【観劇日記】Die Perser at Academietheater

10月31日。渋谷スクランブル交差点は凄まじいことでしょうが、ウィーンはとても静かです。そこかしこでパーティーは開催されているけれど、カナダほどの本気さもなければ、日本ほどのイベント感もあまりないといいますか。笑

 

私は昨日から風邪っぴきで今日も夕方にはアトリエを出て帰ってきました。ここ1週間ほどでアトリエでは風邪が流行っています。もちろん誰もマスクなんてしないし、薬も大抵は飲みません。

そもそもマスクに関してはよっぽどでない限り、欧米では見かけないものです。それに加えてオーストリアでは新しい法律が加わって、さらに見かけないようです。日本でもニュースになったので知ってる方もいるかも。

 

mainichi.jp

そんなこんなで、一人よくなれば、代わりに一人風邪をひく。

ちなみに、今日大学の入学案内を(今更)読んでいて知りましたが私の専攻は在籍24名。単純計算で毎年6名の新規入学生×4年。前の教授はもっと学生をとっていたようですが、現在の教授に変わってから枠が大幅に縮小されたようです。明確な理由は聞きませんでしたが、先生の言葉をかりれば She had Kicked people out of the atelier!

先生曰く、以前の教授は長いこと教えていたし、作品自体は素晴らしい人だったけれど、かなりパーソナリティに問題のある人だったそう。自分で合格を出したくせに、生徒に興味はないし、授業にも全然こないし、と。そして現教授に変わった時に、かなり整理されたよう。それにしてもファインアート700名に対して、最小の専攻。そんな小さなコミュニティだからか、風邪が回るのも早いです。笑

 

さて風邪を引いたのはアトリエのせいだけではありません。

昨夜、寒い中観劇に行ったからじゃないか!と。

一緒に行った友達も風邪ひいてた。

 

でも

 

でも

 

素晴らしかった!

 

観劇したのはこちら。

Die Perser – Burgtheater Wien

 

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原作はアイスキュロス「ペルシア人」

ギリシア悲劇です。

 

10月2本目のギリシア悲劇。

もう1本はソポクレス「アンティゴネ」をブルク劇場で見ました。

 

kiikiii.hatenablog.com

 1本目の「アンティゴネ」はあまり演出家ともステージデザイナーとも、ライティングデザイナーとも、衣装デザイナーとも、、気が合いませんでした。

ほとんどじゃないか。役者もあまり…。この舞台に関しては、ですが。笑

 

今回の「ペルシア人」はとってもタイプ。

演出がまず、良かった。そぎ落とし、本質をえぐってくる。それに応えるような舞台美術も衣装も、ライトも、そして役者も。すべてのエレメントが呼応していて、改めて劇場芸術はどのチームでやるのかが大切なんだと思わされた舞台でした。

 

考え抜かれたステージは一見シンプルだけれど、それで充分。

その「充分」を見つけるのが一番難しいなぁと思うのです。だからこそ、感動しました。アトリエのみんなもほとんど観に行っていて、やっと観た私は、今日アトリエで、友達と感動を分かち合いました。ドイツ語ネイティブの彼女曰く、聞き取り辛いセリフ回しの役者がいたけれど、でもそれを含めても良かったよねっ!と。

 

私が観劇した日は3回のカーテンコール(カーテンないけど)。

鳴り止まない拍手の中で、役者の感無量な表情が印象的でした。

 

興奮冷めやらぬ私たちも、観劇後に劇場のバーで一杯。

そして「ひぇ〜!寒い!もう冬だよ〜!!!」と

ぎゃーぎゃー言いながら深夜に帰宅しました。

 

いい舞台の興奮は喉までくるようです。

 

ウィーン観光にはちょっとマニアックなチョイスかもしれませんが、観劇日記また書きたいと思います〜。あ〜学生料金で見れたらなぁ。また行くのになぁ。