夏の終わり。

とりあえず、ワクチン接種2回目の副反応は3日目にきれいさっぱり消え去りました。

腕の痛みに関しては、私は1回目のほうが長引いた気がしています、元気に今日もウィーンから、kikiです。

 

もう長袖を着ているウィーン。これからしばらく20度以下のようです。

あれ、もう冬じゃない!という友達に、秋だよ!せめて2週間は秋であれよ!と反論しておきました。今年の夏はサっと過ぎ去った気がしたものの、思い返せば6月くらいから、毎日暑い暑いとアトリエで作業をしていました。うん、3か月くらいはあった。

 

ちらほらとウィーンに帰ってきたよ連絡をもらっては、友達に会っています。先週は久しぶりにMAKに行ってきました。全然人がいませんでした。友達とあの窓、あんなんだったっけと建物再発見できるくらいには、ガラガラでした。旅行シーズンも終わったのか、コロナで美術館離れではありませんように。

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そろそろ、大学の次のセメスターの準備を始めなければならない時期です。

卒業制作とセオリーパートの論文を書かねばなりません。自分で決められるのだからもう少し気楽にしたらいいなと客観的に自分でも思うのですが、友達となんだこのプレッシャーは…とぶつぶつ言いながらMAKの帰りにアイスをご馳走になりました。彼女がスイスにいた間の植物シッターのお駄賃。

 

アイスと散歩の狭間に、そういえば卒業したあの子から返事ないんだけどわたしって何か怒らせるようなことしたかなぁという相談を、ふんふん聞きながら、「彼女が誰かに一方的に怒っているのを見たことがないから、それはないのでは。忙しいだけじゃない」という私の助言の証人のように、まさにその彼女が向かいの通りから私たちめがけて飛んできた。ご本人登場にびっくりしたものの、ウィーンってこういう街なんだよなと笑いました。昨日イタリアから帰ってきたと聞いて、やっぱりね。

 

こんなショートケーキのデコレーション的西洋な街なのに、道端でばったり友人知人に会うくらい、そうか、ここは暮らす場所なんだ、でも。なじみのある街とも言えるけれど、なんだか今でも「目の前にある街」という気持ちのほうが強い。目前の景色がこの4年変わらないのだ、という気持ち。とは言っても、モダンビルがちらほらと街のモザイクに隠れては現れて、なんだかシックなスーパーが出来て、お持ち帰りのトレーは全部紙製品に変わった。ウィーンの街にこっそり現れたけれど、馴染んでいない、でもそこにある、私もそんなもんだろうか。

 

客観的に見たら、私はこの4年で何が変わったんだろうか。

なんだか、ヨーロッパ旅行に興味がなくなっちゃったな、とか。

ドイツ語だ!という切り替えがなくなっちゃったな、とか。

硬くて塩っぽい黒パンが好きになったな、とか。

オレンジジュースを水で割っちゃうんだよな、とか。

お腹が空いたらとりあえずリンゴかじってればいいんだから、安上がりだな、とか。

 

そんな表層の私は、見えない何に支えられているんだろうか。

 

夏から秋になるみたいに、もっとはっきり気が付けたらいいのだけれど。

4年がそっと通り過ぎたみたいに、昨日は友達の引っ越しを手伝ったし、明日はべつの友達とカフェで会って、バイトもする。何が積もり積もったのか、でもこんなことを垂直に積み重ねているのかもしれない。そうやって明日が明後日になって、5年目だなとか、秋が冬を見据えたころに思うのだ。

そして、自分のアイデンティティ的記号の羅列であろう言語を生活の中に配分できる唯一の場所であるここに、駄文散文、失礼します。