オンライン学習。

大学から4月30日まで閉鎖期間を延長する連絡が届きました。昨日、学長と各スタジオ代表との全体のミーティングがZoomで行われたようです。その議事録が送られてきて、現在の大学の取り組みがオープンになりました。概要は以下の通り。もし日本の閉鎖されている芸大生の参考資料になればと思いざっくりと共有します。

 

  • 数日以内に今セメスターの評価基準についてのガイドライン提示。例えば卒業制作(Diplom)のタームにいる学生への対応。デジタル試験の導入方法など。その場合には事前にすべてのプロセスが明確化されており透明であることが必要である。
  • 匿名のアンケートが教員、学生向けに配布される。デジタル、遠隔学習についての問題点や弱点についての聴取のため。
  • 閉鎖されているアトリエへの入館許可証明書(1回限り)を特定の人物(学生以外)に学長が発行することができる。ただし、すぐに見つけることができるものをピックアップする、コピーする、スキャンするなどの理由に限る。
  • 他のスタジオでゲストとして授業をとる学生の中で、オンライン受講について何か障害が起きていないかどうか調査。
  • 現在共有ドライブを用意している。全学生が利用でき、十分な容量を持ち、データー保護法に適切であり、学生と教師の交流の場として機能し、アイディアの交換が続けられ、今回の危機を乗り越えた後も必要なものとなり得る。
  • スタジオのオンラインプラットフォームの構築。これは今回を機に長期的に使用できるものを検討している。

 

そして、加えて現在 Erasmus制度でEU圏外に滞在しているクラスメートたちと連絡を取った様子が共有されました。卒業制作タームの学生とも頻繁にカンファレンスが開かれているようです。卒業制作をオンラインで評価するのは、想像するに限りなく無理に近いでしょう。かといって先のプロジェクトを抱える学生もいるので一律延期というのもまた難しいだろうと想像できます。ただ一律対応、強行というのは今の所見受けられないので、個別に解決されていくことを期待して見守るしかありません。新しい学長に変わってまだ数ヶ月での、この危機的状況にどういう対応がされるのか実はすごく不安でした。以前学長を勤めていた方は非常に柔軟だっただけに(だからこそ8年の任期で満了したのだと思います)。ただ組織として、明確にアップデートを重ねている印象を受けます。

私やEU圏外の学生にも滞在許可絡みで、今後どんな問題が予想されるのかの聞き取り調査がすでに行われました。

 

また、学生向けに経済支援のリンクも送られてきました。

早急に家賃の支払いなどが滞る等、緊急的な状況に対しての限定支援で、未来的なリスクのための支援とは違いますが、大学から35000ユーロの予算で開始されました。仕組みが詳しくわからないのですが、国から各国立大学へ割り当てられたのか、大学側が国からの支援を見込んで先にスタートしたのか…どちらにしても緊急事態である人にとってはとても有益な支援です。おそらくオーストリアの他の大学でも始まっている可能性があるので、必要な場合は調べてみて下さい。うちの大学はÖHオフィスで舵取りしている様子です。

 

というわけで、友人たちの間では少なくとも5月まではこの状況が続くのではないかという意見で一致しています。もはやこうなった以上は、あれがない、これができないとは言わずに「だからこれをしよう」に切り替えていこうという空気です。

 

今日も午前中に3時間の講義をZoomで受けました。金曜日に別の先生とのミーティングが1時間組まれています。来週には主任教授との個別ミーティングと講義も予定されています。ひとまずはセオリーの授業が順次試験的に再開されている状況ですが、概ね順調です。

 

一ついうなれば、集中しずらいってことぐらいでしょうか。通勤通学についての議論も巻き起こりそうな、このオンライン学習。私はむしろ、場を移動すること、共有することのメリットしか感じません、今の所…。

 

家にずっとこもっていると1日が短いのがとても不思議です。

 

PS.体調不良話ばかりで申し訳なかったなぁと思っています。今は回復して机に向かえるようになりました。体調管理もしっかり頑張ります!皆さんもお気をつけください!