近現代の西洋美術史をおさらい中。一般教養のギャップを埋めよ。

生産性のないクリスマス休暇中です。反省を込めつつ、ブログ。

ドイツ語の勉強も、もっとやらなければ…制作進めにアトリエに行かないと…。

わかっているけど、ここ3日ほど近所の散歩以外は引きこもりで、見ているものがあります。それはこちら。

www.a-i-t.net

100年の旅をナビゲートするのは、MADプログラム・ディレクターのロジャー・マクドナルドと英国で出版された20世紀芸術の概説書『1900年以降の芸術:モダニズム、アンチモダニズム、ポストモダニズム(Art Since 1900)』。パブロ・ピカソの≪アヴィニョンの娘たち≫やマルセル・デュシャンの≪泉≫、またロシア構成主義など、世界のアートの歩みに大きな衝撃を与えた運動や思想、作品、批評を紹介し、日本語でわかりやすく解説します。

いつも「何か違うもの」を求めたアーティストたちの考えや態度には、きっと私たちの日常生活や仕事の方法や仕組みを変えるヒントがたくさんあるはず。常識を疑い、新たな価値へ向かう彼らの姿勢から、「世界」を捉え直してみませんか? 

 というわけで、このありがたーい無料レクチャーで今更ながら近現代の西洋美術史をおさらい中です。とてもおすすめなので、しれっとブログで勝手にご紹介しようと思います。ちなみにVimeoを使ったプログラムなので、wifi接続でぜひ。

 

この引用文のそのままなのですが、Art Since 1900をテキストとして、1回30分程度で要点をレクチャーしてくれます。とても解りやすいですし、フラットな解説であっという間に1レクチャー終わっちゃいます。近現代の美術史に興味がある方は一度お試しあれ!です。

 

というのも、私がもはや唯一、頻繁に連絡をとっている日本の親友。私的に親友の彼女(これを読んでくれている日本の友人の皆さんもご連絡ください。私通。)とアートセオリーでどんなことをこちらでは勉強しているのか、という話をしたんですね。

 

その時にしみじみと「一般教養」ってやんわりとした国境があるんだなぁと。

文化が違えば当たり前、というツッコミは置いといて…しみじみ。

 

私は日本では美術や芸術を「お勉強」したことがありません。今頃気がついたのですが、グラフィックもデンマークだったし…日本の芸大や美大でどんなセオリーの授業をしているのか全くの未知。そもそも、ディプロマ課程に在籍している時点で、教育システムが日本とは違うし。比較のしようもなく…なのですが。

 

私の芸大では教養的な美術史の授業はカリキュラムにはありません。もちろん選べば美術史専攻があるので、そちらで理論の授業は取れますが。ただすでにロダンもマティスもダダも泉だって、みんな知っているので、そういう教養的な美術史はもしかしたら大学前の教育過程で通ってきているのかもしれません。日本の義務教育で版画とか水墨画とか通る感じでしょうか(違う気がする)。

 

あっでも西洋美術史、私も義務教育中にやった気がします…どれがコロッセオでしょう?みたいな問題解いた記憶だけあります。あと、ゴッホの絵に対して題名はなんでしょう?みたいな問題もあった…なんてひどい美術教育を受けてきたんだ私。笑

 

 

理由はさておき、西洋美術史と宗教学については、独学である程度の知識を蓄えておかないと、授業についていくのが大変かもしれません。彼らは宗教についての授業も義務教育中に通っています、大抵。私も高校時代、倫理の授業で宗教学はかじりましたが、選択授業で彼らのように必須ではありませんでした。何より、キリスト教の細かい違いについてなど、長いこと理解していなかったし、彼らのように生活に根ざして考える機会もあまりありませんでした。結局、哲学も宗教学もその後の社会人生活の中で独学。資本主義や戦争と宗教の因果関係に興味があって、ただの趣味で本を読んでいただけですが。やっておいて良かったと今は思います。

 

もう一つ、芸大というくくりで想像した時の相違点。参照する文献に「日本語」という縛りがないので、少なくとも英語とドイツ語で書かれたものは全て対象となります。取り上げる作家についてもそうです。インタビューも作品も、ドイツ語でなくとも英語でさえあれば内容をすくえるので、そういう理由から大学で取り上げられる内容に大きな差があるのではなかろうか…という気はしています。実際、理論系の授業で出てくる哲学者もアーティストも日本語版のWikiが存在しない、翻訳書籍がないものも多いです。

 

逆に言うと、アジアの作家は全然出てきません。出てきても、あっ英語の何か概要書読んだんだろうな〜みたいな知識が披露されることもあります。視点が西洋なんですね。話している方も不安があるようで、アジア圏の作家の話になると「ね、kiki?間違ってたら訂正してちょうだい」ってなります。そんなこと言われても、私はアジアの専門家ではありません。日本人は誰でも寿司が作れる理論と一緒だな、おい。笑

さすが孤立した言語、日本語。21世紀でもなお、未開の島感があるのは言語の孤立性でしょうね。

 

オーストリアの芸大にはファンデーションコース的なものが存在しないので(多分)、広く浅く的な1年目がありません。最初からがっつりその専攻にど〜っぷり、ど真ん中のセオリーの授業が詰め込まれていきます。

 

さて、話がじゃんじゃんずれましたが。簡単に言うと、これから芸大に行こうと思っている人にも、近現代の西洋美術史に興味がある方にも。なんなら、現代アート意味わからん!という方にも。おすすめのプログラムです!(回し者ではありません。笑)

 

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朝起きたら、6歳の画伯の作品が誕生していました。季節を感じる作品ですね!

題名:冬はつとめて(仮)

まだ彼女との間には教養のギャップはありません。なぜなら彼女はトトロが大好きだから。トトロの偉大さが染み入るウィーンの冬です。