ヨーロッパで帰省。

3月から夏まで続く激務に向けて、のんびりとした2月(個人的見解)。
時間があると、ついつい人の分まで仕事をしていまうのを最近同僚に注意されました。

「Kiki、優しいのはあなたの人柄だから仕方ないんだろうけど、それにしても境界がなさすぎるから。なんでも手伝わなくていいんだから、あなたそのうち壊れちゃうよ」

と。いやぁ、ついつい手が空いてるなと思うとね…わかってるんですけどね…

 

というわけで、オフィスに出ると手が出るので、打ち合わせがない時は家に籠りがちに。どうせホームオフィスなら、とこの隙に最後の大掃除にウィーンまで行ってきました。7,8時間の電車移動もとうとう慣れてしまいました。最短、最良の乗り換えルートを見つけてしまいましたからね。ドイツ鉄道が遅延しても、もう驚きませんよ。最近聞いた遅延のアナウンスは「爆弾発見されたので止まります」でした。よくあるらしいです、第二次世界大戦のときの不発弾が見つかったみたいで2時間遅延。アナウンスで情報が更新されるたびに、雑音がすごくて、車内爆笑。すごい大変そうじゃん、水でも飲んでくれよって言いたくなる感じでした。ちなみに今回も帰りのドイツ行きが1時間遅延。車内で待たされました。まぁもう知ってたさ…。慣れってすごい。

 

 

さて、今やオンラインで何でもできる時代ですが、オンラインというのはなぜか対面より時間がかかることが多いのです。こちらの保険に加入して、オーストリアの保険を解約するのにメールのやり取りすること2か月、やっと解約されました。ちゃんと重複して支払った数か月分も返金してくれましたが(重複したのはあちらの対応が遅かったんでね)、清算書がウィーンの住所に届くあたりちょっとポンコツ。ウィーン住んでないから解約したんやで?と一人突っ込んじゃいました。幸い元ルームメイトがまだ住んでいたのでちょこちょこ連絡が来るので問題なかったのですが…。

携帯も解約、こちらもオンラインで完了。

このまますべてオンライン、ハンディシグネチュアでいけちゃうのではと思っていたのですが住民登録の抹消と銀行口座の閉鎖で躓きました。

 

銀行も住民票もこのままそのうち返事くるかな…と待ってもよかったのですが、まぁ窓口いったら一瞬だろうな…と思い、全部まとめてウィーンへ行ったというわけです。もともと、ドイツの家が決まるまで作品系の荷物をウィーンの住居の地下室に置かせてもらっていて、ちゃんとした部屋が見つかったら運送を手配しに、もう一度ウィーンにはいくつもりでした。

 

銀行も、住民登録も、やっぱり窓口でものの5分で終了。ドイツでグッドラック!と笑顔で見送られました。

 

面白かったのが、役所で隣に座ったおばあちゃん。あぁ待ち時間が長くてやんなっちゃうと話しかけられました。30分で呼ばれるならウィーンでは御の字と答えたら、笑われました。イギリスの方だそうで、「イギリスではこんなアナログありえないのよ」とぷんすかしてらっしゃいました。一応簡単なものはメールでも対応してくれるだろうが、どうしたんだと話を聞いたら、オーストリア人の旦那さんが急に亡くなって、貸していた家やら旦那さんの役所周りの整理に、今住んでいるインドからわざわざ来たんだとか。なんでオーストリアなんかに住んだのかしら、furchtbarを連呼していました。確かにドイツに来てから、オーストリアのこういうシステムは中々なハードなものだったと実感したので、私も、うんうんと苦笑い。

 

まぁでも聞いてくれよ、おばあちゃん。
私は在外選挙の登録住所がまだ更新されていないのか、ウィーンの住所に選挙事務局から手紙が届いて、なにかと思えば、在外選挙の登録カードに不備が出たから、上からこれを貼ってくれって3cmくらいの長さのテプラで作られたシールがわざわざ日本から届いたんですよ。もっとアナログな国はある、と写真を見せたら大爆笑。いやぁ日本はハイテクだと聞いてたよと言われたので、私もそう願いたいが、判子社会なんでね…と。日本に比べたらマシな気がしてきたおばあちゃん、まぁもう来たんだしやるしかないよねと。

 

ちょうどお天気に恵まれた春みたいな気候だったウィーン。元ルームメイトや大学時代の友人達と飲んで食べて散歩したり、映画見に行ったり、一人で美術館に行ったり。ちゃんと秋のプロジェクトの打ち合わせもしました。偉いぞ。

 

3日しかなかったので、ほとんどの友達や知り合いに連絡することなく、ごくごく近しい人に会っただけの、弾丸でしたがリフレッシュできました。友達と海外に第二のホームみたいな場所があるのって変な感じだわと話しながら。

 

思い返せば、日本では割と複雑な親族関係のある家庭だったので、あまりこう長期休暇にどこかに帰るみたいな習慣がありませんでした。学生時代に友人が一週間も休みがあれば実家に帰るのをちょっと不思議に思っていたのですが、今回初めて、これか!と思いました。こうやってリフレッシュしたくて移動に半日かけてもみんな帰省するんだなぁ…と。

 

不思議なもんで、それでもドイツの今の家にも「帰ってきた感」があって。
ここは、ここで居心地よくなり始めているのかもしれません。