気遣い、古今東西。

あれから数日。在留許可の進行具合はと言いますと。メールの通りMA35からお手紙が届いて、更新料を支払ってきました。手紙によりますと、振込み確認後、あとは在留許可証がまた郵送で届くのを待つのみのようです。4年目にして初めて追加書類なしで通過するかも?期待しちゃうなぁ。

 

こんな感じで、軒並み遠隔でお役所仕事が進むようになったわけですが、この方が双方ストレスがないような気がしますが、どうなんでしょうか。来年もお役所関係については、このままがいいな…窓口で不機嫌な人に当たって、Heut ist nicht mein Tag〜ってため息つきたくない。でもすでに心なしか、WGKK(名前変わったんですよね?なんだっけな)ですら窓口業務と比例してストレスが減ったのか、優しいです。多分日本の接客基準で言うと、不親切の部類に入りそうだけど、ウィーン基準でいくと親切。笑

 

11月に入って、2度目のロックダウン中なので、仕事も17時までと時短です。土曜日のリハーサルもなくなって、家に18時には帰宅できる。時間がたっぷりあるので自分のことが進む。ありがたい。17時退社、最高すぎる。

 

時短になって、現場が混乱するかと思いきや、そちらもリラックスしたもんです。そして働いてみて思ったのですが、それぞれ「自分の仕事の責任」だけ負うので、全体がちょっと滞っていても結構他人事と言いますか…まぁラフですよね。私がちょっと気にしようもなら「だから日本人は〜」って言われるか「それあなたの仕事じゃないから大丈夫」の二択です。どちらもまぁ、ポジティブな意味です。多分。

 

今日も、明日の午前中に打ち合わせに行くからリハーサルに遅れると演出部に相談に行ったら「でも、明日はセットのあれを使ってリハーサルするからさ〜」と渋い顔をされる。素直に受け取って、「そうですか〜」と自分の予定を変更できるか考えていたら、横から同僚が「あっでもそれ私たちの仕事じゃないんで!」とすっぱり切り捨てた。

 

すごい。びっくりした。

そのあと、各部署に「それ私たちの仕事じゃないから、オッケー?」とさらに念押しに回っていた。

すごい。びっくりした。

 

そして忠告。同僚に「自分の仕事じゃないことをやると、他の人の仕事を奪うことになるから、やらないでね」と念押しされた。

 

常々、ここで、と言うかカナダでもそうだったけど、海外で働く上でこの、気を使ってるつもりで仕事を奪っていると思われる現象が難しい。でも気は使わなければならない。これはそんなに日本社会と変わりない。コーヒー入れるなら、欲しそうな人の分まで人数分入れるし、誰かが忘れていることをこっそりフォローもするし、忙しそうだったら声もかける。でも専門領域から出るときに細心の注意が必要なのだ。万が一にも相手に「仕事を奪われた」と思われてはトラブルの元である。ちなみに、ドイツではその辺はもう少しラフだと他の同僚に言われて、まぁ働く国というよりは、この劇場の場合かもしれない。でも「それ私の仕事じゃないんで」を言える軽やかさは、日本社会の比ではないように思われ。かといって、もちろん無茶振りは日常茶飯事であり、誰もが私の仕事の領域を正確に、ここでは契約書上正確にとなるかもしれないが、理解しているわけではもちろんない。つまりは、この軽やかに「それ私の仕事じゃないんで〜」と言わなければならないのです。今の所、私のいる場所では。

 

他にも相変わらず、SieなのかDuなのか混乱している。Sieを使えば無難なのだが、丁寧すぎる印象がステレオタイプの日本人と結びついて笑われることもある。でも笑われるのはいいとして、失礼なやつと思われる方が、これまたトラブルの元なので、相手が指摘してこない限りはSieを使っている。でもメールでSieを使ってるの私だけな時があって、やっぱり笑われるので難しい。

 

ドイツ語で仕事するのは、さほど問題がないことは良い収穫だけれど、言語の問題以外に文化に馴染みきれないという問題があるようだと気づかされました。幸い、うん、この場合は幸いにも、私は見た目が幼く見えるらしく、まぁどれもこれも拙くても、笑われて過ぎ去っていくことがほとんどです。

 

ようは気の持ちようで、メンタル鋼に、ポジティブにやれることを頑張るのみなのかもしれません。あとは、いかに堂々としているか、も自分の身を守る大事なポイントなのだと働く人々を見ていて感じています。この態度で日本で働くとすぐに嫌われそうだなぁと思いつつ、ここ日本じゃないからねぇと自分に言い聞かせています。そう、サービス業に笑顔を求めなくなったように。

 

こんな気の強さが染み着くのが怖い私は、

来年どこにいるんでしょうかね。