押し寄せる現実。留学なのか、はたまたこれは。

卒業からだらだらとして2週間が過ぎ去りました。

 

私は大人です。もういい歳の大人でしょうし、もう20年くらいは大人として自活して生きてきたので、大人歴のほうが長いじゃないか。思い出して、わたし。学生の肩書から目を覚まして。そろそろ現実を見つめようと思います。

 

ここ、ウィーンにて自分と同じケースの人というのは中々出会わないものです。

大学の同じ専攻の中には3年前に1人だけ第三国、つまりはEU出身ではない学生が卒業しましたが、それ以降私が2人目。ちなみに彼は卒業後すぐにドイツに移住して仕事をしていて、今はドイツの市民権申請中。ドイツ市民権を視野に入れていたので決断は早かった。

 

わたしはヨーロピアンになろうという願望を今のところ持ち得ていないので、それゆえというか、先行きがぼやんとしている。そしてそんな様子の卒業生が周りに見当たらない。つまりは卒業した後の滞在許可の条件とか、就活猶予期間の1年はバイトはしていいのかとか、保険は違うものに変えたら後々困るのかとか、でも急に500ユーロ近い保険なんて無理やでっという話とか、どうしたらいいのか誰も知りません。困った。

 

第三国出身で卒業した他専攻の友達は、なんとみんな婚姻下なので「卒業したらとりあえず休みなよー」とトロピカルな助言をくれて、ちょっと遠い目になった。でもこれも人生様々なので、そうだよねーと明るく受け流すことにしている。さらに、別の在学中の同じく第三国出身の友達に「自分でなんとかしようなんて、フェミニストだ」と言われて驚きすぎて、笑ってしまった。女性が自立したらフェミニストだなんて、2022年に聞くとは思わなかった。さらに「わたしは旦那を卒業までに探す」という案を教えてくれたが、わたしには就職先を見つけるより旦那を見つける方が現実的ではないので、粛々とCVを書こうと思う、仕事をくれる人あてに。

 

そんなわけで。

とりあえずこの2週間、周りを見渡して現実をばしっと教えてくれそうな人が見当たらない。もちろん自分で調べたけれど、唯一この就活猶予期間に他のアルバイトの可否についての明確な回答をAMSのホームページで見つけられなかった。一人で助けを待つなんて危険すぎるので、とりあえず大学の学生課にメールで何か知ってたらお助け願いたいとメールしてみた。返事が来るかはわからないが。ちなみにこれが許されるのであれば、今の雇用主から当面の社会保障が適用される契約に切り替えてあげるというありがたいお言葉をいただいている。専門分野の仕事が見つかるまで助けてくれるなんて…天使かな。

 

日本でいう国民健康保険がウィーンは自足だと480ユーロぐらいします。月額です。

でもこのコロナ禍でノー保険はギャンブルすぎます。ドイツもここまででないにしろ、それなりにするみたいで、日本の国民健康保険って良心的なんだなと感心している次第です。ちなみに私が調べた限り、ウィーンで労働許可的なビザで働くには月収最低2400ユーロぐらい頂戴できないとお話にならないみたいです。芸術分野のペーペーには険しいな…。そういえばでも、弟もオーストラリア(ややこしいがカンガルーの方)で一人だけオーナービザ出してもらっていたがゆえに、誰よりも給料高くて、市民権が出るまで、ものすごく肩身が狭かったと言っていたのを思い出した。ただ、EUの子たちもこの保険問題には頭を悩ませるようで、それゆえにとりあえず適当に別の大学のBAとかに籍を取る人も多いと言っていました。なるほど。私にはその案は皆無だけれど、それはそれでどのみちリミットが来るので、結局誰もがいつかは直面するのです。残念ながら。

 

なんか海外で大学院まで卒業したら、すごくキラキラなヨーロッパ生活をここに綴るんじゃないかと期待してくださったみなさま、外国人生活は何を条件に加えたところで険しいものです。

 

ただ、今日メールを書きながら思ったのですが。

あれ、わたし、ここには4年で大学を卒業するということを最終目標にしてきたんじゃなかったかしら?これ留学だったのでは?わたしって留学生なのでは?と自分を省みたのですが、だれも私に「帰るのか」と聞かないのだけれど…先生方もわたしの外国人的条件をガン無視した求人やポジションを提案してくれるのだけれど、なんか夢物語のようで蜃気楼の中にいるみたい。ぼんやりしちゃう。それなのに、わたしも私で、もうちょっと何かしようかなって求人とか見てるけどなんでや…と。不思議な気持ちだけがふつふつと湧いてきました。4年前は、というかほぼ5年前は、あー4年かぁ、長いなぁと確かに思っていたのに。

 

ただ、今日きちんと480ユーロという数字を見て、うーん春過ぎに何も先が決まって無かったら、帰国も現実的だと思い始めました。まぁでも、もう少し時間があるので、よく考えようと思います。

 

色々な先生方にお気遣いに対してお礼の返事をしていて、ブログまで開きました。私の複雑なビザ問題を先生方に説明する気にはなれないので、少し落ち着いたらお返事させてくださいという決まり文句しか書けなくてしょんぼりしてしまって。ここに、だらだら書いたみたいに一筋縄ではないし、なんだか気が重くなることも多いのですが、そういう時は「でもドイツ語も分からないでやってきて卒業まで出来たことをとりあず喜ぼう」と自分を励ましています。うん。