ママの決断。

ヴェネツィアから帰ってきたら家のヒーターが故障してました、こんにちはkikiです!大喜利みたいなスタートですが、週末は水風呂でしのぎました。幸か不幸か、先週末のウィーンは気温36度まで上昇し、何度でもアピールしますがクーラーたるものがありませんので!もはや水風呂でも!大丈夫!

‥いや、やせ我慢。笑

 

というわけで、業者を手配してくれた昨日、そのために同居のママはアパートまでやってきました。ちなみに、夏期休暇になったので同居家族は丸ごとウィーン郊外のお家で生活しています。私はただいま一人暮らしを満喫中です。

 

で、ママとはずいぶんお久しぶりでした。セメスター中は大学の先生をしているパパと娘しか基本的にはウィーンに居ないので。相変わらずの優しいママ。

 

ちょっとお茶して、最近どう〜なんて話を。

実は私が間借りしている部屋を元々使っていた長女がウィーンに帰ってきています。高校を卒業して一年。将来の方向を決めかねている彼女は、何を勉強したいかわからない〜とイタリアの親戚の家でベビーシッターをしたり、山岳地帯でアルバイトしたりとフラフラ。それにも飽きてウィーンに戻ってきました。

 

私は単純に「この部屋また彼女が使うなら、引っ越し先探すから言ってね」とシンプルにママに話しました。ママは「あなたがここに住んでくれて嬉しいのよ〜私たちうまくやれてると思うのよ」と言ってくれました。そしてママとパパの考えを話してくれました。

 

ママとしては、将来のことを決めるのは本人。この決断に対して手は貸さない方針です。「いつでも何かを与えてもらえると思うのはもう卒業させたい。自分で考えて、自分で行動して、責任を持つ年齢だから。だから私たちとしては、あなたにここに暮らしてもらって、あの子には独り立ちして外に出て欲しいのよね。いつまでもフラフラしてて、色々口を出したくなるんだけど、ぐ〜っと我慢しているの」と。

 

そう言って拳をぎゅーっとして笑って見せたママ。

 

娘はまだ19歳になるかならないか、です。万が一この家に戻ってくる場合には家賃を払わせるつもりだとも言っていました。

 

私にも、娘たちが自由に振舞って、キッチンが汚れていたりして、悪いわね〜と恐縮していたのですが、私が19歳の頃なんて、まだ実家で3食お世話になって、洗濯すらしてもらっていました。とてもじゃないけど、娘ちゃんたちにどうこう言える感じじゃありません。

 

それに、長女はとても賢い子です。フラフラしているようでいて、2月に帰ってきた時に比べたらずいぶん大人びました。妹がいつものごとく、料理後全く片付けないので、私が掃除をしてたら「kikiごめんね〜」と手伝ってくれるではないか!2月の時は一緒に、むしろ彼女の方が家中、それはもうあっここで服脱いで、ここでコーヒー飲んでって行動がわかるかのごとく散らかしまくってたのに。でも片付けのモチベーションにミニマリストのNetflixを見ているのが微笑ましくて笑った。かわいいなぁ。

 

私はママに、最近長女は私に気を使ってくれるという話をしました。ママはびっくりと同時に嬉しそうでした。家族の前では相変わらずだから〜と。私は他人なので、彼女の中での社会スキルが発揮されるのでしょう。

 

ママの歯がゆさに深い愛情を感じました。

将来やりたいことがなんであれ、気持ちでは100%応援してくれるのでしょう。

でも、もう手を離さなければいけない。

 

ママ業って本当にタフな役割だなぁと、頭が上がりません。

 

そんなお茶の間にヒーターはチャチャっと直りました。

ヒーター点検はもともと年に1回はやらなければならないので、ちょうどタイミングでもあったようです。余談ですが、ヒーターの上部にはなんらかのガスらしきものが薄っすら溜まるらしく、この灼熱の気候と相まって、それが原因で病院送りになった人の新聞記事を読んだと言うママ。事細かに私に安全指導をして、またね〜と郊外のお家へ帰って行きました。

 

ちなみにパパにも家が娘たちによってカオスになるたびに「ごめね〜」って言われるのですが、決まって私の返事は「アトリエの方がカオスだから、全然気にならないよ〜」です。そしてパパはそれを聞いてほっとして、二人で笑っています。

 

 

今日は心置きなくお風呂タイムを楽しみます。今週のウィーンは少し涼しいです。