サマーシアターで面喰らう、ウィーンの夏。

先週は連日30度以上を記録したウィーン。

新しい私の部屋は一階なので、日当たりが悪いが、35度だろうと涼しい。ヨーロッパでクーラーのない生活に不安がある方は、1階で壁のアツーーーーイお家、悪くないです。壁が厚ければ冬もあまり心配がなさそうです。また冬にご報告します。

 

そんなわけで、日光浴がてらお出かけ。

 

まずはサマーシアターへ。Sバーンで30~40分、温泉地はBadenにあるSommerarena Badenへ行きました。夏専用の劇場です。昼間に友達とアイスを食べていると、一人来られなくなったから一緒に見に行かないか?と誘われてついて行きました。彼女のパートナーが働いていて、私も一度お邪魔したことがあります。その時は、音響ブースで彼の仕事を眺めながら観劇して、音響の仕事を観劇したんかくらいにそれが面白かったし、終演後に舞台裏まで連れて行ってくれて、大満足だった。作品の内容は全然覚えてないけど…。彼らの誘い文句は「すっごいひどい作品だけど、サマーシアターは素敵だから。チケット無料だし!」と。「すっごいひどい」が引っかかりましたが、サマーシアターの謳い文句に惹かれて。行ってみたら、コロナ対策にぴったりの劇場でした。なんせ、天井が解放。

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そしてもちろん席は間引きどころか一列飛ばしに左右も空いていました。

幕間の休憩もありません。人が勝手に一箇所に集まらないように、入退場のアナウンスでブロックごとに出口を指定されますし、時間差です。上演中以外はマスクを着用します。

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事前情報通りの、確かに「すっごいひどい」オペレッタでした。

 

もしかしたら、今まで劇場と呼ばれる場所で観てきた中で群を抜いて酷かったかもしれないが、Badenの支配人が演出を兼任したと聞いて二重で驚いた。第二幕が、これは…とびっくりするくらいのLGBTQIA+時代にこんな演出をまだする人がいたとは…と一ミリも笑えなかったのですが、後列で爆笑する方々がいて、異文化かと思いました。さらにはコロナ禍のブラックジョークが散りばめられていたのですが、ちょっとまだ早い気がする。いじり方も雑で、コロナと中国が同意みたいな、子供でもしないようなかまし方で、笑えん。キャラクターの一人がめちゃくちゃ訛ったドイツ語を話していたのですが、何系の訛りかと聞けば、ユダヤ系。なんでまた?と驚いていると、シーズンテーマに宗教を掲げていて、ユダヤ系は扱ってなかったからと。働いている本人を含めて「おっおぅ…」となりました。どういうこっちゃ?帰りに友人たちと「あれを今面白いと思って演出してるなんて…興味深い…」と絶句でした。私も賛同しながらも「でもあれ、日本のバラエティのノリと一緒な気がする…ヤベェな」と一人思っていたのでした。

 

Badenの劇場はそもそも"Unterhaltungstheater"と銘打たれているので、普段、自分たちが行く劇場とは趣旨が異なることは理解しています。日本語で言うとエンターテイメントシアター、娯楽劇場といったこところでしょうか。Badenで温泉を楽しんで、その足で夜楽しむ、ご年配向けで、白人向けの劇場と言いますか…言葉が強いかもしれませんが、説明するとそんな感じです。私の両親を連れて行ったら、結構すんなり受け入れるかもしれないし、まぁまぁ楽しむかもしれません。が、まぁ想像以上に酷かったし、出演している役者や歌手も「今回に関しては、恥ずかしい」とちょっとコソコソ話していました。それでも舞台に立つのだ、プロだな。心中お察しする。

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でも久しぶりのライブミュージックに開放感抜群のサマーシアターは楽しめました。勉強している身としては、酷いものもちゃんと最後まで観終わり、言語化するのは悪ことじゃないですし。何を観ても批評的視座で物事を語り合うのは、こちらの劇場カルチャーなので、いいのです。タダだったし…笑。

 

気を取り直して。帰りの道中で、週末何しているかという話題に。 そして私のリクエストにより、友人6人でピクニックに行きました。場所はお気に入りの公園、アウガルテン。

えぇ、とっても広いのです。ピクニックといえば、アウガルテン、くらいに常連です。

そこでお昼からベジタリアンピクニック。他にウィーンに居る友達も誘って、4時間木陰半分、日光半分でビタミンDをがっつり生成してやりました!楽しかった。

 

そしたら、今度はそのうちの一人が、私がバイトしているレストランに行ってみたいと言いだす。でも学生にはちょっとお高め設定なので、じゃあランチを。そんなわけで会っておしゃべりしては、また次の予定を組む。そんなこんなで2日にいっぺんくらい適当に会っているわけで。これは今までなかった夏がやってきている。今までは、みんな、あっちへこっちへ旅行に行き、私は語学学校に缶詰。気がついたら夏が終わっていた。でも今年はコロナのことがあり、オーストリア国内に割ととどまっている。

 

せっかく顔を合わせていて、時間もあるので9月までにゆるゆると何かプロジェクトをしないかと提案もしてみました。時間に縛られず、どこに批評されるかを事前に設定することなく組んでみて、秋にあるプロジェクト助成金系の公募に応募してみよう、ダメ元でと思っています。

 

だって気がついたらあっという間に8月ですから。

蝉は鳴いてないけど、鈴虫らしきものがもう夜鳴いてるのを聞くと、もう少しゆっくり流れて欲しいとも思ってしまう今日この頃であります。