マッチひと箱。

2022年の振り返りをすっ飛ばして始めようと思います。振り返るには沢山のことがありすぎました。人生を振り返ってもここまでの年はなかなかない気がします。まだ受け止めきれないこともあります。

 

そんなわけで。明けましておめでとうございます。

11月からのプロジェクトが完。今回もめちゃくちゃ働いたので、2月はスローになります。前回は初めての環境であたふたし、今回はアーティストチームに振り回されましたが、その分勉強になりました。

 

言い方を選べないのですが、上手く回っていないプロジェクトほど、勉強になります。大事なのはどんよりとした空気を読まずに常にフラットにポジティブに仕事をすること。上手くいってないことをジャッジするのではなく、その状況で戦うアーティストと「ともに」働くこと。zusammen machen、とても大事。

 

今回でテクニカル部門の人たちといい感じに人間関係が始まったのも収穫です。

彼らほど、全部のプロジェクトにかかわっている人たちはいないので、結構目利きで、話を聞いていて面白いです。10年越え選手ばかりなので、知らないことを沢山教えて貰えて、ほくほく。知らない、ワカラナイを武器にできる限り、沢山吸収したいと思います。そのためにここに来たんだ。

 

実は未だに長期の滞在許可と就労許可を申請できていなくて、気が付けば今持っている短期のVISAが3月まで。来週はこちらに着手。

年末に周りのドイツ人の友人たちから、来年から労働市場の人手不足で外国人の就労許可が緩くなるみたいよという朗報を耳にしていました。

www.tagesschau.de

この記事を読むと、なんて人道的な政策なんだと思わされますが、それが政治。実際は人手不足が深刻なのが実情のようです。確かに、働き始めてこの4か月、毎月どなたかの引退式のお知らせがやってきます。

mediendienst-integration.deこちらのほうがわかり易いかも。私はこの条件には該当しないので、ただ移民局が忙しくなって、私の滞在許可も中々下りないのではないか…という懸念しかないのですが。5年以上居住している人はちょっとチェックしてみるといいかもしれません。

 

とりあえず、スムーズに滞在許可が手に入りますように…よろしく頼みますよ…!

後厄も終わったわけですから…。

 

2023年のモットーは、今のところ

①ドキュメント上のアイデンティティを整理整頓

②自分の作品を粛々と進めてチャンスを逃さない

③嫌なことは職場に置いて帰る、自分の機嫌は自分でとる

④なんでも真正面から受け止めない、彼らは言いたいことを言うが明日には忘れている

⑤一時帰国

⑥今を楽しむ訓練

 

職場に心底意地悪みたいな人が今のところいないのは本当に救いです。ちょっと苦手だった部門のトップの人がいたのですが、たまたま私の大学時代の教授が仕事で来ていて、彼女が私を我が子のようにぎゅうぎゅう抱きしめる場面に遭遇した次の日から、態度が柔らかくなりました。これぞ七光り。なんでもありです。苦笑。

 

ドイツで働き始めてまだ短いのですが、今までの働き方をちょっと脱ぎ捨てられそうな気がしています。日本社会で仕事をしていると、後輩みたいな存在に指導することを求められて、そういうのが器用にできない自分に自己嫌悪していたのですが、ここではお手伝いを求められるだけで、指導は存在しないのが私には合っているみたいです。

どんなに若い人でも、インターン生でも、振る舞いや方法に口を出す必要はありません。その分返ってくる責任もはっきりしていて、自分で仕事の仕方を修正できないと職を失うだけです。シンプル。

 

本来の仕事と指導力を同時に求められるのは、中々にキツイと思います。

でもお手伝いくらいなら、私にもできますから。ウィーンで周りの人々が私を大事にしてくれたように、わたしもできる範囲で出来たらいいと思います。

私も周りの助けがなければ何も出来ませんしね。

 

これから夏までは大きなプロジェクトが続きますが、なんとかなる。そう、今年の目標はひたすら動く、です。嫌なこともいいことも通り過ぎていく一場面に過ぎないと思って、本来の自分の夢の位置を見失わないように。小さな光でも、見失えば怖くて前に進めませんから、時々マッチをすることを忘れずに。トンネルの真ん中では出口の光に照らされることはありませんが、ゆっくりでも進んでいればいつか、外の光が届くところまでたどり着けるかもしれません。私は何かを達成したいというより、出口を探しているみたいです。

 

それと同時に、人生の意味や夢に縛られないで生きたいと思います。

毎日の、今を楽しむことに罪悪感を覚えないこと。来るか分からない未来のために今を犠牲にしすぎないこと。

 

ときどき、昔からの友人や知り合いに、Kikiみたいにやりたいことが出来たらいいのにと言われることがあります。私はただ、こんな風にしかできないだけで、やりたいことをしている!という自負はありません。それに、なにか好きなことを仕事にする必要は無いと思います。好きなことを労働に換算せずに続けられた方がよっぽど幸せな気がするし、そもそも好きなことをするために生れたわけでもないとすら思います。私の場合は、私の好きなことには時間がかかりすぎるので、続けるために労働時間すら費やしているといった方が正しい気がします。出来ることが少ないんです、わたしは。

 

目の前にある、その時間を生きている自分を愛してあげられればそれでいいのにな。

わたしもまだ上手にできませんが、それが今を楽しむ訓練です。

 

そんな感じです。

 

 

来週は大学時代の教授とデートです。同じ業界で働き始めたことを喜んでくれていて、私も嬉しい。こうしてドイツでまた再会できて、感慨深いです。71歳。会えるときは会わないと。いつまでも元気でいてほしいです。