いろいろ書いたけど、一番は日常が戻って欲しい2021年。

明けましておめでとうございます。2020年も励ましや温かいコメントをくださった皆様、本当にありがとうございました。2021年も、気の向くままに、有益な情報の欠片もありません当ブログですが、自己満感満載に更新していく所存です。エゴイステックな挨拶で申しわけありません。今年もどうぞ、よろしくお願いいたします。

 

昨年の振り返りを一度は書いたものの、お蔵入りです。暗いから。えへ。

いやぁ、大変な一年でしたね。そして相変わらず、世の中どうなっちゃったの、どうなっちゃうのよなニュースしか目に入らない。悲しい。

 

というのも、他者への優しさのない”私のモラル”みたいなものを、2020年は散々浴びせられてヘトヘトになりました。コロナ対策は経済対策じゃないし、究極論ですが民主主義への根本的な回答だと、私は思います。マイノリティを置き去りにしないのが民主主義じゃないんですか?疎外のない真の民主主義のためにロックダウンには応じるし、政府だって補償をするわけで…”私は〜だから大丈夫”みたいな理由を振りかざして、その結果、私たちが誰を疎外しているか自分に問いただせよ、おい!(心の声)みたいな場面が多かったです。

そんな理由でルームメイトと年明けそうそう言い合いました(でも意見を言い合うのは喧嘩ではないので、ご心配なく。今も普通に生活中)。ドイツから帰ってきて自主隔離もしない、テストも受けないで「だって私は5人としか会っていない」と言う謎のエビデンスを繰り広げてきたので「私はあなたの個人的で不思議な理論には賛成できないが、強制する権利もない。でもこれはモラルの問題であって、この点について、あなたと私は別の意見を元に生きている。お互いを尊重して、コロナが収束するまで、適切な距離で生活したい」と回答しときました。

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In Freundschaft.

久しぶりの晴間に散歩兼光合成をした週末。クリスマスも過ぎ去ったわけですが。私は前回のご報告のとおり、PCR検査を経てクリスマス会(パーティーというより会)で友達と過ごして大満足です。毎年クリスマスに感じるプレッシャーも、今年はのほほんと終わりました。

昼間に図工かのごとく飾り付けをした本物のもみの木。お値段57ユーロ。友達の家に着いた時には「でかっ」とびっくり。二人で抱えて電車で運んだそうです。

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クリスマスツリーの飾り付けなんて、子供の頃以来な上にエセアメリカンなプラスチックのツリーとしか縁がなかった私の飾り付けのセンスのなさよ。友達に色々教わりながら、おしゃべりしながら。ヨーロッパのクリスマス、お正月的伝統を感じて、改めて宗教行事ですよねと思いました。こちら、灯っているのは本物のロウソクです。

 

前菜のグリーンピースのスープからたくさん食べて飲んで、ツリーを灯してドイツ語の歌を歌いました。そして友達が手作りのレシピ本をプレゼントしてくれて、感極まる。

ちなみにチキンの丸焼きもスポンジケーキもこちらでは主流ではなく。

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ケーキの土台はマカロン生地です。オレンジとイチジクとヨーグルトのアクセントがたまらんです。貰ったレシピ本に載っていたので、いつかふと、この日を思い出して作る気がします。

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美味しくて楽しくて、あっという間でした。

コロナパンデミックで、こうやって集まって食事をするのは、今年の2月以来です。これが当たり前だったけど、こうやって集まることすら苦労するようになって初めて大切さが身にしみるよね、忘れないでおこうねという話もしました。

将来の話を沢山するようになって、みんなも私も卒業が近づいている、4年経ったんだなと帰り道でぼんやり思いました。もしかしたらこれが、みんなで祝える最後のクリスマスかもしれません。誰も口には出さなかったけど、そんな気がして、少し淋しい。でも今年は実家にも中々みんな帰省できない中、これはこれで、家族の集まりだったと思います。

30代半ばで学生生活を楽しんでるって、時々友達の子育てインスタと比べると、パラレルワールド感満載で自分が心配になることもあります。でも、多分、私の人生はこっちだから。周りがこんなに受け入れてくれているんだから、自分こそ自分を受け入れようとそんな風に思う今日この頃です。

 

陰性だったら会いましょう。

ウィーンで迎えるクリスマスも4度目。一時帰国したいんですけど…友達に会いに旅行したいんですけど…!と云う欲求を押さえ込んでの2020年、年末。

 

オーストリアは3度目のハードロックダウンがクリスマス明けから始まる前に、最後に、と云うか今年最初で最後なんじゃないかというクリスマス会(日本語にすると漂う催し物感)のお誘いが舞い込んでいます。

 

その前にすること。そう、PCR検査。陰性だったら会いましょうなんて、こんなの世紀末かよ。そんな気持ちで行ってみたら、会場は未来世紀ブラジルな世界でした。

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手ブレじゃありません、プライバシー保護です。嘘です、手ブレです。

 

ゆうても、先週まで毎週劇場でPCR検査は受けていましたので、検査自体は慣れたものです。それもどうなのって話ですが。でも劇場に検査の方がいらして毎回受けていたので、今回のこの光景にはびっくりしました。

 

ウィーンでPCR検査を受けられるパターンは様々です。もし、すでに症状がある場合には、従来通り自宅で検査を受けるパターン。旅行帰りや、軽い症状がある場合に検査が受けられる場所、20ユーロ少々支払って、街中の薬局で受けられるパターン。検査の種類も鼻や口から採取するパターンもあれば、血液を数滴垂らして検査するものまで。

 

今回私が行ったAustria Centerでは基本的に症状がなく、ウィーンに居住している、働いている人が無料でPCR検査を受けることができます。人と会わなければならない予定があるけれど、心配だという場合にとてもいいと思いますので、私の体験をシェアします。

まずは、リンクのサイトから予約を取ります。

www.acv.at

私は症状も直近の渡航歴もないので、walk Inで受けられるAustrian Center を選びました。サイトのZum Schnelltest anmeldenから日付と時刻を選んで予約します。

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私は最後まで登録しきらずに、予約メールだけで会場へ行ってしまいましたが、そのまま必要な情報を登録しきって、個人のQRコードまで発行してから会場に行かれるのが時短でオススメです。

 

そんなわけで、予約の時間に合わせて会場へ行きました。最寄りのU1の駅を降りれば、検査会場までの看板があるので、迷わずたどり着けます。会場内ではFFP2マスクの着用義務があります。忘れてしまっても会場入り口で配布していたので大丈夫そう。いつまで配布しているか、いつまで無料かは不明です。

 

会場に着いたら、まずは登録の続き。e-Cardと写真付きの身分証明書の提示を求められます。私のe-Cardは写真付きだったので、それだけ見せて、個人情報(住所、電話番号)を登録し、QRコードが発行されました。このQRコードは検査結果の登録などに使用されるそうで、2月まで利用できるとのことでした。

 

あとは印刷されたQRコードの紙を持って、列に並びます。検査はいつも通り。鼻にぐいっと突っ込まれて、その棒を液体に突っ込んでしばしぐるぐる回すよう指示されます。ぐるぐる回しながら列を進むと今度は検査パレッドに4滴垂らすよう指示されて、その後、また10分ほど結果が出るのを待ちます。

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待っている間にいろいろ用意せよ、と書かれていますが、10分後に検査パレッドを見せて「はい、陰性。QRコード読み取らせてね」とピッとされ、24時間有効の陰性証明が発行されます。その後SMSで今後使用するためのQRコードが送られてきたりしながら帰宅です。だいたい30分ぐらいで終了しました。混んでいる時間帯があるかもしれませんので、かかる時間に幅はありそうです。

 

残念ながら、もちろん100%ではないけれど、やらないよりやるべき、ということで。ちなみにルームメイトもみんな受けたのですが、親の扶養でかつドイツ人の子はe-Cardが手元にないので、薬局で20ユーロ支払って検査していました。薬局では、e-Cardないですと言ってそのまま受けられたそうです。e-Cardがない場合、この無料のテストが受けられるのかは私も不明です。どこか読んだら書いてあるんだろうか…。ざっと見ると、受けられそうだけど…。ちなみに犬は同伴できないみたいです。これがQ&Aに出てるのウィーンらしい。

 

そんなわけで、クリスマス会に参加予定の友人は全員陰性の連絡。なんだか変な感じですが、そこまでしてでも会いたい人たちなので。個人のQRコードが発行される下に監視社会への影を感じなくもないですが、いかんせん病院は逼迫していますので、個人で協力できることをしようという気持ちが勝ります。一番は家ごもりがいいのでしょうが、散歩に行っても太陽すら見えない冬に、これからしばらく人にも会えないとなると、この2日間はクリスチャンとか関係なく会いたい…という気持ちでいっぱいです。病院勤務の方はクリスマスも病院なのかな…。無料でテストできるよう、準備と整備をしてくれたウィーン市にも働いているみなさんにも感謝しかありません。

もはやコロナにはもちろんかかりたくないけれど、「どうして」が複雑になりすぎていて、モラルを問われる毎日はうすーく削られるように疲弊するんだということをこの1年しみじみと学びました。今回のパンデミックから社会を支えてくれているはずの医療従事者を社会から孤立させない仕組みが必要なんだろうな…とうっすら考えてしまいます。いろいろ考えますよね…年末だもの。

 

今年も残り8日。久しぶりの友人との時間を楽しもうと思います。

雪だるまで稼げるか。

初雪のウィーン。目の覚める寒さが、マスクを外して歩くには気持ちがいいです。

と数日前に書いた日記を、今日公開します。時間差あれども、今日も寒い。

 

劇場の建物内では常にFFP2マスクの着用が義務付けられていて、これによる呼吸の遮られ方が普通のマスクよりストイックでして。それはもう、みんな、あ"ーーーーーーぐるしいーーーーと悲鳴を上げております。一日中装着していると苦行ちっくです。

 

そんなわけで、誰かがタバコを吸いに行くと言えば、私も新鮮な空気を吸いにお供しています。こちら、雪の日の喫煙タイム(タバコと空気)にみんなで作りました作品です。お納め下さい。

 

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いろいろトンネルの向こう側に。

各国、ロックダウンの延長や緩和のニュースで吹き荒れた週末、みなさまいかがお過ごしですか?私は初日まであと2週間を切りまして、週末も自宅で宿題を持ち帰ってお仕事しています。

 

とは言っても、平日の8時からフル稼働とは違い、週末の朝はゆっくり朝食を作ってルームメイトとおしゃべりしたり、夕方に友達とお散歩に行ったりする余裕はあります。もう、底冷えに寒いので、マスクはむしろ防寒具くらいの気持ちです。ゆったりと過ごしているのに、それでも気がつけば寝てしまった!な毎日でもあります。

 

現在ロックダウン中のウィーンですが、春のような厳重さはありません。主に若年層がもうコロナを恐れなくなってしまっていて、ティーンの集団を街ではよく見かけます。自由とは何かということを考えると、ロックダウン正義!ってわけにもいかないので、自分の倫理を自分は信じるしか無い状況です。それでも不特定多数の人が自宅で集まるパーティーなどが基本的には出来なくなったからか、単純に人が集まる場所が閉鎖されてクラスター化しにくくなったのか、感染者数は下り始めました。ただお亡くなりになる方の数はロックダウン以降上昇していたので、おそらくクリスマス直前まで何かしらの規制は続くのかなと思います。12月には希望者が受けられる全国民を対象とした抗体検査テストも実施されます。私の勝手な予想では、ワクチン接種前にいろいろと現状を知る必要があるんだろうなと思っています。PCRテスト、脳天直撃、鼻がもげそうっていうトラウマがあるのですが、抗体検査はどうなんでしょうか。受けた方がいいだろうけど。

 

予防接種の日程も優先順位の高い人から順次1月から4月まで実施されるようです。変異株が出なければ、今の新型コロナのパンデミックは少し収束の兆しが見えてきたような雰囲気が流れています。どうかそうなりますように。

 

私の関わっているプロダクションは少し日程を後ろ倒しにして、初日のオンライン配信が決まりました。オンライン配信は劇場で劇場言語で制作している人間にとって、あまり嬉しいニュースでは無いのが大方の感想です。映像作品のように、演者の顔をズームにされて、勝手に切り取る手法は、ブラックボックス全体の瞬間、瞬間を作っている側からすると、全然真意が伝わらない撮影方法です。にもかかわらず、なぜか定点では撮影してもらえないもどかしさ。いいんだよ、客席に座ってそこから回してくれればさ…まぁ、難しいですかね、特に大きいプロダクションや劇場だと。パフォーマンスアートでは割とこの考えは共有されていて、定点撮影が主流なのになぁ。パフォーミングアートではなかなか、共有されませんね…。映像だと、歌声の地響きみたいな振動を身体で感じられないので、やっぱり舞台の映像化はアーカイブ以上でも以下でも無いんだなぁとは思います。最初からデジタル化を見越した作品じゃ無いですからね。

 

そんなわけで、中止にならなかったものの、新たな不安の種が芽生えてはいます。時短勤務でなかなかライティングリハーサルが出来ずに、来週から早朝と深夜に組み込まれることに。追いつかない上に、さらにフィルムチームも加わるのでてんやわんやです。

 

でもそれもあと2週間。

この1年半、このインターンの時間の中で、期待していなかったことを沢山学ぶことが出来たような気がしています。期待していなかったこと、というのは、つまりこの今見ている世界が、新しいもので、きちんと、ここでしか出来ない経験をしているということだと思っています。思えばこの3年、ここでの経験は、きちんと新しいのです。

それは同時に、私にも新しい視点が、視座が根付いたということの裏付けでもあります。どれだけ観察出来るか、というのは芸術を自ら作る人間にとって、一番大切なことだと思っています。観察し続け、学び続けたことが、無意識化で、むしろ制作過程の半分以上を占めていると、今回教授と仕事をしてみて、はっきりと理解できました。付け焼き刃なその場のリサーチや方法論は半分しか満たしてくれず、それまでに自分のコップにどれだけ自分で継ぎ足してこれたか。そこにその時の半分が注ぎ込まれて、ちゃんとコップを溢れさせることが出来るのかどうか。そして、その都度またコップの空の感覚を覚えて、乾きと潤いを繰り返せるかどうか。

 

一つのものを見続けても、飽きなくなったのは、自分の引き出しが増えたことだと信じて喜びたいと思いつつ、飽きもせずに何度もなんどもリハーサルを見つめています。

 

余談なのですが(むしろ全部余談なんですが)インターンの最後にして、劇場でのリハーサルが始まり、技術部の大男さんたちのwienerischが全然わかりません。訛りが。そして君はhochdeutschを喋ってるね〜だめだよwienerischを喋らなきゃ〜はっはっは〜と笑われています。みなさんちょっとたまに酒臭い、いい人です。笑。でもwienerischはドイツ語をはるかに上回る難しさだと真剣な顔で訴えときました。いや、もちろんどっちもドイツ語だけど。ただ普段自分が聞いているオーストリアンジャーマンはむしろほぼ標準ドイツ語なんだと気づかされました。奥が深いぜ、オーストリアンジャーマン。

 

もう12月だなんて信じられないなぁ。

大変な1年ですが、残り1ヶ月、みなさまどうぞ無事にお過ごしください!

 

【学生ビザ更新】3度目の在留許可更新、コロナ禍にて。完結編。

 どこもかしこも、夜間外出制限なヨーロッパのみなさま、こんばんは。金曜日の夜いかがお過ごしですか?私はルームメイトたちとかぼちゃココナッツカレースープとクリームチーズのキッシュというハイカロリーなディナーを作りました。お腹がはち切れそうだし、今週は異常に早い就寝を繰り返していたので、ウトウトしながら過ごしました。

 

さて、以前のこちらの記事。

kiikiii.hatenablog.com

 あれから、他の話題の冒頭でも触れていた通り進展がありまして、今日無事に手元に新しい滞在許可証がやってまりましたので、手短に完結編です。重複する箇所もありますが、滞在許可で検索してきた方はこのカテゴリーしか読まれないと思いますので。

 

上記の記事のメールから1週間ほどで、MA35からお手紙が届きました。

内容は期日までに申請料金の160ユーロを振り込むようにとのこと。振込み用紙が同封されていました。手紙には振込みが確認され次第、郵送で新しい滞在許可証が届くとのこと。この時点で、私は追加書類なしだということのようです。

 

書かれていた通り、振込み用紙を使って支払いました。

ちなみに、電子決済も可能です。

 

支払ってからまた1週間。昨日帰宅すると、不在届けが入っていました。郵便局に写真付きの身分証明書を持って取りに来るようにとのこと。

 

郵便局へ翌日、不在票と身分証明書(学生証不可)を持って窓口へ。署名をして受け取れたので、書留めだったようです。青い封筒をオープンすると新しい在留許可証が入っていました。今年は例年とはずいぶんデザインが違います。手紙の内容によりますと、できるだけ早く今手元にある古い在留許可を返却するようにとのこと、さもなくば50ユーロから250ユーロの罰金と書かれていました。ひぇ。

 

ちなみに今日帰宅したら新しい健康保険証(顔写真と期限入り)が届きました。どうも在留許可を持っていると自動でこちらも更新されるらしいのですが(もちろん年ごとの学籍登録更新@SVは必須)、なぜか顔写真が去年の在留許可に使用したものでした。2枚並べると髪型が全然違うんですけど発行日が一緒っていう矛盾。適当だなおい。証明写真の意味とは…苦笑。

 

この保険証とか新しい銀行のカードはなぜか書留めじゃなくて普通にポストに投函されるの、いつもドキドキします。だって郵便配達の人が持ってる、どこの家のエントランスドアも開けられる謎の魔法の鍵は、結構誰でも鍵屋で作れます。記憶に新しい食事券が盗まれた夏がまさにそれなんですけど…。よくぞ無事に届いてくれた、私のeカードよ!

 

同封されていた案内を読む限り、最長で2023年までに新しいのが届くようですが、もし私のどうなっちゃうわけ?と心配な方はサイトでも確認できるみたいです。

www.chipkarte.at

 

兎にも角にも、もしかしたら今年が最短で発行されたかもしれない滞在許可。申請から3週間で、追加書類もありませんでした。ありがとう、私の担当の人。これで、もしクリスマス休暇に旅行できるような状態までコロナが落ち着けば(希望はかなり薄いが)ドイツの友達のところへ行けます。もうかれこれ1年会えてないので、さすがに会いたいよね。でも、彼は劇場で働いてるし、今の私と同様に毎週テストを受けているので、迷惑がかかるなら、いいと言ってくれていてもウィーンで大人しくケンタッキーでも食べます。ウィーンのケンタッキーなんて行ったこともないけれど。

 

そんなわけで、コロナ禍の遠隔更新作業は無事完結しました。ほっと一安心。

まぁ、いまのところは。

最近はヘトヘトで18時過ぎに帰宅して、そのままベットで寝入ってしまい、夜21時頃にまた起きて作業をして2時頃就寝、8時起床な日々です。合計すると9時間ぐらい寝ていて、体調はすこぶるいいです。免疫高めていきたい。今日もお昼はテラスに出て日光浴をしながらお弁当を食べました。

 

今日のウィーンはとても良い天気でした。もう11月も後半なのに秋晴れ。

 

新しい公演のスケジュール(未だに仮)が届きました。初演のプレミアは2日ほど延期されますが、劇場が開かずとも、まずはライブ配信で公開できそうです。

 

よかった。完全中止はなさそうです。今の所。

 

そう、今の所っていうのが、私が最近身につけた処世術です。

 

自分ではそこまで自覚がないのですが、かれこれ仕事をするようになって15年、どうも私は完璧主義な気質があるようでして、それは度々指摘されたりすることがあるのですが。この完璧主義症状は、ウィーン生活を経て、割と改善の兆しがありまして。というのも、人に「完璧主義だね」と指摘されるのは、意味を読み取ると、どうも「他人にも厳しいよね」と言う皮肉が含まれていることもあるのです。

 

今も、これからも自分の作品や仕事のクオリティは、人様から完璧主義に写ろうが貫くわけですが、人に指摘されない=他人は基本的に巻き込まない、を身につけてレベルアップを図りたい。そしてちょっとコツを掴んできたような気がします。

 

何かと比べてしか物事を表現できないのは、よろしくないのですが。ここで分かりやすく言うなれば、私が外で仕事をともにしている人たちは、日本社会で仕事で求められる細やかさや用意周到さを引き合いに出せば、かなりラフです。効率が悪いとも言えます。ただ、みんながそんな感じなのですが、不思議とイライラしている人もあまりお見かけしません。それは、個々に「まぁ、自分の仕事が大事だから」が根本にあり、他人をジャッジしないように心がけているのでしょう。もしかしたら、ナチュラルに気にしてないだけかもしれませんが。笑。

 

だから、この人たち同じ話をずっと、なんなら夏からしてるなと思うことがある。

なんで誰も仕切らないんだろう?っていうか仕切る人も適当なんだな。

でもまぁ、クリエイティブの場においては優柔不断がクオリティを担保することがあるので。まぁ、もうイライラしても意味ないから、自分の仕事しよう。まぁ…ってな具合に、人様の状況が、そうそう気にならなくなり、そして自分もそこまで気を張らずに仕事に集中できるようになりました。人の目がない感じ。

 

だから、たとえ歌手が突然怒り出して、翌日の稽古に現れなくても「まぁ、明日はくるでしょ。彼はもともとちょっとプロ意識には問題あるしね〜連絡きたんだしオッケー」で流れて、翌日姿さえ現せば「まぁ、今日からまた頑張ろうね。できれば事前に話し合おうね」ぐらいな感じでまた再開される。ちなみにこの歌手は役所がめちゃくちゃフラストレーションをためてこじらせて殺人に走っちゃう役なので、本人は気がついていないが、役の影響をもろに受けてディーバ気味である。稽古中に「もうこんなの耐えられん!」と怒ったら演出家に「まさに君の役そのものだ素晴らしい!」と言われていて、みんなクスリとしてしまった。生活に支障が出てしまうのも致し方なく、ディーバな言動も役にぴったりだなとすら思って気にしていない。本人は大変だろうが。

 

話はそれましたが(いつものことですが)。

このなんていうか、仕事を個人的感情と切り離して出来る人が多くてとても勉強になっている。もちろん言い方や接し方は大事で、そこがないがしろになることはないのだけれど、意見を言うことや提案することと、ぶつかることは日常で、それが全く尾を引かないので仕事がしやすい。

 

これは今のルームシェアでも感じていて。自分が思っていることを言うと、意見ではなく希望として受け取ってもらえるので気兼ねなく発言できる。実際相手にも希望(ドイツ語でWunsch)を言ってくれる方が生活しやすいとも言ってもらえた。

 

ただ仕事柄というのは結構大きい要素かもしれません。ここに顧客みたいな立場の違う人が関わってくる職場だと、そのラフさを、なんなら他人が適当にやったことを自分が指摘される理不尽な場面に出くわすこともあってたまったもんじゃないでしょう。現に弟が職場の人(inオーストラリア)にイライラさせられる一番の要因は、彼が自分の職場の適当さと日本の取引先の細かさに板挟みになっているからだという話を聞くたびに「それはやけ酒案件」と同情してしまう。

私の場合は、立場が同じ人だけで完結するからお互い許せるというのはあります。何よりもプロダクションごとにチーム編成は変わるので、気の合わない人がいても、今回だけかもしれないと思うと我慢できるというのもあります。

 

そんなわけで、5年前の私だったら、イライラしていたこと間違いない環境なのだけれど、今はのほほんと、甘えるところは甘え、維持したいことは維持して、自分の理想に対してだけ仕事や生活をしている感じである。まぁ、まぁと言いながら。

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たまには写真でも。こちらアルベルティーナ前の彫刻たち、なんだかお風呂に入っているみたいでついパシャりとしてしまいました。のほほん。