雪だるまで稼げるか。

初雪のウィーン。目の覚める寒さが、マスクを外して歩くには気持ちがいいです。

と数日前に書いた日記を、今日公開します。時間差あれども、今日も寒い。

 

劇場の建物内では常にFFP2マスクの着用が義務付けられていて、これによる呼吸の遮られ方が普通のマスクよりストイックでして。それはもう、みんな、あ"ーーーーーーぐるしいーーーーと悲鳴を上げております。一日中装着していると苦行ちっくです。

 

そんなわけで、誰かがタバコを吸いに行くと言えば、私も新鮮な空気を吸いにお供しています。こちら、雪の日の喫煙タイム(タバコと空気)にみんなで作りました作品です。お納め下さい。

 

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いろいろトンネルの向こう側に。

各国、ロックダウンの延長や緩和のニュースで吹き荒れた週末、みなさまいかがお過ごしですか?私は初日まであと2週間を切りまして、週末も自宅で宿題を持ち帰ってお仕事しています。

 

とは言っても、平日の8時からフル稼働とは違い、週末の朝はゆっくり朝食を作ってルームメイトとおしゃべりしたり、夕方に友達とお散歩に行ったりする余裕はあります。もう、底冷えに寒いので、マスクはむしろ防寒具くらいの気持ちです。ゆったりと過ごしているのに、それでも気がつけば寝てしまった!な毎日でもあります。

 

現在ロックダウン中のウィーンですが、春のような厳重さはありません。主に若年層がもうコロナを恐れなくなってしまっていて、ティーンの集団を街ではよく見かけます。自由とは何かということを考えると、ロックダウン正義!ってわけにもいかないので、自分の倫理を自分は信じるしか無い状況です。それでも不特定多数の人が自宅で集まるパーティーなどが基本的には出来なくなったからか、単純に人が集まる場所が閉鎖されてクラスター化しにくくなったのか、感染者数は下り始めました。ただお亡くなりになる方の数はロックダウン以降上昇していたので、おそらくクリスマス直前まで何かしらの規制は続くのかなと思います。12月には希望者が受けられる全国民を対象とした抗体検査テストも実施されます。私の勝手な予想では、ワクチン接種前にいろいろと現状を知る必要があるんだろうなと思っています。PCRテスト、脳天直撃、鼻がもげそうっていうトラウマがあるのですが、抗体検査はどうなんでしょうか。受けた方がいいだろうけど。

 

予防接種の日程も優先順位の高い人から順次1月から4月まで実施されるようです。変異株が出なければ、今の新型コロナのパンデミックは少し収束の兆しが見えてきたような雰囲気が流れています。どうかそうなりますように。

 

私の関わっているプロダクションは少し日程を後ろ倒しにして、初日のオンライン配信が決まりました。オンライン配信は劇場で劇場言語で制作している人間にとって、あまり嬉しいニュースでは無いのが大方の感想です。映像作品のように、演者の顔をズームにされて、勝手に切り取る手法は、ブラックボックス全体の瞬間、瞬間を作っている側からすると、全然真意が伝わらない撮影方法です。にもかかわらず、なぜか定点では撮影してもらえないもどかしさ。いいんだよ、客席に座ってそこから回してくれればさ…まぁ、難しいですかね、特に大きいプロダクションや劇場だと。パフォーマンスアートでは割とこの考えは共有されていて、定点撮影が主流なのになぁ。パフォーミングアートではなかなか、共有されませんね…。映像だと、歌声の地響きみたいな振動を身体で感じられないので、やっぱり舞台の映像化はアーカイブ以上でも以下でも無いんだなぁとは思います。最初からデジタル化を見越した作品じゃ無いですからね。

 

そんなわけで、中止にならなかったものの、新たな不安の種が芽生えてはいます。時短勤務でなかなかライティングリハーサルが出来ずに、来週から早朝と深夜に組み込まれることに。追いつかない上に、さらにフィルムチームも加わるのでてんやわんやです。

 

でもそれもあと2週間。

この1年半、このインターンの時間の中で、期待していなかったことを沢山学ぶことが出来たような気がしています。期待していなかったこと、というのは、つまりこの今見ている世界が、新しいもので、きちんと、ここでしか出来ない経験をしているということだと思っています。思えばこの3年、ここでの経験は、きちんと新しいのです。

それは同時に、私にも新しい視点が、視座が根付いたということの裏付けでもあります。どれだけ観察出来るか、というのは芸術を自ら作る人間にとって、一番大切なことだと思っています。観察し続け、学び続けたことが、無意識化で、むしろ制作過程の半分以上を占めていると、今回教授と仕事をしてみて、はっきりと理解できました。付け焼き刃なその場のリサーチや方法論は半分しか満たしてくれず、それまでに自分のコップにどれだけ自分で継ぎ足してこれたか。そこにその時の半分が注ぎ込まれて、ちゃんとコップを溢れさせることが出来るのかどうか。そして、その都度またコップの空の感覚を覚えて、乾きと潤いを繰り返せるかどうか。

 

一つのものを見続けても、飽きなくなったのは、自分の引き出しが増えたことだと信じて喜びたいと思いつつ、飽きもせずに何度もなんどもリハーサルを見つめています。

 

余談なのですが(むしろ全部余談なんですが)インターンの最後にして、劇場でのリハーサルが始まり、技術部の大男さんたちのwienerischが全然わかりません。訛りが。そして君はhochdeutschを喋ってるね〜だめだよwienerischを喋らなきゃ〜はっはっは〜と笑われています。みなさんちょっとたまに酒臭い、いい人です。笑。でもwienerischはドイツ語をはるかに上回る難しさだと真剣な顔で訴えときました。いや、もちろんどっちもドイツ語だけど。ただ普段自分が聞いているオーストリアンジャーマンはむしろほぼ標準ドイツ語なんだと気づかされました。奥が深いぜ、オーストリアンジャーマン。

 

もう12月だなんて信じられないなぁ。

大変な1年ですが、残り1ヶ月、みなさまどうぞ無事にお過ごしください!

 

【学生ビザ更新】3度目の在留許可更新、コロナ禍にて。完結編。

 どこもかしこも、夜間外出制限なヨーロッパのみなさま、こんばんは。金曜日の夜いかがお過ごしですか?私はルームメイトたちとかぼちゃココナッツカレースープとクリームチーズのキッシュというハイカロリーなディナーを作りました。お腹がはち切れそうだし、今週は異常に早い就寝を繰り返していたので、ウトウトしながら過ごしました。

 

さて、以前のこちらの記事。

kiikiii.hatenablog.com

 あれから、他の話題の冒頭でも触れていた通り進展がありまして、今日無事に手元に新しい滞在許可証がやってまりましたので、手短に完結編です。重複する箇所もありますが、滞在許可で検索してきた方はこのカテゴリーしか読まれないと思いますので。

 

上記の記事のメールから1週間ほどで、MA35からお手紙が届きました。

内容は期日までに申請料金の160ユーロを振り込むようにとのこと。振込み用紙が同封されていました。手紙には振込みが確認され次第、郵送で新しい滞在許可証が届くとのこと。この時点で、私は追加書類なしだということのようです。

 

書かれていた通り、振込み用紙を使って支払いました。

ちなみに、電子決済も可能です。

 

支払ってからまた1週間。昨日帰宅すると、不在届けが入っていました。郵便局に写真付きの身分証明書を持って取りに来るようにとのこと。

 

郵便局へ翌日、不在票と身分証明書(学生証不可)を持って窓口へ。署名をして受け取れたので、書留めだったようです。青い封筒をオープンすると新しい在留許可証が入っていました。今年は例年とはずいぶんデザインが違います。手紙の内容によりますと、できるだけ早く今手元にある古い在留許可を返却するようにとのこと、さもなくば50ユーロから250ユーロの罰金と書かれていました。ひぇ。

 

ちなみに今日帰宅したら新しい健康保険証(顔写真と期限入り)が届きました。どうも在留許可を持っていると自動でこちらも更新されるらしいのですが(もちろん年ごとの学籍登録更新@SVは必須)、なぜか顔写真が去年の在留許可に使用したものでした。2枚並べると髪型が全然違うんですけど発行日が一緒っていう矛盾。適当だなおい。証明写真の意味とは…苦笑。

 

この保険証とか新しい銀行のカードはなぜか書留めじゃなくて普通にポストに投函されるの、いつもドキドキします。だって郵便配達の人が持ってる、どこの家のエントランスドアも開けられる謎の魔法の鍵は、結構誰でも鍵屋で作れます。記憶に新しい食事券が盗まれた夏がまさにそれなんですけど…。よくぞ無事に届いてくれた、私のeカードよ!

 

同封されていた案内を読む限り、最長で2023年までに新しいのが届くようですが、もし私のどうなっちゃうわけ?と心配な方はサイトでも確認できるみたいです。

www.chipkarte.at

 

兎にも角にも、もしかしたら今年が最短で発行されたかもしれない滞在許可。申請から3週間で、追加書類もありませんでした。ありがとう、私の担当の人。これで、もしクリスマス休暇に旅行できるような状態までコロナが落ち着けば(希望はかなり薄いが)ドイツの友達のところへ行けます。もうかれこれ1年会えてないので、さすがに会いたいよね。でも、彼は劇場で働いてるし、今の私と同様に毎週テストを受けているので、迷惑がかかるなら、いいと言ってくれていてもウィーンで大人しくケンタッキーでも食べます。ウィーンのケンタッキーなんて行ったこともないけれど。

 

そんなわけで、コロナ禍の遠隔更新作業は無事完結しました。ほっと一安心。

まぁ、いまのところは。

最近はヘトヘトで18時過ぎに帰宅して、そのままベットで寝入ってしまい、夜21時頃にまた起きて作業をして2時頃就寝、8時起床な日々です。合計すると9時間ぐらい寝ていて、体調はすこぶるいいです。免疫高めていきたい。今日もお昼はテラスに出て日光浴をしながらお弁当を食べました。

 

今日のウィーンはとても良い天気でした。もう11月も後半なのに秋晴れ。

 

新しい公演のスケジュール(未だに仮)が届きました。初演のプレミアは2日ほど延期されますが、劇場が開かずとも、まずはライブ配信で公開できそうです。

 

よかった。完全中止はなさそうです。今の所。

 

そう、今の所っていうのが、私が最近身につけた処世術です。

 

自分ではそこまで自覚がないのですが、かれこれ仕事をするようになって15年、どうも私は完璧主義な気質があるようでして、それは度々指摘されたりすることがあるのですが。この完璧主義症状は、ウィーン生活を経て、割と改善の兆しがありまして。というのも、人に「完璧主義だね」と指摘されるのは、意味を読み取ると、どうも「他人にも厳しいよね」と言う皮肉が含まれていることもあるのです。

 

今も、これからも自分の作品や仕事のクオリティは、人様から完璧主義に写ろうが貫くわけですが、人に指摘されない=他人は基本的に巻き込まない、を身につけてレベルアップを図りたい。そしてちょっとコツを掴んできたような気がします。

 

何かと比べてしか物事を表現できないのは、よろしくないのですが。ここで分かりやすく言うなれば、私が外で仕事をともにしている人たちは、日本社会で仕事で求められる細やかさや用意周到さを引き合いに出せば、かなりラフです。効率が悪いとも言えます。ただ、みんながそんな感じなのですが、不思議とイライラしている人もあまりお見かけしません。それは、個々に「まぁ、自分の仕事が大事だから」が根本にあり、他人をジャッジしないように心がけているのでしょう。もしかしたら、ナチュラルに気にしてないだけかもしれませんが。笑。

 

だから、この人たち同じ話をずっと、なんなら夏からしてるなと思うことがある。

なんで誰も仕切らないんだろう?っていうか仕切る人も適当なんだな。

でもまぁ、クリエイティブの場においては優柔不断がクオリティを担保することがあるので。まぁ、もうイライラしても意味ないから、自分の仕事しよう。まぁ…ってな具合に、人様の状況が、そうそう気にならなくなり、そして自分もそこまで気を張らずに仕事に集中できるようになりました。人の目がない感じ。

 

だから、たとえ歌手が突然怒り出して、翌日の稽古に現れなくても「まぁ、明日はくるでしょ。彼はもともとちょっとプロ意識には問題あるしね〜連絡きたんだしオッケー」で流れて、翌日姿さえ現せば「まぁ、今日からまた頑張ろうね。できれば事前に話し合おうね」ぐらいな感じでまた再開される。ちなみにこの歌手は役所がめちゃくちゃフラストレーションをためてこじらせて殺人に走っちゃう役なので、本人は気がついていないが、役の影響をもろに受けてディーバ気味である。稽古中に「もうこんなの耐えられん!」と怒ったら演出家に「まさに君の役そのものだ素晴らしい!」と言われていて、みんなクスリとしてしまった。生活に支障が出てしまうのも致し方なく、ディーバな言動も役にぴったりだなとすら思って気にしていない。本人は大変だろうが。

 

話はそれましたが(いつものことですが)。

このなんていうか、仕事を個人的感情と切り離して出来る人が多くてとても勉強になっている。もちろん言い方や接し方は大事で、そこがないがしろになることはないのだけれど、意見を言うことや提案することと、ぶつかることは日常で、それが全く尾を引かないので仕事がしやすい。

 

これは今のルームシェアでも感じていて。自分が思っていることを言うと、意見ではなく希望として受け取ってもらえるので気兼ねなく発言できる。実際相手にも希望(ドイツ語でWunsch)を言ってくれる方が生活しやすいとも言ってもらえた。

 

ただ仕事柄というのは結構大きい要素かもしれません。ここに顧客みたいな立場の違う人が関わってくる職場だと、そのラフさを、なんなら他人が適当にやったことを自分が指摘される理不尽な場面に出くわすこともあってたまったもんじゃないでしょう。現に弟が職場の人(inオーストラリア)にイライラさせられる一番の要因は、彼が自分の職場の適当さと日本の取引先の細かさに板挟みになっているからだという話を聞くたびに「それはやけ酒案件」と同情してしまう。

私の場合は、立場が同じ人だけで完結するからお互い許せるというのはあります。何よりもプロダクションごとにチーム編成は変わるので、気の合わない人がいても、今回だけかもしれないと思うと我慢できるというのもあります。

 

そんなわけで、5年前の私だったら、イライラしていたこと間違いない環境なのだけれど、今はのほほんと、甘えるところは甘え、維持したいことは維持して、自分の理想に対してだけ仕事や生活をしている感じである。まぁ、まぁと言いながら。

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たまには写真でも。こちらアルベルティーナ前の彫刻たち、なんだかお風呂に入っているみたいでついパシャりとしてしまいました。のほほん。

 

ロックダウンVol.2

17日深夜0時より発動しましたロックダウンVol.2なウィーン。ポップな感じで書き出したものの、クルツさんの会見を見て"Treffen Sie niemanden!”個人的意訳 :誰にも会ってくれるなよ!と、病院の集中治療に対してこのままだとトリアージしないといけなくなる危機なんだよ!に恐れおののいています。毎日ニュースは見ていたので、時間の問題だとは認識していたものの、ヤベェんです。こんなに病床豊富なオーストリアも、第二派の勢いに、致し方なしのロックダウン。

 

ただ、春のロックダウンから色々と反省と改善がなされてまして。雰囲気的には3月というより4月後半から5月前半のロックダウンに近い感じがします。

 

私は本日も朝から毎週恒例のコロナテストを受けて、始業。今週も無事陰性、また1週間働けます。職場に関するルールも先日の会見でアナウンスがありましたが、私の働く環境は、屋内に入ったら有無を言わさずFFP2を着用し、常に人との距離は最低1m確保、室内の出入り時は手の消毒。リハーサル場にいる人は全員、毎週陰性が確認された人だけですが、関係ない、想像の範囲内で徹底しています。これは夏から変わらない。

 

劇場からは仕事で外出していますと書かれたドキュメントが発行されていて、コントロールがあったらそれを見せるように言われています。まだ新しい在留許可も届いていないので、MA35からの更新受け付けましたの手紙と、パスポートも持ち歩いています。外国人は身分証を携帯しないと罰金取られちゃうんですよ。取られちゃったって話も身近な人から聞いたことがありますので、警察がウロウロしている今は、ドキュメントとID武装です。なんだそれ。

 

街は私と同様に、仕事に出かける人が多いようで、前回のような時が止まった感じはありません。日曜の朝って感じです。公園には子供が溢れていました。やたら朝からジョギングをしている人も見かけます。同僚とロックダウンに対するモチベ高いね〜と冗談を言いながら歩いていました。

 

そう、もう冗談でも言って緩和していかないと2回目は受け入れられない。なぜなら前回で、ロックダウンってシャイせだぜ〜って知ってしまったので。あっ言葉が汚くてごめんなさい。

 

必要性も効果も理解しているので、もちろん最大限の努力と協力は惜しみません。私なんかができることは限られている、悲しいかな。医療関係者はノンストップで3月からずーっと戦ってくれているわけですから、夏に気を緩めた一般市民はほんの3週間ぐらい…とは言っても、店を閉めなければならない人に、職をまた失った人(私もレストランのバイトはまたロスっている)からすると、もう勘弁してくれよ以外の何物でもない。どこも得しない。これがパンデミック。

 

それにしても、何がどう影響して、欧州はこんなに大打撃の感染者と死者数なのだろうか。と、街中にある過去の感染症の歴史に関連した記念碑とすれ違っては考えてしまう。ウィーンにはペストの収束記念碑なんかが残っている。大陸続きと身体的接触の多い文化がこんなに影響するものだろうか…専門家ではない私が答えを導き出せるとは思えないが、今回の誰も何にも得してないパンデミックから、少なくとも何かしらの法則でも見つけ出せたらいいのにね…。もちろん探してるんでしょうけど。

 

週末にデンマークの友達とスカイプしていて、ミンク大虐殺の話も聞いて、ただ、ただ悲しい気持ちになった。人間の命を救うために我々は最大限努力するけれど、それと引き換えにミンクが大量に犠牲になっちゃうのだ、そういう世の中だ。でも私はミンクを救えない。人間すら、全然全く救えないし。

 

12月には街中にインフルとコロナを簡易検査で見分けるコンテナが設置されるそうだ。マスク姿と同じように、こちらも日常の一コマになるのだろうか。

 

ミンクを大量に犠牲にした事実はめぐりめぐって、私が今もリハーサル場であれこれ準備したり、プロダクションを諦めずに続ける機会につながっている。彼らの命に等しいとは到底思えないが、落ち込んでも、明日もまぁ自分の仕事をするのだと思う。

 

私には、街全体に、ちょっと落ち込んでも、明日の日常はやりきろう、そんなぼんやりとした執念みたいなものが感じられる。まずは12月6日まで。少しでも状況が好転することを祈るばかりです。

気遣い、古今東西。

あれから数日。在留許可の進行具合はと言いますと。メールの通りMA35からお手紙が届いて、更新料を支払ってきました。手紙によりますと、振込み確認後、あとは在留許可証がまた郵送で届くのを待つのみのようです。4年目にして初めて追加書類なしで通過するかも?期待しちゃうなぁ。

 

こんな感じで、軒並み遠隔でお役所仕事が進むようになったわけですが、この方が双方ストレスがないような気がしますが、どうなんでしょうか。来年もお役所関係については、このままがいいな…窓口で不機嫌な人に当たって、Heut ist nicht mein Tag〜ってため息つきたくない。でもすでに心なしか、WGKK(名前変わったんですよね?なんだっけな)ですら窓口業務と比例してストレスが減ったのか、優しいです。多分日本の接客基準で言うと、不親切の部類に入りそうだけど、ウィーン基準でいくと親切。笑

 

11月に入って、2度目のロックダウン中なので、仕事も17時までと時短です。土曜日のリハーサルもなくなって、家に18時には帰宅できる。時間がたっぷりあるので自分のことが進む。ありがたい。17時退社、最高すぎる。

 

時短になって、現場が混乱するかと思いきや、そちらもリラックスしたもんです。そして働いてみて思ったのですが、それぞれ「自分の仕事の責任」だけ負うので、全体がちょっと滞っていても結構他人事と言いますか…まぁラフですよね。私がちょっと気にしようもなら「だから日本人は〜」って言われるか「それあなたの仕事じゃないから大丈夫」の二択です。どちらもまぁ、ポジティブな意味です。多分。

 

今日も、明日の午前中に打ち合わせに行くからリハーサルに遅れると演出部に相談に行ったら「でも、明日はセットのあれを使ってリハーサルするからさ〜」と渋い顔をされる。素直に受け取って、「そうですか〜」と自分の予定を変更できるか考えていたら、横から同僚が「あっでもそれ私たちの仕事じゃないんで!」とすっぱり切り捨てた。

 

すごい。びっくりした。

そのあと、各部署に「それ私たちの仕事じゃないから、オッケー?」とさらに念押しに回っていた。

すごい。びっくりした。

 

そして忠告。同僚に「自分の仕事じゃないことをやると、他の人の仕事を奪うことになるから、やらないでね」と念押しされた。

 

常々、ここで、と言うかカナダでもそうだったけど、海外で働く上でこの、気を使ってるつもりで仕事を奪っていると思われる現象が難しい。でも気は使わなければならない。これはそんなに日本社会と変わりない。コーヒー入れるなら、欲しそうな人の分まで人数分入れるし、誰かが忘れていることをこっそりフォローもするし、忙しそうだったら声もかける。でも専門領域から出るときに細心の注意が必要なのだ。万が一にも相手に「仕事を奪われた」と思われてはトラブルの元である。ちなみに、ドイツではその辺はもう少しラフだと他の同僚に言われて、まぁ働く国というよりは、この劇場の場合かもしれない。でも「それ私の仕事じゃないんで」を言える軽やかさは、日本社会の比ではないように思われ。かといって、もちろん無茶振りは日常茶飯事であり、誰もが私の仕事の領域を正確に、ここでは契約書上正確にとなるかもしれないが、理解しているわけではもちろんない。つまりは、この軽やかに「それ私の仕事じゃないんで〜」と言わなければならないのです。今の所、私のいる場所では。

 

他にも相変わらず、SieなのかDuなのか混乱している。Sieを使えば無難なのだが、丁寧すぎる印象がステレオタイプの日本人と結びついて笑われることもある。でも笑われるのはいいとして、失礼なやつと思われる方が、これまたトラブルの元なので、相手が指摘してこない限りはSieを使っている。でもメールでSieを使ってるの私だけな時があって、やっぱり笑われるので難しい。

 

ドイツ語で仕事するのは、さほど問題がないことは良い収穫だけれど、言語の問題以外に文化に馴染みきれないという問題があるようだと気づかされました。幸い、うん、この場合は幸いにも、私は見た目が幼く見えるらしく、まぁどれもこれも拙くても、笑われて過ぎ去っていくことがほとんどです。

 

ようは気の持ちようで、メンタル鋼に、ポジティブにやれることを頑張るのみなのかもしれません。あとは、いかに堂々としているか、も自分の身を守る大事なポイントなのだと働く人々を見ていて感じています。この態度で日本で働くとすぐに嫌われそうだなぁと思いつつ、ここ日本じゃないからねぇと自分に言い聞かせています。そう、サービス業に笑顔を求めなくなったように。

 

こんな気の強さが染み着くのが怖い私は、

来年どこにいるんでしょうかね。

【学生ビザ更新】3度目の在留許可更新、コロナ禍にて。

洗濯をして、あぁ今週は黒い服しか着なかったなぁと思い出して少し悲しくなった日曜日の朝。

一人暮らしをしている友達のところへ朝食を食べに行ってきました。何から何まで気をつければいいかわからない、ソフトロックダウン。友達にも事前に「私、毎週コロナのテストを受けていて(仕事柄)、症状がなくても陽性が出る可能性があって。その場合、一緒にご飯を食べたあなたは濃厚接触者になっちゃうけど…!」と言う謎の確認が入る生活。実際に、こういうカテゴリー1に入る接触者になると自分が陰性でも自宅隔離10日間が義務付けられます。ちなみに濃厚接触者でなくても、例えば受けた講義の学生の中にのちに陽性反応がでた人がいた場合は、もれなく全員検査を受けなければならず、この場合は大学内ではソーシャルディスタンスとマスク着用のルールが義務付けられているので濃厚接触者には当たらないのですが、いかんせん検査所がパンクしているので、結果が出るまでにだいたい5日ぐらい自宅隔離の状態で待たなければなりません。このパターンは大学で頻発していて、特にスタジオ外の講義でこれを食らっている子がすでにクラスに4人います。

でも、謝ったり、責められたりしません。当たり前ですが。だってパンデミックだから。もう信じられない一年を過ごしているね…と友達と公園を散歩しながら不思議な気持ちになりました。落ち込んでも仕方がないので、二人で公園の帰り道に、ロックダウンが終わったら行きたいレストラン巡りをして、妄想を膨らませてきました。今回も前回同様に、店内営業を禁止されているレストランやカフェ、とても厳しい状況だと思います。どうか乗り越えて欲しい…ウィーン生活の素晴らしいところの一つに、美味しいカフェとレストランは欠かせない…。この1ヶ月はお気に入りのレストランやカフェがお持ち帰りをしていたら、一回は利用したいです。潰れてしまってから嘆いても、もう遅いですもんね。常連さんが顔を出せば、お店側も客離れをあまり心配しないかも…楽観的すぎるけど…どれだけポジティブにいられるか!最近の合言葉です。

 

さて、前置きがナガーーーークなりましたが。

先月末に在留許可の更新手続きに行ってきました。コロナ禍ですので、対面での提出ではなく、更新の場合は郵便もしくはメールで書類を送ることになります。と、MA35のホームページには書いてあります。なので、余裕を持って用意して郵送しよう〜と準備していたら、10月に入って、同じ地区に住んでいる数人から「提出用のボックスがMA35にあるから、そこに直接投函した」と言う話を聞くことに。自分がドラブルになったことはないものの、不在票が入っていないことがあるなど、少々心配なウィーンの郵便システム…直接投函できるならその方がいいかな?と思い、それにしても、どこにあるんだろうと見に行きました。入り口に居た警備のお兄さんにポストの場所を教えてもらい、建物内にあるならと、ポストに出しに行くことにしました。他の友達はメールに添付して提出している人も多かったです。メールの方が証拠が残りますしね。

 

さて、用意した書類は去年の更新とほぼ一緒です。

過去の記事にしているので、こちらへどうぞ。

 

kiikiii.hatenablog.com

 

少し追加になったのが、 AMSの書類です。アルバイトを始めたので、AMSで就労の許可が降りていますよ、と言う書類と過去3ヶ月分の給料明細のコピーを提出しました。これは去年、追加書類として聞かれたものです。今年も聞かれるだろうと思いまして。

 

それから、成績証明書は、前の年のものと、在籍期間を全部含んだものを2種類出しました。これも追加書類でいろんな友達が聞かれていたので、両方用意しました。ただ大学の学生課にお願いするだけなので。

 

それ以外は去年と同じものを。パスポートはコピーだけを同封。写真は2枚、切ったものと、日付がついている部分を入れました。これは一枚でよかったかもしれない。

*追記(11/10) KSV1870の申請手続き後に、手に入る書類が以前は郵送でしたが、今年は3日後くらいに送られてくるメールに添付されたリンクからのダウンロード(14日間有効期限つき)のみでした。支払いもオンライン決済。コロナが関係しているか不明ですが、補足まで。

 

そんなわけで、手を合わせ、なんのご利益にすがったか分かりませんが、MA35の建物に設置されていたポストに投函しました。

 

それから10日ほど、いよいよ明日在留許可の期限切れますって時に、未だになんの手紙も届かずに不安にかられる。私の認識では、更新を受け付けました、と言う書類を毎年更新に行くとその場で貰え、それがある限りは、それまでの在留許可の期限が切れていても問題ない、でした。でも今は提出した証拠がありません。不安。

朝からいろいろ考えて、とりあえず、返事なんか来ないだろうけど提出したMA35にメールしてみました。建物内のポストに直接投函したけど、音沙汰がないので、もしかして届いてませんか?メールでもう一度書類送った方がいいですか?期限もう切れるんですけど?と。

 

すると驚いたことに1時間後に担当の人が返事をくれました。問い合わせの数、すごいだろうに、なんて親切。ちゃんと受理されているので、数日以内に郵送で書類届きますよ、と書かれたメールを見て一安心。とりあえず、待ってみようと思います。

毎年ドキドキする年中行事。周りに心配しすぎだと笑われても慣れないなぁ。こんな心配性でよく海外生活できるなと、毎年我ながらしみじみしています。

 

無事、更新が完了しますように!アーメン!