人生で初めて罰金を払った話。

雪がちらつくウィーンより、こんばんは。

帽子なくして歩けないくらいにきんっと寒い毎日ですが、私は元気に往復2時間のウォーキングでアトリエに通っています。ちなみにオーストリアの大学は基本オンライン授業ですが、芸大などオンラインで行えない分野の授業は対面で行うことができます。山盛りだくさんなコロナ対策を怠らなければ。

 

そんなわけでアトリエはセメスター休暇中も利用できるし、二度のロックダウンを経て、私は家にこもると落ち込みやすいことに気がついたので、とにかく人と接触せずとも外出する毎日です。今まで自分はひきこもりの類だと思っていたので、新しい発見です。

 

さて、なんでまた往復2時間もウォーキングしているかと言いますと。

年間定期を購入していないからです。

ウィーン市内の公共交通機関が共通で利用できる年間定期、365ユーロと1日換算1ユーロでとてもお得です。私もこの3年間お世話になってきました。

でも今年は購入しないことに。

 

理由は3つ。

  1. 丸々1年間ウィーン滞在する可能性が今のところ低い。
  2. コロナ禍において、決まった場所にしか行かなくなった為、利用頻度が落ちた。
  3. 同じくコロナ禍で蜜を避けたい、さらには運動不足解消の為歩きたい
  4. そもそも、またロックダウンになったら利用できない

そんなわけで、年末に定期が切れてから、公共交通機関を利用する時はその都度切符を購入しています。大文字にしたい。「私は毎回きちんとお金を払っている!」と。

 

それなのに、なんで罰金取られたかって話なんですけどね。

1月の最終週にミーティングがあるのに用事が重なってしまい、家を出るのが遅くなってしまいまして。歩いたら間に合わないので、路面電車に乗ったんですね。乗ったと同時に、ズーーーーーーーット返信を待っていたお仕事のメールが届いて、これはいますぐ返事をせねば!と路面電車内のチケット発券機の前に立ち、小銭を握りしめながら携帯でメールの返信を先に始めたんですね。で、あぁメール打ち終わったよ、さぁ切符買おうとしたら、トントンっと肩を叩かれて、「君、一駅分、切符買わないで過ぎたから、はい罰金105ユーロね」って。

 

えーーーーーーーーーーー。

すっごい買う気満々で、発券機の目の前に立ってたの見てたのに?一駅って2分もなかったじゃないか…。意地悪すぎる…。でも鉄の仮面かのように表情一つ動かさず、「払うの?払わないの?」以外は会話をしてくれない。すごい。冷徹。

 

途中で降ろされて、罰金を払いました。もちろんミーティングにも遅れました。

 

アトリエで超絶落ち込んだ私に、友達2人が「私も先週払ったわ〜」と。多分ロックダウンで私のように外出が減って、定期を持たざる(さらに無賃乗車)客が増えて、コントロール強化してんだろうねぇと。運悪かったねぇと。

 

このチケットコントロール。ウィーン在住でない方に簡単に(今更)ご説明しますと。ウィーンの公共交通機関には改札口というのが存在しません。日本では改札を通過することで、チケットのコントロールがありますが、その機能を人海戦術でウィーンは行っています。二人組の私服パトロールが運行中の車内で、突然「はいコントロールで〜す」と始めるわけです。

そして、私の肌感でいうと、もともと頻繁に行われていました。特に観光の中心地を走るU4が最寄りの駅だった時は少なくとも月一、特に朝9時前後によく当たっていました。路面電車も通勤時間帯のちょっと終わりかけに乗るとよく遭遇していました。

 

えぇもう一度名誉の為に。私は究極の小心者なので、かつて罰金が発生するような博打は打ったこともなければ、今後も故意にそこに参加することはないでしょう…小心者人生における罰金とは想像以上のダメージなのです。

 

そんなわけで、人生で初めて罰金というものを支払いました。

今でもあの105ユーロがあれば…とショウウィンドウを眺めるたびに切なくなります。はぁ。

 

ちなみにコントロールの女性に「たった2.6ユーロ払っとけばいいものの」と言われたので「払おうとしてたんですけどね!たった2分でしたけどね!見てたのによく言いますね!誰でも常習犯扱いするのはどうでしょうかね!お疲れ様です!」と笑顔でお答えしました。私との会話は拒否したくせに愚痴るってずるいじゃない。そりゃ在住4年目にもなればいいかえすに決まってるじゃない。

 

コロナ収束後にウィーンにいらっしゃるみなさん。切符は事前に購入するか、車内で購入する場合は、もう即!即購入することをオススメします。

 

こちら1月の終わりの話。下書きに眠っていて、引っ張り出したので時差がありまして。本日のウィーンは昨日までの雪が溶けた快晴。今日も元気にアトリエに行ってきます。