コミュニケーションと言い訳。

この1年半、ご無沙汰していた日本社会に突然関わり始めました。

今更ながら、ウィーンにこんなに日本人がいらっしゃるんだ〜ほぇ〜って口があんぐりしています。むしろ、今まで片手程度しか日本人と知り合わなかったことが不思議で仕方ない感じです。まぁ、お友達が出来たとか、知り合いができたわけでもないんですけど。日本社会を覗いているって感じです(詳細は省きます)。

 

私にもそれなりに、自分の今の生活がどっぷりヨーロッパスタイルだという自覚はあります。ほとんど英語とドイツ語しか使わずに1年半過ごし、もはや日本語全く喋らないじゃんって状況にも慣れ始めていました。でも、まさか自分のコミュニケーション方法までヨーロピアンになってしまっていたなんて。結構衝撃です。

 

つまりは、「まぁこのスタイルでいくと、私って言い訳がましい人って思われちゃうんだな in 日本社会」。

 

 

私の今の生活環境において基本的に一番のタブーが「ただ笑顔でJA!(はい!)」です。

なんでか分からないのですが、日本社会であれば素直ないい子と取られそうなこの、ただひたすら微笑んでいいよ〜って返事するのをとにかく私の周りの人々はお好きじゃないようです。むしろコミュニケーションが取りづらいみたいで、いいならいいで、一言欲しい。「いいね〜。〇〇だから私も賛成だよ」とか。で、都合がつかなかったり、嫌ならちゃんと言ってくれないと聞いた意味ないじゃんっていうのが私の今の生活におけるコミュニケーションの基本です。そうやって自分の感情や状況を「きつくない言い回しで相手に伝えるスキル」がとても大切です。きつくない言い方、とても大事。

 

日本人は礼儀の一つとして、はっきりと意思表示をしないもの。彼らにも割と暗黙で認識されていますが、まさにそうだと…付き合いづらいというのが本音のようです。実際にそうやって注意されたこともあったし、自分が過去に出会ってきた日本人でそういう人が多くて困ったという話をされたこともあります。

 

さて、話を戻して。そういう環境にどっぷり浸かった結果。私は日本語で日本人相手でも「カクカクシカジカ…はい!わかりました!」とか

「いやいや〜カクカクシカジカ…違います!」とか

とりあえず、日本人からしたら

おいおい、口答えかよ。お前の状況聞いてないわ。っていうか年上相手に…はい!の一言でいいんだよ〜

みたいな心の声が聞こえてきそうな、可愛げのない感じになってしまっていました。

 

ここ数日、自分を振り返って気がついたんです。ものは例えですが、あら、私ったらグーグル翻訳みたいじゃない。日本語話している時もドイツ語や英語みたいなコミュニケーション方法でいっちゃってるよねぇ。なんか小生意気だよねぇって。自分では相手とコミュニケーションを取っているつもりだったんですが…やってしまった。

 

私は常々思っていることがありまして。というのは、どこかの文化が一番っていうことはないんだよなぁと。日本人は意見を言わないとか、意思表示が曖昧だと言われても、それをベースに日本には日本の文化が芽生えたわけですよね。だから欧米圏のそういうコミニケーションが上位にあるわけでも、日本人のそういう一見不透明なコミュニケーションが駄目だとも思いません。どちらが簡単ということもない。ヨーロピアンたちは自分の主張をはっきり言っているようで、きちんと言葉を選んでいます。敬語がないのではなく、英語にもドイツ語にも丁寧語に当たる言い回しはあります。特にイギリス英語はむしろ敬語のルールの方が簡単じゃないかと思うほどには階級社会の名残を強く感じる次第です。そうやって違う方法で相手に敬意を表するし、気遣いもします。

 

私は私のアイデンティティとして、日本のコミュニケーション方法をきちんと区別して自分の中に持ちたいと思っています。確かに、とりあえずはいはいって笑顔を振りまいていれば理不尽なことを目上の人に言われたりして困ることはあります。ジェンダーに対する価値観が明らかに日本の中高年層(男女関係なく)と、今ヨーロッパで生活している私の間に大きな隔たりがあるのもまた事実です。

 

日本の男性の下ネタを超久しぶりに聞いた感想。もうそれは一言。「この人日本語以外でこれ言ったら即刻アウトだよ、大丈夫かな」でした。まぁ、日本語ならオッケーな訳じゃありませんが…少なくともオッケーって思う人は日本人の方が多いでしょうよ。はい。女性にしても「お嫁にいけなくなっちゃうよ」って優しさで言ってくれてると日本人の私には理解できますが、これも正直こっちでは一度も言われたことがない発言なので逆に新鮮でした。そのフレーズ、英語にしたらやばそうだなって。

 

だらだらっと書いてみたものの。

私は私なので、別にどんなコミュニケーションを自分のものとするかは自由なのですが、日本人にびっくりされない程度のらしさも忘れずにいたいなぁとは思います。

 

おじさんの下ネタと発言の数々に驚いたとともに、そういえばこういうの普通に笑って受け流すスキル必要だったんだと思い出し、もう日本では働けないかもしれない…気持ち悪い…と思ったのはここだけの話です。海外かぶれのふりして、おじさんを一撃して日本の女性たちを助けるっていう選択肢も悪くないか…まず、メンタル鍛えないとね。笑

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明日は肉断ち。イースター休暇も折り返しです。