まぁ、いまのところは。

最近はヘトヘトで18時過ぎに帰宅して、そのままベットで寝入ってしまい、夜21時頃にまた起きて作業をして2時頃就寝、8時起床な日々です。合計すると9時間ぐらい寝ていて、体調はすこぶるいいです。免疫高めていきたい。今日もお昼はテラスに出て日光浴をしながらお弁当を食べました。

 

今日のウィーンはとても良い天気でした。もう11月も後半なのに秋晴れ。

 

新しい公演のスケジュール(未だに仮)が届きました。初演のプレミアは2日ほど延期されますが、劇場が開かずとも、まずはライブ配信で公開できそうです。

 

よかった。完全中止はなさそうです。今の所。

 

そう、今の所っていうのが、私が最近身につけた処世術です。

 

自分ではそこまで自覚がないのですが、かれこれ仕事をするようになって15年、どうも私は完璧主義な気質があるようでして、それは度々指摘されたりすることがあるのですが。この完璧主義症状は、ウィーン生活を経て、割と改善の兆しがありまして。というのも、人に「完璧主義だね」と指摘されるのは、意味を読み取ると、どうも「他人にも厳しいよね」と言う皮肉が含まれていることもあるのです。

 

今も、これからも自分の作品や仕事のクオリティは、人様から完璧主義に写ろうが貫くわけですが、人に指摘されない=他人は基本的に巻き込まない、を身につけてレベルアップを図りたい。そしてちょっとコツを掴んできたような気がします。

 

何かと比べてしか物事を表現できないのは、よろしくないのですが。ここで分かりやすく言うなれば、私が外で仕事をともにしている人たちは、日本社会で仕事で求められる細やかさや用意周到さを引き合いに出せば、かなりラフです。効率が悪いとも言えます。ただ、みんながそんな感じなのですが、不思議とイライラしている人もあまりお見かけしません。それは、個々に「まぁ、自分の仕事が大事だから」が根本にあり、他人をジャッジしないように心がけているのでしょう。もしかしたら、ナチュラルに気にしてないだけかもしれませんが。笑。

 

だから、この人たち同じ話をずっと、なんなら夏からしてるなと思うことがある。

なんで誰も仕切らないんだろう?っていうか仕切る人も適当なんだな。

でもまぁ、クリエイティブの場においては優柔不断がクオリティを担保することがあるので。まぁ、もうイライラしても意味ないから、自分の仕事しよう。まぁ…ってな具合に、人様の状況が、そうそう気にならなくなり、そして自分もそこまで気を張らずに仕事に集中できるようになりました。人の目がない感じ。

 

だから、たとえ歌手が突然怒り出して、翌日の稽古に現れなくても「まぁ、明日はくるでしょ。彼はもともとちょっとプロ意識には問題あるしね〜連絡きたんだしオッケー」で流れて、翌日姿さえ現せば「まぁ、今日からまた頑張ろうね。できれば事前に話し合おうね」ぐらいな感じでまた再開される。ちなみにこの歌手は役所がめちゃくちゃフラストレーションをためてこじらせて殺人に走っちゃう役なので、本人は気がついていないが、役の影響をもろに受けてディーバ気味である。稽古中に「もうこんなの耐えられん!」と怒ったら演出家に「まさに君の役そのものだ素晴らしい!」と言われていて、みんなクスリとしてしまった。生活に支障が出てしまうのも致し方なく、ディーバな言動も役にぴったりだなとすら思って気にしていない。本人は大変だろうが。

 

話はそれましたが(いつものことですが)。

このなんていうか、仕事を個人的感情と切り離して出来る人が多くてとても勉強になっている。もちろん言い方や接し方は大事で、そこがないがしろになることはないのだけれど、意見を言うことや提案することと、ぶつかることは日常で、それが全く尾を引かないので仕事がしやすい。

 

これは今のルームシェアでも感じていて。自分が思っていることを言うと、意見ではなく希望として受け取ってもらえるので気兼ねなく発言できる。実際相手にも希望(ドイツ語でWunsch)を言ってくれる方が生活しやすいとも言ってもらえた。

 

ただ仕事柄というのは結構大きい要素かもしれません。ここに顧客みたいな立場の違う人が関わってくる職場だと、そのラフさを、なんなら他人が適当にやったことを自分が指摘される理不尽な場面に出くわすこともあってたまったもんじゃないでしょう。現に弟が職場の人(inオーストラリア)にイライラさせられる一番の要因は、彼が自分の職場の適当さと日本の取引先の細かさに板挟みになっているからだという話を聞くたびに「それはやけ酒案件」と同情してしまう。

私の場合は、立場が同じ人だけで完結するからお互い許せるというのはあります。何よりもプロダクションごとにチーム編成は変わるので、気の合わない人がいても、今回だけかもしれないと思うと我慢できるというのもあります。

 

そんなわけで、5年前の私だったら、イライラしていたこと間違いない環境なのだけれど、今はのほほんと、甘えるところは甘え、維持したいことは維持して、自分の理想に対してだけ仕事や生活をしている感じである。まぁ、まぁと言いながら。

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たまには写真でも。こちらアルベルティーナ前の彫刻たち、なんだかお風呂に入っているみたいでついパシャりとしてしまいました。のほほん。