Amazonみたいな図書館との戦い。

 この4ヶ月、水面下で私は戦ってきました。大学の図書館と。

 

そもそも、何がAmazonみたいなのかというと、本を図書館で閲覧できないんです!本棚がからっぽなんです。貸出希望の資料を図書館のデーターベースで検索し、事前に申請してピックアップする仕組みです。ネットで本を買う要領と一緒です。なんなら検索システムは文字オンリーなので複数候補が出てきてピンとこない時は、自分でコードを引っ張ってネットで調べるという二度手間具合。ナンテコッタ。

 

 

理由は簡単で、本校舎の修繕工事。元々図書館は本校舎にあって、おそらく全ての図書を仮校舎に移動出来ないという判断だろうと思います。オーダーが入った本だけを本校舎から現在の仮設校舎の図書館へと移送するという仕組みです。多分。なので仮設図書館の本棚はからっぽです。

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暗くてわかりづらいです。空っぽなのを逆手に図書館スペースで学生が展示をすることが出来ます。そんなのいいから本並べてほしい…。

 

このAmazon図書館は不評すぎて、私の周りは誰も利用していません。もちろん、私も利用していないのですが、どうしても行かざる終えない事情があります。私、この仮設図書館のある仮校舎の近くに住んじゃってるんです…それが理由で本のピックアップを先生に頼まれちゃうんです。

 

幸い、私たちの専攻のアトリエにも私たちの専門分野の本だけを管理しているライブラリーがあります。大抵のものはそこで見つけられます。そしてそこで見つけられるように、新刊が入ると仮設図書館からこのライブラリーへ本を移動しなければならないのです。そのデリバリーを私がちょこちょこやっているというわけです。

 

さて、図書館の説明が長くなりましたがAmazon図書館の最大の敵は図書司書の方々です。ライブラリーからライブラリーへの移動はシステム上個人名義では行われません。なので私が学生証で借りることは出来ません。毎回、先生が図書館に連絡して別ルートで移管しています。要はイレギュラーな対応です。でもメモ1枚で済みそうな内容です。

 

なのに、あの人たち、マーーーーーッタク、ホウレンソウをしません。

報告・連絡・相談!大事だよ!

 

大抵1度目のピックアップでは渡してくれません。用意されてるかどうかすら、いつも知らない感じです。毎朝同じお兄さんが座っています。このお兄さん、一度解決したことは綺麗さっぱり忘れちゃうんです。だから毎回一から説明しなければなりません。さすがに3回目くらいでイラっときた私は「知ってる人が居るはずだから確認してほしい」とやんわりお願いしてみる。なのに「誰も知らないはずだ。同僚は助けてくれない」の一点張り。いつもこのお兄さんに突っ返されては、3度目くらいにベテランの司書が通りかかって受け取れる感じです。そしてこのお兄さんに説明してくれるも、いつもこの件について綺麗さっぱり忘れる…このお兄さんがいつもデスクで読んでいる「司書セオリー」なる本が私を余計モヤモヤとした気持ちにさせます。

 

朝行ってあのお兄さんに会うのが嫌になった私は昨日、夕方挑戦することにしました。カウンターにはいつもと違うお姉さんが。が、しかしやっぱりホウレンソウはされておらず、目当ての本がカウンターに用意されているにもかかわらず「私は週に1回1時間しかここに来ないから、処理の仕方がわからない。だから渡せない」と言われる…。

 

とうとう4ヶ月の鬱憤で憤慨する私。

わたし 「どうしていつも誰も知らないんですか?私はたった1冊の本を受け取るのに3回も来させられる。その度に一から説明しているし、あなたが知らないことについては私には関係ないです。それはあなたの仕事で、私はその本を受け取りたい。」

 

言ってしまった!嫌な奴みたいに言ってしまった。そんな私の罪悪感をよそに言い返してくるお姉さん。

 

お姉さん 「だから私は週に1回、1時間しか勤務してないから分からないのよ。私の事情もわかって欲しいわ」

 

わたし 「…。ではわかる人に電話して今、聞いて欲しい。今週は授業でもう来られないし、前回も分からないと言われて1週間待ったんです。もう、待てません」

 

お姉さん 「でも…同僚になんて聞けないわよ」

 

わたし 「でも…私だってもう来たくないんです…持って帰りたい」

 

お姉さん「そりゃ、私だって何とかしたいけど、知らないからねぇ」

 

わたし 「…システムで本のステータスを確認してください、それが私たちのアトリエの図書館になっていたらもう処理は終わっているはずです」(毎回すぎて移管方法を理解してしまった私)

 

クレーマーみたいで嫌だと思いつつ、でもこの4ヶ月1ミリも進歩しない感じで私が苦労してるの納得いかない!と引き下がらず踏ん張りました。近所とはいえ、毎朝ここで足止め食らって、30分早起きするの疲れる…。するとお姉さん、じゃあもし何かあったら連絡するから連絡先書いてちょうだい、と譲ってくれました。

 

結局、お姉さんもホウレンソウのない職場に疲れており、私に愚痴をこぼす。最後には笑顔で「Tschüs!」と別れました。悪気がないので、解決すれば言い合ったことなどチャラになるのが毎回すごいなと思います。

 

日本以外で打ち当たる「私の管轄以外は知りません」精神。働いてる分には楽なんだろうか…いや、カナダの時は楽さ半分、苦労半分でした。納期変わったら教えてって何度言ったことか…。でも一つ学習しました。確信のあることは、ちゃんと粘った方がいいということを。良くも悪くもマニュアルがないので、相手が納得してくれれば交渉が成立することがあります。相手はこちらが怯む勢いで主張してきますが、それに負けていたら、自分の時間を搾取されるだけです。相手に悪気がないのであれば、私も悪気なく主張しないといけないんだ!と思わされた4ヶ月でした。

 

マニュアル社会で融通が利かないのも、こうやって主張しないと話にならないのも、どっちもどっちだなぁと。もっと言葉を勉強して、親切丁寧に主張できるようになるしかありません。少なくとも私の語学能力は相手をイラっとさせる要因ではあるでしょうし…。

 

いつか、私も悪気なく「私の担当じゃない」とか言いそうで怖いので、ここに書き残しておこうと思います。