アート系大学留学準備。ポートフォリオ編1。

 ここのところグチャグチャだった生活時間も昨日から通常モード。朝起きてアトリエへ行く生活へ戻りました。もうすでにクラスの3分の1は出てきていて、セメスター初日にあるMappen提出の最後の仕上げをしていました。交換留学でErasmusへアプライする子達も別でMappeが必要とあり、昨日は「ねぇ、これどう思う?」と声をかけられることが多かったです。とはいえ交換留学組はだいたい5thセメスターあたり、私からすればたった2年ちょっとでこんなに!おお〜というのが第一声。それに対して

 

「正直に教えて!なんでもいいから!」

 

肩を掴まれて、目をそらさず。give me your opinion!! もう命令形です。笑

自分を棚に上げて、責任を持って、ごにょごょしてきました。

 

芸術関連の方には馴染みのあるMappe。英語にするとPortfolio。教授クラスになると作品集が出版されてたりしますが、プロでも持っているポートフォリオ。私のクラスでは講師の先生方のポートフォリを初回の授業で見る機会も多いです。入試時選考に関わらなかった先生には逆に初日はポートフォリを持ってくるよう言われることもあります。とりあえず話す前に作品見た方がコミュニケーションが円滑ってことのようです。

私たちにはずっとついて回るこのポートフォリオ制作。きっと最初に作るのは入学試験の時じゃないかと思います。まさに受験シーズンの今、そんなことについて書いてみようと思います。長くなりそうなので今回は2つに分けてみようと思います。

 

ポートフォリオって?

まずはおすすめリンクです。要点をぐっと凝縮して解説してくれている上に、日本語版と至れり尽くせり。これを読めば大まかに概要が摑める気がします。

vantan-vip.jp

このサイトからの抜粋で一番端的だなと私が思うのがこちら。

私の何をこのポートフォリオで伝えるのが良いですか?

このポートフォリオで、あなたが何者なのか?今まで何をしてきたのか?どのような意見を持っているのか?何を目標としているのか?などが伝わってくることを期待します。多くの出願者は、エッセイでこの問いを積極的に伝えることはありません。あなたの創造性とスキルを使って、これらの問いに視覚的に答えてください。私達は、あなたがリスクをとって聞かれている以上のこと、更にはもっと大きい問いに積極的に挑戦する姿勢を見たいのです。

ちなみに私の場合はモチベーションエッセイの提出もあったので、このままその通りではありませんでたが。要するに「あなたは何者なのか」ということが視覚的にわかるもの、それがポートフォリオじゃないかと思います。

 

 

入試には特別なポートフォリオが必要なのか?

海外の大学入試でさらに学部という狭い範囲で言うと大まかに傾向があるような気がします。もし、作品写真とキャプションだけを並べた就活用のポートフォリオを思い浮かべている場合はちょっと違うかなぁと思います。

ざっくり言うと、こういうのよりも

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こういう感じ。

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こう並べると、なんだかどちらかがイマイチみたいに見えるかもしれませんが、そういうことではありません。最初の日本語検索したポートフォリオはおそらく大学である程度勉強された方のが抽出されている気がします。専門分野で数年は作品制作をしてきていて、ポートフォリオの提出先もその分野である場合のもの。実際に私が最初に書いていた交換留学組のポートフォリオは最初の画像検索画面のテイストに近かったです。前向きに最初のバージョンほど専門的でなくても入試の時点では大丈夫なことがあるのかな?と捉えてもいいのかもしれません。

 

ただ単純に、私がデンマークやここウィーンで見た、いわゆる入試用のポートフォリオとは2つ目の画像のようなものでしたよ〜ということです。

 

ポートフォリオが何なのか何となく見えてきたところで、これからアートを勉強するのにどうやって準備するのよ!というところを私の偏見満載でお届けします。

 

遅くとも提出の半年前

Step1:第一志望の大学と専攻を決める

大学によって、デジタルポートフォリオ可だったり、作品は全てオリジナルでないといけなかったり、逆に全てコピーであるべし!など条件は様々です。ポートフォリオのサイズが指定されている、必ず入れなければならないものがある、作品の点数に上限がある場合もあります。希望の大学の要項をよ〜く読み解いてみてください。

 

私も慣れない英語やらドイツ語でよ〜く読みました。ですがまるでオチのように、私の専攻のポートフォリオの条件はたったの1行でした。

"Please submit a portfolio with a selection of you artistic works"

大雑把です。確かに1次審査で他に提出物や課題が3つありました。エッセイが2つ。専門的な課題が1つ。それらを加味しても、どうしたもんか、と。

 

そこで自己リサーチ。最初のバンタンのリンクや、こちらのHow to make ポートフォリオに助けを求めました。このサイトちょっと長いですが、なるほどなぁ〜と感心しました。他にも探せばわんさか出てきます。これを踏まえてStep2へ。

www.studentartguide.com

 

 

Step2:これから追加制作するものを大まかに決める

とりあえず、今ある作品を並べて眺めてみてください。そしてリンクに貼ったHow to 系のサイトで情報収集。日本の美大・芸大受験にセオリーがあるようにこちらの受験でもなんとなくのセオリーがあります。専攻や学部なのか院なのかで随分変わりますが、ここは学部入学レベルのお話として。私が読んだ大方のHow toではポートフォリオには多面的なアーティスト性の表現を進めているものが多かったです。私がお〜そうか!と思ったのが特にオブサベーショナルプロセスの項目。バンタンのサイトから抜粋します。

 

何らかのオブザベ-ショナルプロセスを含めたほうが良いですか?

ほとんどのアートやデザインの大学では、観察から生まれる作品の提出を求められます。プラットも例外ではありません。プラットでのほとんど全ての学びの基礎となるのが、オブザベ-ショナルプロセスです。それは、あなたの周りの世界を視覚的、また心理的の両面から良く観察し、どのように解釈するのか、そして、観察したものをそのまま複製することです。このプロセスは、クリエイションにとっても、全てのことを視覚的に理解するための土台になるものです。観察を出発点として制作することは、つまりあなたの見ていることを絵に描くことです。このポートフォリオの条件として、この観察のプロセスを通して制作していることを見せてください。画材や画法などは問いません。様々な画材や画法での技術的な習作も大切ですが、技術の先にあることの表現を試みなさい。そして、あなたが何者なのか?何を考えているのか?の問いに繋がるようなモノを表現するためにこのオブザベ-ショナルプロセスを使いなさい。いくつかの例えとしては、静物画、風景画、インテリア空間などがあります。

 

この時点で、私は特に入試用のポートフォリオとして追加制作する必要がないなぁ〜と思いました。オブザベーショナルプロセスに当たるデッサンやドローイングの作品もありました。作品数も4〜50点、あとは全体の構成などの編集作業だけを行いました。数があるのは、年の功ですね。笑

 

ですが、追加制作する必要があると前提して次の記事を書いてみようと思います。