オープンアトリエ。

オープンアトリエ中です。本日3日目。

夜10時までと長丁場なので、朝モニターのスイッチをONにして、友人を迎えて案内して。今は一時帰宅。3週間ぶりにスーパーで食材を購入して、新鮮なものが冷蔵庫に収納されました。3週間、キッチンに立つ隙もなく、むしろ11月頃から週末らしい週末もなく駆け抜けてきました。気づけば来週で18/19Wセメスターも終了です。

 

最終プレゼンで披露したパフォーマンスはフィルムに収めて映像作品として上映中です。映像作品など撮ったことのなかった私ですが、先生が全面的に収録を手伝ってくれ、友人が映像セッティング方法を教えてくれ、教授がスピーカーを貸してくれて、大学がメディアプレイヤーを購入してくれました。あれよあれよと3日で映像が仕上がり、オープンを迎えました。今回は作品のオブジェクト、パフォーマンスの映像作品、そして2メートルの写真作品と一つの主体から3つの多角的なものをお見せしています。

 

このオープンアトリエのためにロシアはモスクアから、文字どおり飛んできた女性に声をかけられました。彼女は私たちのスタジオでの勉強を夢見て、在学生からのポートフォリオアドバイスに参加するつもりでやってきたそうです。最終プロダクトが写真、オブシェクトと少なくとも最低2つはあるわけですが、実際には4ヶ月膨大な量のリサーチとスケッチ、ファーストモデルから最終に至るまでのプロセスを経てきた私たち。ですがオープンアトリエでそのプロセスを披露したことはありません。彼女は、数日で仕上げたものでないことは明らかだけれど、どのくらいの時間と労力を費やしたのかと言う質問を私たちに投げかけてきました。どうして披露しないのか?と。

 

ここでは「努力」は評価の対象にはなりません。

 

最終的に「作品」と位置付けたもの以外を人に見せる理由がないのです。他のスタディでも同様ですかね。プロセスは学生のうちは評価に含まれますが、結局は最終セッションが全て。今までそんなこと疑問に思いませんでしたが、彼女に質問されて初めて、教授が私たちに逃げ道を与えていないことに気がつきました。本来展覧会であればその趣旨を文章に起こしますが、こちらも適切で必要と判断されなければ、掲げることは出来ません。

 

彼女には「ドイツ語能力が相当求められると聞いたのですが…」と質問されました。「これはもう、kikiしか答えられないね」とみんなニヤニヤ。笑

 

「最初の1年は本当に辛かったです。よく一人で泣いていました。でも教授は一度たりとも私の語学についてジャッジしたことはありません。彼女は私たちを信じてくれています。あなたが彼女と会話できるビジュアル言語を持っていれば、ドイツ語が必要なレベルに追いつくまで、彼女は辛抱強く待ってくれます。そして同僚たちはいつだって助けてくれます。私はそうやって3セメスター過ごしてきました。周りがどう私を受け止めているのかは、わからないけれど。最初の1年、ここで学ぶ辛さと喜びは同量だったように思います。ここでは確かにドイツ語を勉強する義務がありますが、それを理由に諦める必要はないと思います。少なくとも私たちはすでに英語でこうやってコミュニケーションが取れます。ドイツ語は大学にいる間だけしか求められないかもしれない。今だけかもしれないと思うと、私はそれを楽しもうと思うことにしました」

 

心の底から、そう、ちょっと得意げにアドバイスした私を私は嬉しく思います。

そしてそんな私をちょっと誇らしげに「ここに見本がいるね」と笑っていたみんなに心の底から感謝しています。心の底には拾いきれないくらいの感情が横たわっているようです。

 

ハンブルグで教壇を取るアーティストの女性から作品についてお褒めの言葉をかけていただきました。私も彼女の作品がウィーンで上演された時に見に行ったことがあり、ラジオでも彼女のインタビューを聞いていました。私たちの教授とは全く別のテイストの作家ですが、とても素晴らしい作品を作る人です。いつも厳しい表情のオフィシャルフォトしかお見かけしたことがないので、あんなに和かにお話しされる方とは思わず驚きました。失礼か。笑

 

連日、友人が作品を見に来てくれることもこの上なく幸せです。そして知らない誰かが、誰が作ったのかと、また誰かに聞いて私に声をかけてくれるのは嬉しいサプライズでした。1年前は鬱々とした気持ちで過ごしたオープンアトリエでしたが、こうやって晴れやかな気持ちで、朝モニターの電源を入れられる日が来るとは夢にも思いませんでした。

 

中日には仕事でドイツに飛ばねばならない教授とセメスター終了のお茶会。

f:id:kiikiii:20190127020734j:plain

ベリーのケーキとても美味しかったです。教授が2月はウィーンで仕事するから、たまには皆んなで集まって映画でも見ましょうと。メールするわね、と温かいハグを交わしてお別れしました。

f:id:kiikiii:20190127020938j:plain

この3週間、冷蔵庫が空っぽで深夜に帰宅する私を心配してパパがよく用意してくれたサラダ。チキンとアボガド、エビと卵と…栄養満点。南瓜オイルのドレッシング付き。

 

来週には私がファミリーに日本食でも振る舞いたいなぁ。

自分の誕生日にはケーキを焼いて、友達と食べたいなぁ。

教授との映画ナイトには美味しいお茶を入れたいなぁ。

 

さて、映像の電源切りに、そしてみんなとおしゃべりしにまたアトリエに戻ろうと思います。

今日は粉雪です。