職場復帰。体育会系ではもうやっていけないと学んだドイツ就職1年目。

もう秋かな?というドイツからこんにちは、Kikiです。

 

前回のバーンアウト療養後、担当医もびっくり、ちゃっかり復帰しました。
復帰後1ヶ月通常勤務を経て、6週間の夏休みに突入です。

 

診断が出てからさらに急下降して、起き上がれない…みたいな日々に突入した時には、いやぁこれは帰国だろうか?と思いました。

ただ帰国したほうが状況悪いけどどうよ?今は病欠でも6週間はお給料全額出て、それ以降も契約切れるまで60%くらいもらいながら療養できるし…いやぁでも長引いたら?わたしが療養してる間、新しい人も雇えないだろうし、同僚に火の粉が…そもそも今より悪くなったらどうしよう…最初はそんなことを考えながら寝込む日々。むしろそんなこと考えてて、より寝込む。

 

そのうちにお医者さんの「とにかく何も考えるな」を鵜呑みにしたというか

仕事の連絡が一切入らなくなったら、ふと仕事のことを忘れられる時間が増えてきて
そしたら、お医者さんと少しずつ、なんでこうなったんだろう?っていうことを冷静に俯瞰できるようになっていました。

 

お医者さんは一貫して、あなたは悪くない。
あなたは一人じゃない、私があなたの家族だ。
あなたは一人で海外で働くほど勇気のある人だ、信じて。そう繰り返してくれました。

 

最初は心配した同僚からのメッセージを開いては号泣していましたが

おそるおそる返事が出来るようになり
そして全然知らない人と日本語で話したいと思ったときに良い機会も見つけました。

www.helpdesk24.net相変わらず、日本人の友達がこっちに居なくて。
でもドイツ人相手に、ドイツ社会厳しーっスって私も言いづらい…。そんなときに見つけたのがここで、ツイッターをフォローしていると相談用のリンクと時間をお知らせしてくれます。話を聞いてちょっと雑談してくれるという感じなので医療とは別ですが、まったく知らない人だから素直に言えることもあるなぁと思いました。なんかアドバイスが欲しいとかじゃないくらい弱ってる時に沁みた。

 

ウィーン時代の恩師にも電話しました。
電話口で泣く私に「あれあれまぁ…」と優しく話をしてくれて、いつでもウィーンに帰ってくればいいじゃないか、こっちで出来ることを一緒に探そうとまで言ってくれました。

 

ものすごく落ち込んだけれど、周りの温かさに触れるたびに、心の底ではまた元気に仕事がしたかった。気持ちが少し上向いてきたときにえいっと戻りたいと先生に相談しました。

最初はまだ不安定だからと反対されましたが、戻ってダメなら潔く母国に帰るつもりですという話をしました。このまま悩んでまた寝込むようなことになったら、帰国すら危うい。最終的には職場復帰の条件として上司とちゃんと話すという約束をしました。

 

本当に親身な担当医で、復帰翌日にまた診察にくるよう言われました。本当に無理してないか確認したいと。ついでに血液検査等々の予定も組んでくれて、とりあえず身体自体は健康だという後押しもしてくれました。

 

約束を守り、ちゃんとアポイントを取りました。

上司と話し、その上とまた話し、最終的にはトップに呼び出されて話す。
話しているうちに、なんかもう過ぎ去ったことだし、同じことが起こらないように自分なりにコントロールすることが大事だったんだなと思いました。そもそも誰かが犠牲にならなければならない状況でしか回らないプロジェクトそのものに問題があるから、すぐ相談に来てと言われました。なんて言うか、一時の力技で何とか成し遂げてこそ!みたいな体育会系なところで育ったので、これは目から鱗というか…すごく気が楽に。

 

いつでも直でトップに話にきていいよ券を発券されて、復帰後1ヶ月、徐々に元気に。

 

話がスムーズだったのには裏話もありました。というのも復帰した時に上層部が揃いもそろって、私の一言目の前に、前回のプロジェクトの担当アーティストを「あのビッ〇」呼ばわりしていて、びっくり。もう二度と呼ばないから安心しろとすごい剣幕でした。

 

後から聞いた話では、私の状況を見ていた他部署のチーフ陣がプロジェクト進行中にトップにちょくちょく耳打ちしてたらしい。「なんなんだあいつ、Kiki働かせすぎだろう」と。幸か不幸か一大プロジェクトだったので、目撃者が多かったようです。笑。

 

進行中に助けを求めれば良かったみたい。です。

 

とにかく労働時間を守る、自分を犠牲にしない、はっきり言う。
復帰直後は、8時間で帰っていいんだろうか…手抜きにならないか…と心配していましたが、今、新しいプロジェクトで組んでいる相方に「あなたと仕事するとマジでラク!マ・ジ・デ!楽すぎる、ありがとう」と手を握られてぶんぶんされたので、今までがやりすぎだったのかも知れません。

彼女は彼女でそれまでの相棒のお世話をしては自分の仕事が山積みになるという負の連鎖だったらしい。それはそれはご苦労様ですとお互い労いました。

 

自分ではこの程度でいいんだろうか…と心配になってしまいますが、

いやいや、これでいいんだ!サボってるわけじゃないし!はい、退勤!が上手になってきました。好きを仕事にするとみさかえ無くなりますが、ロボットじゃないから。

 

そして、自分なりに、それは今は手に負えないと言えるようになりました。

正確には出来るんだけど、残業になる場合はそれを手に負えないと言っていいと学んだので、恐る恐る口に出してみる…。

やらないとは言っていない、そして間に合わないとも言っていない。
急ぎじゃないなら、明日やる。あとは休みの日の連絡は緊急じゃなければ返事は月曜日になります、とも最初に言いました。偉いぞ!

一年たって、優先、緊急度合いが判断できるようになったのも大きいです。

 

もう一つに、自己犠牲を払うくらい一生懸命仕事をしていると報われるんじゃないかという自己暗示もあったと思います。自分に自信が無いので、頑張りで認められてきたと思い込んでいました。ですが今の職場で、仕事の質はいいのだからほどほどにね…と言われて、ちょっと目が覚めました。仕事の質で評価されてるんだった…と。

 

ネイティブより劣るから、若くないから…とそういう不安をがむしゃらに働くことでカバーしようとしていたのかもしれません。でもそんなこと、誰も気にしてなかった。

むしろ仕事できるのに、そんな追い込まなくても…と思われていたことを今回知れて良かったのかもしれません。

 

とりあえずは、他の人みたいに、ぐいぐいは出来ない。私には私に合う方法でアプローチしようと思い、最初に線を引いてみるを実践中です。今回のプロジェクトのアーティストは話せばわかってくれるので、なんだかんだ上手くやっています。

 

そんなこんなで、夏休みです。6週間。

すごい、この先6週間ぶっ続けの夏休みのある仕事に就くことあるだろうか。笑。

 

6年ぶりに一時帰国します。
荷造りがてら、日本のお財布をひっくり返したらさび付いた年代物みたいな350円とPASMOが出てきました。まだ使えるかな…?

 

荷造り始めたら、洋服とお土産以外持ち物が無くて、スーツケースがすっからかんです。日本で美味しいものと本を、とにかく本を沢山詰めて帰ってこようと思います。

 

久しぶりに友達にも会うのでとても楽しみ。薬の副作用ですっかり小太りになった私が日本社会に戻るのが怖いものの…まぁすぐに痩せるわけでもないし、今のところこれで健康なので。というか自分の見た目が気になりはじめて「あぁ…日本に帰るのね」という気がしてきたのも、なんだかな…とは思いますが。

 

あまり色々考えずに、のんびり過ごそうと思います。

暑さと時差ボケに負けませんように…。

最近見たほっこりシーン。信頼関係ですね。