてるから、ついニコッと笑いかえしちゃうよ〜」と友達に言われたのですが、無意識にここで生存するには…と本能的に反応していたような気がします。生理的微笑と社会的微笑を交互に繰り出してたんですね、さすが赤ちゃん。ま、もともと笑い顔なんですけどね。笑

夏を超えて、精神的に楽になったのはドイツ語で生活が成り立ち始めたから。夏前は私がドイツ語で話しかけても英語で返事されていたのが、夏を超えてそれが終わりました。夏休み明けに会ったみんなが「すごいじゃん!」って褒めてくれたのが嬉しかったし、それを努力と認めてくれたのか一気に打ち解けた感じがあります。そもそも入学前にその準備を怠った、無謀な私が原因なだけで褒められるようなことじゃないんですがね。ゴホゴホっ。

何より授業後の英語解説がなくなったのは先生にとっても私にとっても、肩の荷が下りた感…もう教授陣にお歳暮でもお送りして感謝の意を表したい。1年根気よく、本当にありがとうございました。ここで言っても伝わりませんが。

 

ただ、大学生活も2年目に入って、いよいよ4年で卒業するのは難しいような気もしてきました。単位は4年で取り切れそうですが、4年後に作家として、もしくはそれ以外の何かとしてスタートラインに立てるのか…。今は2年後に卒業制作をしているなんて想像できません。通常は最短5年で卒業の意味がわかってきました。もし4年で本当に卒業したいなら、もっと集中しないといけない。

 

今まで日本を出て海外で勉強する一番のメリットは「孤独」でした。友人も知人もいない土地では、勉強以外にすることがありません。自分の身体を使って、自分のためだけに時間を使って、ただひたすら吸収する。だから、今でも鮮明に空気の澄んだ夕暮れや、一人でぼんやり考えていたことがリフレインします。話し相手は自分しかいませんでしたし、周りは自分とはそう簡単に同化しない事象ばかりでした。今までのカナダ、デンマークはそうでした。どちらの国でも携帯電話を持っていましたが、鳴ることなんてほぼありませんでした。

 

でも今は「今何してる?」「今日何時にアトリエ来る?」「明日、美術館行こうよ」「カフェにこう」「映画見に行こう」「散歩しよう」「アドバイスしに来て」「相談がある」…そして私も「相談したいことがある」と電話できる相手が出来ました。もうここでは「孤独」は自分で作るものになりました。私は何かの一部になったようです。

 

それでもアトリエのみんなとは心地のいいボーダーラインがあります。それぞれに芸術を志しているのですから、一人で為すことが山のようにあるのは同じなのでしょう。私も自分を律し、自分の軸を見つけ、制作に集中し、インプットとアプトプットの自己適正速度を2年目中に見極めたいです。今の課題!

 

 

さて、2018年、このブログを覗いてくださった皆さま。コメントで本当に優しい言葉をかけてくださった皆さま。何度救われたことかわかりません。

ありがとうございます、そして、ありがとうございました。

 

早いものでこのブログを書き始めてから2年が経ちました。最初はカナダでの独り言に耐えかねて、始めたこのブログ。なんの情報もなく、ただただ、局地的な個人の日々をだらだらと書き連ねているこんな文章に反応があるだなんて考えもしませんでした。最近は個人的なことばかり、何を理由に書いてるんだろうと思うこともあります。公人でもないのに、誰が興味あるんだろうかって。笑

 

でも、このブログを通じて知り合った方もいて。こうして日本語の文章にすることで、実はこっそり日本の友人が覗いてくれたりもしていて。このブログに目的も意味も、もはやないけれど。なんだか、無口な話し相手みたいで、まだしばらくは会話していたい。そんな気持ちでいます。

 

2019年が皆様にとって、あたたかく、柔らかい一年でありますように。

良い年をお迎えください。