読書日記。アルケミスト。

今日は晴れてとても気持ちのいい1日でした。ウィーンは晴れと曇りでは全く別の街のようです。返却とお散歩がてらに図書館へ。

 

私は読書が大好きです。

 

夜の寝かしつけは「長くつ下のピッピ」でした。

初めて読み切った小説は「赤毛のアン」でした。

 

小学生の時はミステリー小説が好きで「シャーロックホームズ」シリーズを読み切り、シリーズ読破の楽しさを知りました。中学時代は高校受験でちょっと遠ざかってしまったものの、高校生になってからは授業中に教科書で隠しながらずっと本を読んでいました。当時の先生、ごめんなさい。でもお陰様で平均2冊/週は読み終えていました。特にダニエル・キイスが好きで、そこから心理学やドキュメント本も読むようになりました。今思うと、死生観や脳と身体の関係にすごく興味があったんだと思います。いつも図書室で本を借りていたのですが、暗めなラインナップで図書司書の先生には引かれ気味だった気がします。今は政治、経済、倫理、宗教、戯曲、歴史、小説、ドキュメント、哲学、詩集となんでも読みます。最近は生物学や遺伝子の本も好きです。ヒトゲノムに興味津々、やっぱりラインナップは色気がありません。笑

 

海外の大学でありがちな、文献を死ぬほど読まされる問題は、私も例外ではありません。芸大生は絵ばかり書いていると思われがちですが、意外とそういう専攻は少ないのではないかと思います。今になって、読書習慣を授けてくれた母に感謝しています。

 

私の母も読書家です。実家も図書館から歩いて3分。彼女は今でも2週間1冊くらいのペース。実家に帰るといろいろ食料を持たされるという、あるある。私の場合はお勧めの本をどさっと貸し出されます。お気に入りはまた読みたい派の母は「返してね」と念を押すのを忘れずに。子供の頃も、共働きだった両親は私がちょっと風邪を引いたぐらいで、丸一日休めませんでした。薬と共に本を枕元に置いていくのが常でした。遺伝といえば聞こえはいいですが。弟もヘルマンヘッセとエミネムを高校生で楽しむという趣味の持ち主だったので、まぁ血は争えないのかもしれません。笑

 

今更ながら読んだ本で、もし私に小学生くらいの子供がいたらお勧めしたい本に出会いました。

 

www.kadokawa.co.jp

 

角川文庫版を読みました。ベースに西洋史やキリスト、ユダヤ、イスラムが敷かれていて、それがかえって日本の子供にはファンタジー的に映るかもしれません。まさに「夢」を実現するための人生の不思議を「夢」自体をメタファーとして書かれた作品です。書評ではよく「星の王子さま」が比較作品と出されていますが、星の王子さまよりある意味ストレートかもしれません。もちろん、大人が読んでも楽しめます。子供用に書かれていない、そういう文章も多くちりばめられています。例えば。

彼にはいつも新しい友人ができたが、すべての時間を彼らと過ごす必要はなかった。神学校にいた時そうであったように、同じ友人といつも一緒にいると、友人が自分の人生の一部となってしまう。すると友人は彼を変えたいと思い始める。そして、彼が自分たちの望み通りの人間にならないと、怒りだすのだ。誰もみな、他人がどのような人生を送るべきか、明確な考えを持っているのに、自分の人生については、何も考えを持っていないようだった。

 

中学生くらいのグループ意識や大人になってからの恋愛関係、またはヤフーでトップ扱いになる不倫問題に通ずるところがある気がします。

 

とても希望に満ちた読了感でした。悪者が悪者顔して登場せず、被害にあったらそれがすべての免罪符とはならないこと。強くしなやかに人生を見つめる忍耐が爽やかに描かれていました。