なんて事はないロンドン研修旅行記です。
ウィーンから2時間少々のフライト。ロンドンに到着したものの、EU外の私だけ1時間のパスポートコントロールでの足止め。みんな優しくて、コーヒー飲んで待っていてくれました。ロンドンのパスポートコントロール厳しい。学生証までチェックされたけど、ドイツ語だよお兄さん。そんなこんなで予定より1時間遅れて、ホテルへチェックイン。そして駅で待ち合わせて、今回の目的地、テートモダンへ。
前を歩くみんな、赤いスポット。可愛い。見つけやすい。
研修のメインはChristian Marclay-The Clock
24時間の映像作品。もちろん、DVDなどないわけで、わざわざ飛行機に乗って美術館まで足を運びました。大盛況で上映空間に入れるまで1時間弱並びました。そして3時間たっぷり楽しんだところで、腹ペコに。一旦腹ごしらえに、テートのすぐそばのアジアンレストランWagamamaへ。
1年4ヶ月ぶりのとんかつ!とんかつ!
全然、とんかつが見えない。このリーフサラダの下にクリスピーな豚がおり、その下にご飯。上のサラダのビネガーが下までしみて酢飯状態でしたが、一緒に出てきたとんかつソースさえあれば、もうとんかつ。むしろとんかつのクオリティなど気にならないくらい、食に関しては簡単野郎になっている私。美味しくいただきました。
お腹が満たされてまたテートへ。22時まで開いているのでのんびりできたのですが、何しろ館内が広いのでこの日はThe Clockだけ見て終了。
2日目もテートへ。The Clockを見に行く一行を尻目に、私は常設のコレクションを拝見しに。いや〜見応えがすごかったです。モンドリアンからピカソにダリと、本物はちゃんと人の手が生み出したものでした。レイチェルホワイトリードの見たことがない作品も拝み、午後の移動までで結局1フロアも見終わりませんでした。ですが、常設展の案内には一度に見切る必要はないですよ〜その時の気分に合わせてどうぞ〜だから無料なんですよ〜と言う案内が掲げられていました。納得のボリュームです。
ブランチは皆で先生オススメの地元のダイナーへ。
すごいボリュームです。トーストとコーヒーもついて6ポンド。この日はこれ以降、全くお腹が空きませんでした。それどころか、このあとに行ったカフェで先生驕りのコーヒーをお断りしたほど。もう液体も受け付けないくらいの量でした。普段ウィーンでちゃんとしたご飯が1日1食みたいな生活しちゃっているので胃袋が悲鳴をあげていました。だって考え事してるとお腹すかないんだよ…。チョコがあればいいんだよ…。
研修旅行あるある。みんなのご飯のペースについていけない。笑
その後お腹を抱えて、シェイクスピアグローブ座に立ち寄り。ちょうど旅のお供にハムレットを読んでいたのですが、手を替え品を替えのシェイクスピアグッズに笑いました。ポップすぎて、ハムレットが泣いてるよ。
そこから歩いて30分強。バービカンセンターへ。前セメスターでブルタリズムを勉強していたので、どんなかな〜とみんなで散歩がてら行ってきました。焼いたら写真の下が黒い時の悲しさ。
ちなみにどんな経緯でこんな巨大なものが出来上ったかと言いますと…
第二次世界大戦の爆撃で廃墟となった地区を再開発し、1億6100万ポンドの莫大な建設費を投じ、1982年3月3日、女王エリザベス2世の名の下に「国民へのプレゼント」として建てられた。以来コーポレーション・オブ・ロンドンにより運営されている。ーwikipedia
というわけで、劇場やコンサートホールに図書館にレストラン、音楽学校に教会まで敷地内に併設され、とにかく文化複合施設らしく盛りだくさん。ただ我々の目的は建築そのものなので、施設を楽しむでもなく、回路をぐる〜と回りながらコンクリートを叩いて歩く。怪しい。
鴨がプカプカ。そしてローマ時代の城壁。奥には超高層ビル。敷地内はとても静かで、都市型住居を作るというコンセプトは割と機能してる感じです。複合型施設のモデルケースとなっただけあります。
飾り窓のジーザスマトリョーシカ。図書館の検索用PCが未来世紀ブラジル的世界観。現役っぽいけれど週末だったので確認できませんでした。残念。
このあと、バーへ行くと言うみんなと別れて(お腹がはち切れそうだったので)、一人地図も見ずに適当に歩く。そしてやっぱり買い物とかよりテートのコレクション見終わりたくて夜のテートヘ戻りました。そこで遭遇。
プロポーズの瞬間!答えはYES!よかったねぇ〜!彼がプロポーズしたのはCildo Meireles の作品'Babel'とMarry me?と書かれた指輪のポートレート作品の間(この作品誰のか忘れちゃいました。同じ人のかな?)BabelとMarry meって関連性がB面すぎて、ここでプロポーズする勇気たるや。そんな光景を眺めながら2日目はテートを見切って終了。
3日目はVICTORIA AND ALBERT MUSEUMからスタート。
ここは1日じゃあとてもじゃないけれど見終わりません。コレクションの数がすごい。さすがは大英帝国。ポストコロニアルとかが頭を駆け巡りながら、複雑になりつつも、展示空間の設計に現役感を感じずにはいられなかった。中でもほぇ〜っと一人で声をあげていたのが11歳の少女が作った宝石箱。
すっすごい!と一人で感動して見入っていまいました。
一応お目当はファッションの企画展だったのですが、常設展の見応えたるや!こちらもコレクションは入場無料だし、スタディスペースもあって、ロンドンに住んでいたら通いつめること間違いなしの美術館でした。オブジェクトをArtと形容していたので美術館だろうと思うのですが、博物館だったような気もします。日本エリアに至っては「日本の美しいとこだけ切り取りました」感が、日本人としてはいや〜すいませんねぇと言う気持ちにさせられました。こういう感性を持ってると期待されてるんでしょうね、背筋が伸びます。地域や国ごとに細かく分類されているので、エセアジア感もエセオリエント感もなく。陶磁器の横に着物が展示されていて、はいアジア!みたいな感じがないので信頼できます。何か。
激混みだったカフェスペースは週末じゃなければ、ゆったりお茶できるんでしょうか。内装がエレガント〜で壮大でした。そのままハイドパーク内のギャラリーを目指してお散歩して、ランチして、一旦ホテルへ戻り。
足を上げて休憩。私の足の短さったらないし、部屋の電気が明るすぎてかぶせた袋が乱雑すぎるし、と突っ込みどころのある旅の思い出。笑
夜は皆で近所のジャズダイニングバーへ。生演奏でご飯。またもやお腹を抱えて就寝。そして翌日のお昼のフライトでウィーンへ戻り、アトリエへ直帰しました。
振り返れば、なんの買い物もせず…。購入品といえば、旅行中に風邪が悪化したので風邪薬でしょうか。そんな私に生の生姜を勧めてくるトモダチ。
長距離列車の中で剥いてくれたけど、今更ながら匂いについて反省しておきたいと思います。ぺこり。
いつもながらの美術館、劇場、ご飯、散歩な研修旅行でした。でもとても楽しかったですし、気づけばすぐに単独行動になる(先生を含め)感じは気楽でした。英語で全てが完結するのも気楽さ倍増。ドイツ語では辞書片手じゃないと薬選びも不安ですが、ロンドンではフラッと薬局に行って買えちゃう。なんで私英語圏じゃないところに留学したんだろう。ドMだろうか。そうかもしれない。(いや、勉強したいスタジオがロンドンにないからや!)
さて、4月はドイツへ、6月はイタリアへ研修に行きます。初のイタリア!ヴィエンナーレ。嬉しい。楽しみ。ワクワク。またどうせ美術館とご飯と散歩、劇場な研修ですがささ〜っとブログにしたいと思います。