【ドイツでインターン】季節の変わり目。

インターンも気が付けば折り返し地点、来た頃は雪が舞っていましたが、今日は28°と夏日和です。こんにちは、kiki です。

 

一か月前は無観客の配信を予定して始まったリハーサルですが、なんとここにきて、お客さんを入れられそうだと!劇場はプラン変更へ右往左往、慌ただしくなってきました。

 

去年の12月に無観客配信の初演を経験して、それはもう、空しかった。

 

劇場芸術やパフォーマンスアートを勉強するうえで観客との関係性というのは、ある種パフォーマンスであることの定義でもあります。劇場はその地域の、その場の社会や世論を映し出し、批判し、提案する場を担っています。だから今でも国や市が財政から予算を出しているわけで、それが配信になってしまうと、簡単にその意味を見失うのは目に見えています。だれもが楽しめるものを作るというのは素晴らしいことかもしれませんが、同時にエンタメではないものも、社会には必要なわけで。劇場文化がNetflix化しそうな配信は、やっぱり私は違うと思う。誰でもどこでも見れるかもしれないが、そういった利便性が常に正義な世界は空しい。地産地消する大切さもある。

 

今回の演出、そりゃ、世界のトップ10の演出家ですから、でもそんなもの抜きにとても詩的でユーモアがあり、そしてちょっと軽くて面白いです。最初はこのオペラなんで受けたんだと首をかしげていた私のボスですが、まぁ音楽が、そのなんていうか現代オペラなので、うんと…とてもheftig。今日から始まるオーケストラリハは中々カロリーがありそうです。笑。ちなみに今日はボス二人がベルリンへ来年の新作の準備に行っているので、私ひとりです。不安。

 

でも、最初はあぁ…私のドイツ語能力では、というかもうネイティブくらいぺらぺらじゃないとこのアシスタント業は無理だなと、現実を見て落ち込みました。今はただのインターン兼アシスタントで、ボスがこんな私にも優しいので、周りも優しいです(それはそれで闇ではある。苦笑。)が、お金を貰うなら、このままでは駄目です。

 

自分の作品、自分のしたいことはドイツ語だろうが英語だろうが、自分から出すものなので出来るけれど、誰かと誰かの間をつなぐ翻訳伝言できる能力は、ネイティブにしたって得意不得意があるわけで、私にはまだ無理そうです。さらには抽象的な変更点を的確に各部署にメールでお願いする、もし間違えたら大問題です。プロダクションには予算というものがあり、だれもタダで働いてるわけじゃないですから。ただ、卒業前に現実を知るいい機会ではあります。出来ないことを知って、克服するか道を変えるか。

 

土曜日は他のアシスタントの子に誘われて、ビール片手に河原で日光浴をしました。

年も同じくらいで、同じくイタリアから来てドイツで活動しているので、職場やドイツ人とは出来ない話も出来てとても楽しかった。

 

ここにきて、わたしの問題はすべてに共通している。

全部が曖昧で中途半端なのだ。

ドイツ語も、将来やりたいことも、今やっていることも。

曖昧を卒業しなければならない。

 

考え事ばかりしていても、今はしかたない。

あと残りの半分、怪我無く病気なく走り切れますように。