雪だるまで稼げるか。

初雪のウィーン。目の覚める寒さが、マスクを外して歩くには気持ちがいいです。

と数日前に書いた日記を、今日公開します。時間差あれども、今日も寒い。

 

劇場の建物内では常にFFP2マスクの着用が義務付けられていて、これによる呼吸の遮られ方が普通のマスクよりストイックでして。それはもう、みんな、あ"ーーーーーーぐるしいーーーーと悲鳴を上げております。一日中装着していると苦行ちっくです。

 

そんなわけで、誰かがタバコを吸いに行くと言えば、私も新鮮な空気を吸いにお供しています。こちら、雪の日の喫煙タイム(タバコと空気)にみんなで作りました作品です。お納め下さい。

 

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ウィーンに来たばかりの頃、友達に子供と遊ぶのが勉強になるから大好きだという話をしたことがあります。そしたら「私たちって今も子供みたいに夢想を仕事にしようとしてるもんね」と返されて、確かに!と目からウロコ。

 

ちなみに、最近面白かったのがおままごと。最初はスーパーで売っていそうな食品を模倣したおもちゃを買わせてくれていたのに、急に陳列棚にシルバニアファミリー的な動物一家のお人形が並んで、うさぎファミリーは5ユーロねって言われて度肝抜かれました。と同時に、素晴らしき消費社会への批評すぎて、笑ってしまいました。ちなみにお金が足りない時は、彼女のレジからその場で支給されて、私はなんでも購入できました。社会制度が新共産主義のようです。彼女は6歳なのですが、いつも最高に面白いことに巻き込んでくれるので、もはや先生。ドイツ語の発音も直してくれます。笑。

 

まぁ子供と私が違うのはそれでお金を頂き生活せねばならんことです。ただの性ですが、童心とも呼べる気持ちを吐き出して作った雪だるまでは金は稼げまい。いや、言い切るのはよくない。稼げる人もいるでしょう、雪だるま次第ではあります。

 

今、卒業までカウントダウンが始まった私には耳の痛いテーマです。

お金は稼がなければなりません、必要な分を。そして将来日本へ帰るのならば、日本に帰国した時にスライドできる経験や変な言葉ですがキャリア的なものを積まねばならぬでしょう。でもヨーロッパだけで生活をしていくのであれば、売れないアーティストでも、のほほんと、普通の生活はできそうです。売れた/売れてないの定義が日本より白黒していないし、どちらかといえば活動できている/できていない、ぐらいの線引きしかないのではとすら思います。簡単に言えば、例えば売れないアーティストで日本に40代半ばとかに帰国して、親の老後の面倒を十分に見れる収入源見つけられるのかって話です。もちろん、世間の目などという使い古されたものに振り回されなければ、日本でだってアーティスト活動しながら何か生業を持てばいいし、そういう生活自体が如何の斯うの言っているわけじゃないんです。ただ、私は日本に帰国するとなんだか世間様の中でいい格好しようと、格好悪くなる、未熟者なんです。そもそも作家活動では生活できない前提な自分が情けないです。でも作品で生計立てられる人は5%と身の程を知っているだけです。苦笑。ただ、悩みは悩みでして。もうこんなの、流されてればなんとかならないことぐらい、30代後半になればわかりますので、悩みはしょっぱいどころか劇苦です。劇薬級。

 

でも今回インターンをしてみて、劇場契約で働きたいかと言われれば、しがらみなき素直な答えはノーです。でも劇場契約で雇用されたら、ヨーロッパに残る上でも、日本への帰国に際しても利があるんですよね…この分かれ道への決断ができるまで、卒業する勇気が出ません。もちろん、卒業できるかと言う問題は最後まであります。

 

 

何書こうとしてたのかしら…。

そう!こんなアラフォーな悩みを抱えながらですが、雪が降ればそれなりにはしゃいでますよっていう季節のご報告でした。