住んでいればいつかは都。

イースターホリデーに入りました。

ノートルダム寺院の火災でパリからのフライトが遅延して、夜中に帰宅した友達から深夜に電話。ひどい火災でまだ被害の全貌はおろか、未だに鎮火していないようで…そんな話をしました。私の初めての海外旅行はパリ。ノートルダムにも行きました。ステンドグラスにいたく感動したのを覚えています。悲しいニュースで休暇が始まりました。

 

私はと言うと、休暇の終わりにその電話相手の友達のところへ遊びに行きます。

またドイツ。あれ先週もドイツにいたよね。笑

 

 

先週はドイツはマンハイムへ研修で二泊三日。マンハイム…もし日本に住んでたらまず旅行先には上がらなそうな街でした。今回はシュトットガルト経由で飛行機と電車を乗り継いで行きました。ちなみにシュトットガルトもすでに2回目。

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国立劇場は50年代の建築で、座席が開けたモダンな作りでした。こういうところに行くとウィーンの劇場はブルジョアの産物なんだろうねぇと思わされますね。視界が広いので、舞台との関係がフラットで、普段ゴリゴリ装飾のウィーンの劇場に慣れているのでちょっと不思議な感じでした。開放感があってとても良かった。

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ウィーンの劇場よりオーケストラピットが広い感じがしました。その分舞台は小さめ。

そのせいなのか、オーケストラリハーサルでは音響トラブルで「音でか!」現象が起きていてディレクター泣かせでした。ゲネプロもクリティックたちがゾロゾロ入っていたけれど照明が乱れるはで、中々スリリング。でもどのケネプロもそんなもんですから。フランス語オペラだったけれど、ドイツ語の字幕が私にも助けになって小さな成長をしみじみ感じました。でも翌朝の批評を読んで、まだまだ言葉として受け取れてないなぁと差を感じたり。原文が英語とはいえ、相当にアレンジされたオペラだったので(ドラマトゥルグも25%くらいしか原作反映されてないっていうくらい)語学力の軟弱さを痛感しました。とはいえ、ビジュアルランゲージとしてはキャッチできることは沢山あったわけで。面白かったです。

  

右の写真はマンハイム美術館。

最終日は移動日で暇だったので一人でのんびり行ってきました。授業を受けている先生の作品も展示されていたので。作品前のコラージュを以前見せてもらっていたので、ほ〜こういうことかぁとなりました。コラージュにかなり忠実だった。

面白いというか、不思議なのがハンブルグでもベルリンでも見たピースをまたここでも見るっていう。ドイツって広大な国なのに、なぜか公共圏の現代美術館で扱っている作品に偏りがあります。作家のラインナップが同じで、なんか…うん。まぁ常設展だと、そういうもんなんでしょうか。ヨーゼフ・ボイスの「脂肪のスーツ」なんてもれなくあるし、レベッカホルンもあら、また会いましたね〜って。もちろんドイツ人作家なので、そりゃそうなんですけど。どちらも嫌いじゃないです。でも脂肪のスーツは一体いくつ世に放たれているのか気になるところです。

あと新館と旧館に分かれているスタイルも多い。旧館の方にモダン以前の絵画がぎゅーっと肩身狭く押し込まれてる感じも、あるあるです。照明とかはめ込みのガラスが旧型でちょっとゴースト感ある居たたまれなさ。

 

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天気が良かったので、ぶらぶらして、シュトットガルト空港へ。

そこで友達2人と遭遇。2人も何するでもなくシュトットガルトをぶらぶらしてきたと。まだゲートクローズまで時間があったので、3人で屋上から発着便を眺めることに。男の子は何歳になってもこういうの好きなんだなぁと、柵にへばり付いてる後ろ姿を見てクスッとしました。3人でおみやげ屋さんを冷やかして、おかし食べながら出発を待ちました。

 

研修旅行といっても、現地集合、現地解散。基本的に往路の移動は個人で手配します。とはいえ、こんな感じで、大抵何人か同じ飛行機に乗っていたりするので出発ゲートであ〜って会う感じです。6月もイタリアにヴェネチア・ビエンナーレを観に研修旅行が組まれていますが、まだ電車のチケットを取っただけ。ヨーロッパの海外旅行はもはや日本の国内旅行的な手軽さがあります。でもイタリア楽しみ。違う言語の国行きたい。

 

ウィーンの空港に着いて、なんか帰ってきた感あるって不思議な気持ちになりました。

ホームではないけれど、仮住まいとしてそれなりに愛着が生まれてきたのだろうか?でも日本の空港についた時のあの醤油の匂いと纏わり付く湿気がやっぱり私のホームだ、あぁアジアってなります。そのうちウィーンの匂いにもそういう気持ちが湧くのか。住めば都っていうけれど、今のことろは「住んでればいつかは都」って感じです。