私は普段、朝9時には家を出て、帰宅は0時すぎ。
前回の記事でお察し頂けるように、単位を馬鹿みたいに取っているということは、授業は朝10時から夜は20時までなんてザラで、その前後に制作を進めていたりします。制作込みのワークショップだと(今まさに)完全に缶詰です。ちなみにこれは私のスタジオでは標準で、3年目ぐらいまではこんなスケジュールです。
今の家に引っ越す前に、ご家族には帰宅が遅いことは伝えていました。
もう15歳とはいえ、お子さんが居る家庭なので、事前に断る必要があると思ったのですが、そこはパパが芸大の先生なので「君たちが忙しいのはよく知ってるよ〜」とオッケーを貰って同居することに。
今週も相変わらず日付が過ぎてから帰宅していたのですが、あれ?なんかパパの気配がないなぁと思っていました。生活時間が大幅にズレているので、普段ほとんど干渉することもされることもないのですが、いよいよ「もしかして娘さん一人なのか?」と気になり本人に聞いてみました。
話を聞くと月曜にパパがバイクで事故にあって、簡単な手術をすることになったと言うではないか。
大事件じゃないか!
前提として、三女が6歳になり就学が始まるのに合わせて、昨年ウィーンから車で1時間ほどの田舎に家を買ったご家族。ママと三女はその家に住んでおり、三女は自然豊かな場所で育っています。15歳の次女はあと数年で高校を卒業するので、そのままウィーンの家で平日はパパと生活しています。これは多感な時期に、生活環境や友達が変わるのを心配して次女が高校を卒業するまでは2つの家を維持すると言うご両親の決定。逆を言えば、三女を途中で転校させるのも憚られるので、三女は三女で最初から郊外の学校でスタートさせた、というわけです。家族の関係は至って良好で、パパと次女も金曜日の夜にママ達の住む家に行き、週末は家族で過ごしています。平日も週に一度はママとパパが入れ替わって、次女とママの水入らずの時間を作っています。
それが、パパが週末に郊外で怪我をして、ウィーンに戻ってこれなくなったと。次女も電話で断片的に聞いているだけで、正直よくわからないと困り顔でした。想像するにママもパパのケアと三女の面倒でてんてこ舞いなのでしょう。水曜日にその話を聞いてから、授業が終わったら直帰することにしました。
もともとこの次女はとっても自立した子で、自分で料理をしたり洗濯したりと文句も言わずにちゃんとやる。でもまだ15歳。さすがに一人ぼっちで過ごすのが寂しいのか、私の部屋の前にあるリビングに勉強道具を盛大に広げて過ごすようになりました。普段部屋に篭っているタイプの大人しい子なので、よっぽど寂しいんじゃないだろうか…。
食事はママから言われているのか、学校帰りにテイクアウトを買ってきている様子。
でもさすがに心配なので、何かあったら言ってねと声はかけていました。
金曜日の今夜、彼女は家族が住む家へ。
でも来週も誰もウィーンにこれないとなると…。私は二泊三日ドイツに研修で行ってしまう。いよいよ一人です。テスト勉強をしているので、本人も学校を休むわけにもいかない。とりあえず、もしママもパパも戻ってこれないなら、月曜日の夜は一緒にご飯を食べようと持ちかけてみました。私は料理は苦手で、人様に食べさせられるようなものは出来ませんが、それでもサラダにちょっとしたものくらいはできるので。何より、普段大人しいとはいえ、ここ数日はちょっとしょんぼりしている様子で心配。
とりあえずは、ママにkikiが2日ウィーンに居ないことも伝えてもらうようお願いしました。おばあちゃんがリンツに住んでるし、来てくれるかもしれませんしね。バイトでウィーンを離れている長女が戻ってくるかもしれないし。
私も事情があって14歳で一人暮らしをした経験があります。
彼女と同じように家族で住んでいた家に一人で残りました。今思えば1年くらいだったような気もするのですが、記憶が曖昧です。1ヶ月に1回祖母が顔を出してくれるくらいで、基本は本当に一人でした。一人で朝お弁当を作って学校に行って、帰りにスーパーに行って、一人でご飯を食べる。初めて銀行でお金のおろし方を教わって、でも友達を呼ぶこともなく、ただ黙々と一人で生活をしました。今も何一つ家族への恨みなどはありませんが、あまりその時期の記憶が鮮明でないのは、それなりに何かを抱えていたのかもしれません。
私の場合は車で1時間どころか飛行機に乗らないと行けない距離に家族が離れていましたが、なんとなく今週の彼女を見ていて少し昔の自分と重なったのかもしれません。
この2重生活。娘のことをそれぞれに思っての決断だと思うのですが、誰かが健康でなくなると危ういんだということを今回感じました。これを機に長女がウィーンに帰ってくるかもなぁ…なんて思っています。長女はまさに今時のティーンで家のことは一切せずに散らかし放題、夜型生活、夜遊び大好きなので、それはそれで次女と喧嘩ばかりになります。長女の方が口が達者ですが、次女の方が正論という口喧嘩は中々に聞いていて面白いです。喧嘩しても翌日にはケロッとしてるところはやっぱり姉妹です。笑
喧嘩しようとも、姉妹ですから。一人よりそんなの数百倍いいだろうと思います。
兎にも角にも、パパが戻ってきても、元気になるまでは私も少しお家の一員としてお手伝いしたいなぁと思います。むしろ私が一番ぼんやりしてるからなぁ。
何か役立つだろうか…どうかな。
いつも一番安い野菜を調達する貧乏癖があるので、食事が偏りがち。
とりあえずは、彩りを覚えた方が良さそうです。