ロックダウンVol.2

17日深夜0時より発動しましたロックダウンVol.2なウィーン。ポップな感じで書き出したものの、クルツさんの会見を見て"Treffen Sie niemanden!”個人的意訳 :誰にも会ってくれるなよ!と、病院の集中治療に対してこのままだとトリアージしないといけなくなる危機なんだよ!に恐れおののいています。毎日ニュースは見ていたので、時間の問題だとは認識していたものの、ヤベェんです。こんなに病床豊富なオーストリアも、第二派の勢いに、致し方なしのロックダウン。

 

ただ、春のロックダウンから色々と反省と改善がなされてまして。雰囲気的には3月というより4月後半から5月前半のロックダウンに近い感じがします。

 

私は本日も朝から毎週恒例のコロナテストを受けて、始業。今週も無事陰性、また1週間働けます。職場に関するルールも先日の会見でアナウンスがありましたが、私の働く環境は、屋内に入ったら有無を言わさずFFP2を着用し、常に人との距離は最低1m確保、室内の出入り時は手の消毒。リハーサル場にいる人は全員、毎週陰性が確認された人だけですが、関係ない、想像の範囲内で徹底しています。これは夏から変わらない。

 

劇場からは仕事で外出していますと書かれたドキュメントが発行されていて、コントロールがあったらそれを見せるように言われています。まだ新しい在留許可も届いていないので、MA35からの更新受け付けましたの手紙と、パスポートも持ち歩いています。外国人は身分証を携帯しないと罰金取られちゃうんですよ。取られちゃったって話も身近な人から聞いたことがありますので、警察がウロウロしている今は、ドキュメントとID武装です。なんだそれ。

 

街は私と同様に、仕事に出かける人が多いようで、前回のような時が止まった感じはありません。日曜の朝って感じです。公園には子供が溢れていました。やたら朝からジョギングをしている人も見かけます。同僚とロックダウンに対するモチベ高いね〜と冗談を言いながら歩いていました。

 

そう、もう冗談でも言って緩和していかないと2回目は受け入れられない。なぜなら前回で、ロックダウンってシャイせだぜ〜って知ってしまったので。あっ言葉が汚くてごめんなさい。

 

必要性も効果も理解しているので、もちろん最大限の努力と協力は惜しみません。私なんかができることは限られている、悲しいかな。医療関係者はノンストップで3月からずーっと戦ってくれているわけですから、夏に気を緩めた一般市民はほんの3週間ぐらい…とは言っても、店を閉めなければならない人に、職をまた失った人(私もレストランのバイトはまたロスっている)からすると、もう勘弁してくれよ以外の何物でもない。どこも得しない。これがパンデミック。

 

それにしても、何がどう影響して、欧州はこんなに大打撃の感染者と死者数なのだろうか。と、街中にある過去の感染症の歴史に関連した記念碑とすれ違っては考えてしまう。ウィーンにはペストの収束記念碑なんかが残っている。大陸続きと身体的接触の多い文化がこんなに影響するものだろうか…専門家ではない私が答えを導き出せるとは思えないが、今回の誰も何にも得してないパンデミックから、少なくとも何かしらの法則でも見つけ出せたらいいのにね…。もちろん探してるんでしょうけど。

 

週末にデンマークの友達とスカイプしていて、ミンク大虐殺の話も聞いて、ただ、ただ悲しい気持ちになった。人間の命を救うために我々は最大限努力するけれど、それと引き換えにミンクが大量に犠牲になっちゃうのだ、そういう世の中だ。でも私はミンクを救えない。人間すら、全然全く救えないし。

 

12月には街中にインフルとコロナを簡易検査で見分けるコンテナが設置されるそうだ。マスク姿と同じように、こちらも日常の一コマになるのだろうか。

 

ミンクを大量に犠牲にした事実はめぐりめぐって、私が今もリハーサル場であれこれ準備したり、プロダクションを諦めずに続ける機会につながっている。彼らの命に等しいとは到底思えないが、落ち込んでも、明日もまぁ自分の仕事をするのだと思う。

 

私には、街全体に、ちょっと落ち込んでも、明日の日常はやりきろう、そんなぼんやりとした執念みたいなものが感じられる。まずは12月6日まで。少しでも状況が好転することを祈るばかりです。