【ドイツでインターン】クラスター追跡完了、隔離終了。ウィーンのコロナ対策現状。

天気のいいドイツからこんにちは!

着いた頃は雪が降っていましたが、昨日から春爛漫です。

 

 さて、移動に伴う隔離が明けて、陽性者が出てまた隔離、の続報です。

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先週の金曜日からとりあえずは自主隔離のお達しで、濃厚接触者から順番にPCR検査や保健所への連絡などバタバタとしていた劇場。幸い月曜日の時点で濃厚接触者からの陽性反応は出ておらず、クラスターは発生しなかった模様です。

 

私はそのあたりで、カテゴリー2に分類されていて、まぁ隔離はほぼ解かれていました。発覚から1週間、正式に隔離が解除されたので、昨日はスーパーと散歩へ行きました。太陽、最高です。

 

さて、感染症対策は万全だったものの、検査の周期に問題があった模様の今回の騒動。正直、毎日検査したって同じことは起きるのがパンデミックなのですが、それでも少なくとも歌う人がいる環境では十分ではなかったのではと演出家チームと支配人が喧嘩中という連絡が来ました。喧嘩っていうとあれなんですけど、衝突?いや、漏れ伝え聞こえるに、喧嘩。苦笑。

 

来週からリハーサルを再開するにあたって、新たなルールを設けることに。

  1. 役者、歌手を含め25人までリハ室への立ち入りが可能であり、かつその25人はリストに登録された固定の者
  2. PCRテストを、リハ室に出入りする人は同じ日に週3日、それ以外は週2回
  3. 劇場の舞台でのリハーサルが開始されれば、アシスタントを含めたチーム全員がリハーサルに参加できる

なんだか、今更感のある新ルールですが。リハ室に入れるのはチームから10名、アシスタントすら入れなくなりました。でもそのほうがいい。

 

ウィーンの劇場は控室が多くて、リハ室もここの2倍ぐらい広く、常に周りと距離をとって座ることができました。まぁ、そのリハ室、そもそも異様に広かったので、あれと同じ環境の劇場はあるまい、です。ウィーンの劇場お金持ちなんでねぇ。

 

つまり、私はアシスタント以下なのでリハ室の外で仕事をすることに。

演出の過程が見れないので、少々コミュニケーションに時間がかかりそうですが、リハ室ではPCを開けなかったので、自分の仕事自体は割とはかどるかもしれない。

なんなら、大学の課題にも追われているので、ここから10日くらいはうまいこと時間を捻出してどちらも頑張れそうです。頑張らねば。

 

そんなわけで、リハ開始の一週間ってほんとバタバタします。

でも、前回はウィーンでのテロを理由に止まったことを思い返すと、誰も重症化してないし、と私の直属のボス二人は結構楽観的です。私もそう思う。こうやって立ち止まりながら進むしかない日常をこの1年でそれなりに受け入れられるようになったのかもしれませんね。なんとか続けるっていうのが大事だし、どうにもならないときは休むのも大事。

 

自宅待機中にちょっと朗報もありました、ウィーンから。

ウィーンは5月2日まで現行のロックダウンが延長されますが19日から規制緩和をスタートする計画だとアナウンスがありました。信号が緑(日本語なら青信号)ならば。

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 やっと、いよいよレストランの再開です。長かった。つねに陰性証明が必要な様子ですが、これもワクチン接種が完了するまで。

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こちら、4月22日時点でのウィーンでのワクチン接種状況。2回目の接種が完了しているのは、まだ10%もいっていないようですが、予定通りであれば、リスクゾーンに少しずつ行き渡っているはずです。

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上記は5月2日までのワクチン接種プランです。で、下記がこちらがリスクゾーンの該当者について。もし自分もそうかも、というウィーン在住の方はご一読ください。

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私もルームメイトとワクチンの申し込みはしました。回ってくるのは夏ぐらいかな?

探し物はこの世界からの降りかた。

人間というのは世界中たいして変わらないもんだなぁと思う。もしくは資本主義社会においては。

私はほんの少しカナダやデンマークや、そしてちょっと長くウィーンで暮らしていて、ドイツ語圏で働いてみたり、カナダで働いてみたりした。

 

20歳で社会に出て、フリーランスも会社員も経験した。

いつも素朴な疑問がある。

どうして人間はヒエラルキー社会をどこでも、かしこでも形成しているのか。多かれ少なかれ、ではあるが、ヒエラルキーのない世界で、とりわけ労働市場というのが無いのではないのかというのが私の20歳からの疑問で、長い間どこかに留まると発生する居心地の悪さの理由の一つとしていつも付きまとっている。不思議なもんで、下にいる分には、適当にその役割を演じて、家に帰ってビール飲んで終了だ。でもちょっと長く居座ると、それをされる側になって、ビールじゃどうにもならない。人に敬われるのが、普通に気持ち悪い。でも組織の中で、それを相手に強いるってのも難しい。相手にも立場ってもんがあるのだ。なんだ、立場って。一緒に働いてるだけじゃないか、なぜそれだけの関係で完結できないのか。

上に行くのも、下にいるのも、なんだか馬鹿馬鹿しいといつも、結局思う。間に挟まれた時の「私って何に配慮して右に左に行ったり来たりしてるわけ?ナニコレ、モノポリーかよ」ってね。

 

理想主義とか、子供っぽいといわれても、もう40歳を前にして、少なくとも違う国での経験も含めれば、通るべき経験というのは十分にしたと思う。サンプルは割と多いほうかもしれない。その上でやっぱり思う。馬鹿馬鹿しいって。

 

もう、この上なく思う。私はこのヒエラルキー世界から降りたい。

降りたいし、降りないで、加担しない方法がまだよくわからない。

おかしいと思う世界に参加することは、それを黙認して加担することだけど

でも、それにしてもなんで、なんでしょうね?

 

人よりお金を貰えたり

人より時間を費やしたあかつきをもらったり

誰かに敬われたり

そういうのがないと、人は働かないのだろうか。

たぶん、私が好きなことが労働市場で価値変換される場というのが、よりいっそう、そういうエリート意識とか、ブルジョワジーな匂いがプンプン強くて、つまりは、芸術分野というのは、なぜかそういうフォーマットの上でお金を産んでいるのだ。

 

もっと、ちゃんと人間の営みとして労働したい。

 

すっごい、ご丁寧なハイクラスな語彙を駆使したメールが仕事で届くたびに、めんどくせぇなってなるんです。それでいて社会を痛烈批判した作品を作ってるんだから、ちぐはぐでしょ。自分の立場をわきまえて、大人なふるまい、出来ますとも。してますとも。でも、いつも誰か偉い人に、有名な人にすくい上げられて、芸術家として大成するのを待とうぜ、みたいな空気に付き合えるほど、色々吞み込めないし、そんなことより、フラットに生きたいし、こうやって社会の仕組みだからとあきらめて飲み込まれて、私もこの変なヒエラルキー構造を次の世代にバトンタッチして押し付けるんだ。

反省。

 

もうすぐ40歳だし、もうすぐ学業も一区切りだし、

もう十分そういうヒエラルキー社会に付き合ってきたし、

そろそろ、自分が受け入れられる人間の営みとしての芸術が

出来て、そういう人が集まってくる場所を作りたいな。

降りてもいいじゃん、作ればいいじゃん、失敗してもいいじゃん。

騙すよりマシじゃん。

 

でも、もちろん、子供じゃないから

そういう人生は中々に茨の道だってことは知っている。

でも自分を裏切らなかったことで、大変でも救われる何かがあるような気がする。

私は誰かの特別になりたいんじゃない、特別じゃない普通の自分を守りたい。

【ドイツでインターン】到着1週間で隔離が明けてまた隔離。

週末いかがお過ごしですか。

私はドイツでインターン中です。今日もリハーサルの予定でした。でした、というのはキャンセルになりまして。えぇ、ドイツまでやってきて隔離されております。

 

そもそも、オーストリアとドイツを移動する場合は、何かしらの理由がありきなのですが、その理由に即して隔離期間というのが設けられています。わたしの場合は職業上の移動なので、移動前24時間の陰性証明と登録、ドイツ到着から5日間は職場と家の移動のみ。5日目に陰性証明を提出して、隔離明けです。出発前の書類の準備が面倒ったらない。

 

はい、昨日、私の隔離があけて、で、夜に劇場から連絡があり、また隔離です。

メールには私たちのプロダクションの芸術家(独: Künstler)の一人が今日の検査で陽性が出ましたと。なんてこった。なので、ひとまず月曜日までリハーサルは中止、家から出ないでと。

 

私たちはリーディングチームといって、外部からの参加でその作品ごとの契約になります。プロダクションの制作のために呼ばれた芸術家グループ(日本語にすると耳慣れませんがドイツ語では芸術家という職種で正式に登録されて契約書が出ていて、そう呼ばれます。)のカテゴリーで、同じく歌手や役者など舞台に立つ人も含まれています。なのでメールでKünstlerということは、チームの誰かで、まぁドイツ語的に言うと男性だなということしか分かりません。個別の連絡は来ていないので、超濃厚接触者ではなさそうです。

 

とりあえず、私の直近のテストは陰性だったけど、コロナってるかもしれない。

現在の大家さんに情報共有し、ウィーンから持参したコロナ対策グッズを配置して出来るだけ部屋からはでない。片手にスプレーを持ち、マスクをしてトイレへ行く生活。幸いといいますか、大家さんはもうワクチンを接種しているので、わりと大らかに受け止めてくれました。爆弾持ち込んだみたいでなぜか気持ち的に心苦しいのですが、ディスコに行ったわけでもないし…私が謝ると誰か謝らなくていい人も謝るから、ここはさっぱりと。誰も悪くない。

 

後はホームオフィスでしばらく対応です。こうなると、とりあえず月曜日の授業に出れちゃうから、課題やらなくちゃ。苦笑。

 

現在働いている劇場は毎日チームの誰かがコロナ検査を受けているというスケジュールです。それぞれが定期的に受けていて、常に誰かが受けているので、なるべく早く止めることができるというコンセプトだそう。ウィーンの劇場はプロダクションごとに同一日に検査していました。

 

そんなわけで、隔離中です。

いやぁ、自分もコロナかもしれない…違うといいな…万が一そうでも悪くなりませんように…。なにより陽性者の彼が軽症であることを願うばかりです。65歳以上のチームメンバーもワクチンの接種が終わっていたのが不幸中の幸いですかね…残念ながら100%感染しないわけではないけれど、こちらの情報を読んでいる限りでは重症化は免れるだろうとのことなので。そういう意味では、そういうガードが一つも選択肢になかった去年に比べると、少しだけ気持ちも楽です。

 

どんなに対策しても、身近で出るとドキッとします。緊張で逆に具合悪くなりそうだから、今日は贅沢にデリバリーします。*急に隔離になると食べ物が家にない。

 

ドイツインターン最初のエントリーがこんなで、先が思いやられます。

くよくよしても、仕方がないので、前向きに。

EU圏でインターンするなら奨学金に申し込めの話。

花冷えな、イースター休暇中のウィーンより、こんにちは。

ウィーンでも桜が満開です。

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最近の首相会見で5月にはリスクゾーンの皆様のワクチン接種をやり遂げ、なんとかレストランやツーリズムの再開を(楽観的には)模索中とのことで、そちらを前にただいまウィーンはイースターロックダウン中です。ロックダウンに種類がありすぎて、毎日ニュースを読むしかありません。おかげでロックダウンも、去年の第一弾とは規制範囲がちがうので、もはや時間稼ぎだという空気感を感じております。ワクチン普及までまだもう一山、いや二山。

 

さて、そんな静かな(もとい人は活動している)街を横目に、私は来週からドイツへ行きますゆえ準備も最終段階です。インターンです。どんな準備をしているのか、ということで備忘録です。

 

その1.インターン奨学金に申し込む。

私もこちらで知ったのですが、EUの大学はERASMUSという制度があります。簡単に言いますと、EU県内の提携大学間の交換留学制度です。こちらを利用すると毎月奨学金を受給できます。EU圏外との交換留学制度の場合でも、ちょっと違う奨学金に申し込むことができて、どちらも審査はたいして厳しくありません。ふつうに学生をしている人であれば大抵援助してもらえます。

この奨学金のインターンバージョンが存在します。ERASMUS⁺といいます。

私が今回申し込んだのはこちらです。ドイツでのインターンは月450ユーロの奨学金が支給されます。ありがたや。支給上限額は滞在先の国によって異なります。審査は最低限で、必要書類に受け入れ先のサインが貰えれば、大抵採択されます。企業や国立の施設に限らず、個人事業主の場合でも問題ありません。よほど自身の専攻から逸脱していなければ大丈夫みたいです。

こちら注意点が2つほどあります。インターンの期間は最低2か月必要です。そして居住国外でのインターンに限ります。私の前回のインターンはウィーンだったので、対象外でした。

 

リンクを張っておきますのでご興味があれば。

ec.europa.eu選抜や定員制ではないので、もしヨーロッパ圏で交換留学やインターンをする場合はかならず応募するべき奨学金です。大学の正規学生であれば国籍も関係ありません。有給インターンでも併用して利用できます。私の友人は月600ユーロの有給インターンをドイツでしたときに奨学金も月400ユーロ支給されていました。

ちなみにインターンの奨学金は卒業後1年以内であれば継続して利用することができます。医学生や建築学生は合計24か月、それ以外は合計12か月までお世話になれます。

とてもポピュラーな奨学金で、大抵誰か周りに利用経験がある人がいるか、大学に担当者がいるはずです。私はどちらにもお世話になり、急にもかかわらず採択されました。移動先がリッチタウンなので450ユーロは家賃で消えますが、だいぶ助かります。事前にフィックスできているのであれば、遅くとも1か月前には手続きをスタートすることをおすすめします。

 

その2.保険関係を確認、申請する。

 

 国外に出るわけなので、保険関係の適用範囲を確認します。私のオーストリアでの健康保険はドイツと提携しているので、万が一何かお医者さんにお世話になる場合にも、オーストリア国内同様に取り扱ってくれるそうです。保険証の裏側を見せるのよ!と窓口で教えていただきました。なるほど。保険証の携帯をお忘れなく。

そして、労災保険です。直訳すると、事故災害保険?大学関連の研修であれば、大学敷地内でなくとも大学の労災が適用されます。ですが今回は個人的にインターンに行くので。日本から海外旅行時の海外保険みたいなものです。

私の場合は、仕事先の劇場内での事故は劇場が労災保険をかけてくれます。問題は前後の移動時に何か起きた場合。というわけで、こちらも大学の機関に問い合わせて、出していただきました。事故保険は7500ユーロ付いてます。死んだら15000ユーロ。縁起でもない。でも備えあれば患いなし。

 

その3.住居を確保

まずは、コネです。とにかくコネ。だって2か月の滞在にデポジット払えないし、今の家も保持しないとだし、正規ルートでいくと出費がかさみます。ウィーン生活4年、学びました。まずは周りに聞きまくろう。でも心配性なので、ちなみに最悪はAirbnbという保険はちらちら準備しつつ。でもこのご時世、滞在中に人が入れ替わる場所はちょっと避けたい。ごちゃごちゃしている間に、友人の親戚が一部屋空きを持っているというありがたーーーーーし情報をゲットして、お世話になることに。

 

とりあえず、スリーステップ。あとは今週、携帯をドイツでアクティブにする手続きやらCOVID 検査にドイツ渡航の事前登録など。パッキングして、出発です。

 

大学の授業担当の先生にメールしてお伺い立てたり、手続きの書類にサインしてはサインを貰い、送る、次のステップみたいなとにかく事務作業で割とずぅっとPCの前に座っていました。でも3週間前にも関わらず、なんとかなったのラッキーとしか言いようがありません。人間一人じゃどうにもならないもんです。つくづく。

 

インターンの話の翌週には、書類を持ってきては、サインください!とじゃんじゃか準備している私に「早いわねーー」とのんきにコメントしていた教授ですが、あなたが急に話持ってくるからだわーーと突っ込んどきました。笑っとった。

 

そんなわけで、周りにビックリされながらも。チャンスの神様には前髪しかないのよ精神です。カイロスの前髪しかない描写に突っ込むのはこの際やめにして。

そういえばドイツ語どうなった。part4くらい。

そういえば、なトピックス。ドイツ語。

B2試験にギリギリ合格したのが2019年の夏。それ以降の音沙汰がぱったりと途絶えておりました。なぜならトピックになるような出来事が起きなくなったからです。まぁ、語学学校が嫌いすぎて、そういう場に全く参加しないで、だらけてるだけなんですけど、私の場合は。まぁ、そんな怠慢ドイツ語学習ライフのその後です。

 

B2に合格した当時は、”ギリギリ”が物語る通り、込み入った話になると、度々論点を見失ったり、はたまた推測になったりしていました。「多分この話をしているに違いない」みたいな不思議顔を授業中でもまだ披露していました。(私は全部顔にでる)

 

簡単にいうと、自他共に、私のドイツ語はなんとか、やっと、授業や仕事においてそこまで、そうそう問題ない様子まで、えっちらほっちら登ってきたようです。

 

どのタイミングでそうなったのか定かではないのですが、思い返せば、あの19年の夏以降、ドイツ語が原文のテキストや本は、ドイツ語で読むようになりました。今でも、英語の方が2倍くらい早く読めます。そして快適です。でもドイツ語の本も、きちんとアナライズしたり読書として楽しめるレベルにはなりました。時間はかかりますし、大学の講義や自分の制作に使用する場合は、のんびりと辞書も引きながら読むことはあります。でも、読み切れます。

 

4年目にして、やっと、ドイツ語で読んでちゃんと心に響く言葉や、書き留めたくなるフレーズに出会うようになりました。楽しいという気持ちが原動力になって、次も読んでみようという気になります。苦労がないわけではないのですが、不思議なもんです。最近はElfriede JelinekのDAS LICHT IM KASTENという100ページ弱のテキストを読みました。日本語でJelinekの本はいくつか読んだことがあったのですが、私は彼女の本は、原文のドイツ語が好きだな、ということも発見できました。これはシェイクスピアは英語版がやっぱり好きだし、村上春樹のドイツ語版はちょっと笑っちゃうのと同じ感覚かもしれません。

Jelinek関連については原文を読んでみて、日本語訳の翻訳チームは細心の注意の元、翻訳作業をしたんだということも感じられて、これは相当な労力だなんてことも思いました。何様だよ、ですが、精度は高いけれど日本語の方がジェンダー的なキャラクターが強い翻訳なんだなと思います。

 

ドイツ語って、結構ニュートラルなんじゃないか。というか、日本語って、話口調にバリエーションありすぎだし、背景的なものを醸し出しすぎるので、日本語への翻訳って、相当に難儀なんですよね。きっと。そして逆も然り。三島由紀夫をドイツ語で読むと「サブカルちっくと純文学のゴチャ混ぜみたいな描写と繊細な景観描写が同じトーンっておもろい」みたいな。そして日本語的なコンテクストは結構容赦なく端折るのねってことにも驚きました。確かに地名とかネイティヴしか文脈以上、文学的に感じ入ることはないのかもしれませんが。

 

超余談なんですけど、ドイツ語の本や教材を使用するときに思うのですが、もしかしてドイツ語圏と日本語圏は「校正」みたいなものの技術が違うんじゃないかって。どなたかご存知でしょうかね?ファクト管理とか、違う気がする。どうなんだろう。

 

そんなわけで、語学学校に行かなくなった時間を大学の勉強に費やせるようになったので読書を原文でするという時間が出来まして。自分が思うに、これが結構、私の語学力の定着に一役買っている気がするのです。どうでしょうかね。

 

一応、錆び付いて使えないデンマーク語も数えるならば、ドイツ語は私にとっての4ヶ国語目なのですが、人間って、何歳になっても言語の習得における、それぞれの難易度って変わらないのかなぁとか思ったりもします。

リスニングって、あるところを抜けると、あとはほっといても伸びるのって不思議。日本語で何ていうか分からないけれど、ドイツ語をドイツ語で聞きながら意味を覚えちゃう感じが、子供と一緒だなって。で、子供と一緒で、お勉強しないと上手に書けない。

 

 

それにしても。4年目にしては、なっかなか快適レベルまで、遠いなぁと思っています。密かな悩みでもあります。

 

今の大きな課題は、

その1、抽象的な文章を書いてみるものの(そして書く必要がある)、添削できる人がいない。

作品のコンセプトテキストとか、誰に添削して貰えばいいのかわからない。友達にしてもらったこともあるけど、作品の理解から始まるから、超時間がかかって、申し訳なさすぎて。もう頼めない。頼んでもしてくれそうだけど、頼めない。故にあってるのか間違っているのかもわからない。上達の仕方がわからない。

日本語を書いてドイツ語を書いてみるっていうプロセスが、私にはないので、そこも問題なのかもしれない。全く同じ文を書くのであれば、ドイツ語ができる日本人の方に添削してもらえるんだろうか…。でもドイツ語と日本語の引き出しは分かれているのだよ。ドイツ語話すときに英語で考えることはあれど、日本語などはるか彼方である。どうしたらいいのか。私には翻訳の才能が皆無なのです。

 

その2、いつまでたってもうまく発音できない。発音だけは一からやった方がいい気がする。発音悪いのがコンプレックスすぎて、自信なさげに話しちゃう。英語も然り。

 

というわけなんです。

発音についてはシャドーイングをしてみようと思います。

文章については、夏休みまではC1の文法を勉強して、もし可能だったらネイティヴが通う、クリエイティブライティングの講座をとってみようかなぁと考えています。

 

なんか、なんの報告?って自分で書きながら思いました。

でも学習過程の記録なので、大目に大甘に見ていただけると幸いであります。

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私をいつも大目に大甘で甘やかしてくれる友人が焼いてくれたレモンケーキでお茶を濁したいと思います。

 

こんなご時世だけどインターンの話が舞い込んできて。

 超絶肌荒れ中。こんばんは。先週4日間、友人の作品制作のお手伝いに行っていて、睡眠不足とホコリにやられて、ぎょっとする感じで肌荒れ中です。ルームメイトも肌荒れ中で、どうも季節の変わり目とバッチリタックを組まれて大暴れ中のようです。もう少し様子を見て、良くならなかったら友達が皮膚科を紹介してくれると。ありがたや。

 

たわいもない、最近の話なのですが。

日々COVID19検査情報がアップデートされていくのですが、今日は家から徒歩1分の薬局で受けてきました。この半年の私の経験上、一番鼻をぐりぐりするのが上手で親切な検査師さんがいるのです。ご近所付き合い的に週2、3と通っております。ちなみに事前予約必須ですが、保険お持ちでしたら無料で受けられます。リンク貼っておきますね!ちなみに薬局では月に5回は無料という大学からの案内だったのですが、ルームメイトから回数制限はないはずだ、とのこと。次回薬局で何が最新か聞いてみます。

www.apothekerkammer.at

 

こんな感じで本当に日々情勢はコロコロと変わってめまぐるしのですが、私の個人的な日々にもどどんと変化が起ころうとしています。卒業が延びそうです。

 

というのも、火曜日にメンターである主任教授と卒業制作、Diplomarbeitについて腰を据えた個人面談がありました。内容はとても充実していて、私のプロジェクトに合いそうな本を本棚からドンっと出してくれ、有意義な気持ちで終了。ちょっと安心しました。頑張れば6月、間に合うかもな!みたいな気持ちで「dankeschön〜!」と本を持って立ち上がろうとした私に、「それで、私もちょっとkikiに話があるんだけど」と。

 

手に抱えた本をまた机の上に戻し、座り直し「JA〜?」と不思議顔な私に、「4月から5月末のドイツでの仕事でインターンしない?」とな。

 

「…」と驚いて時が止まる私に、吹き出す教授。「そりゃそうよね、6月にDiplomarbeitしようとしてるのに、5月末までドイツに行かなきゃいけないしね」と。じゃあ9月はどう?と二択に変わる。よくよく話を聞くと、彼女としては4月の仕事の方が大きなプロジェクトで、内容も私に合うし、勉強になると思うと。ただ秋の方がよければ、それでも歓迎とのこと。どちらにせよ、普通にビックチャンスである。

 

少し考えてもいいのよ、もちろん。とのことで、うやもや(うやむやともやもや)、と席を二人で立ち、彼女の個人オフィスを出たところで別の先生に会い、その話になると「ゼッッッッたいやるべき受けるべき!」と大プッシュ。ただでさえコロナ禍でインターンなんて中々見つからないのに、そんないいプロジェクト、いくべき!と。卒業制作は1月でもいいじゃない。むしろ時間できていいじゃない!と。

 

なんか、わかんないけど。でも一度一緒に仕事をして、また向こうから声をかけてくれるっていうのは単純に嬉しいし、プロジェクトが魅力的すぎて。後先考えずに、受けてみようと思う次第です。

 

そう、私の最近の人生修行は「心配しすぎない」です。私はどうも心配性すぎて、超ハッピーなことなのに、半分ぐらいを無駄にダークサイドに沈めて、半分しか喜ばないという損な性格なのです。対ヨーロッパ比で、悲観的なタイプに分類されちゃうくらいの心配性なんですよ。それが最近、私って人生自分で沈めがち?と思うように。まぁ、でもそれで事件事故に巻き込まれたくはないので、永遠とその気質は0にはならないと思うのですが。それでももうちょっと「気楽に」生きた方が、周りも安心だろうと思うように。私の心配性話って、ほらつまらないので。笑。

 

そんな無茶苦茶な理由をつけて「急ではあるので、滞在先が見つかればついていきます!」と返事して、お金の計算や滞在先を探し始めました。保険がEU全土カバーなのかとか(基本大学の旅行は大学の保険がカバーされるので心配無用だったのです)、インターン用の奨学金に間に合うかとか、いろいろとね。無給インターンなのでね。しかもリッチタウンで家賃がたけーたけー。教授が「ご飯代は私が持つわ!」と笑っていました。私も笑っとこう。

 

そんなわけで、急な路線変更で、ちょっと整理整頓な数日になりそうです。せっかくフィックスした授業もそれぞれお伺いのメールを出さなければなりません。いくら遠隔授業でも、インターン中は無理難題なので。でも単位は必要なので、なんか考えねば。

 

というわけで、pandemic以降、初めてオーストリア国外に出ることになりそうです。それはそれで不安ですが、いい経験にする!と言う意気込みで頑張りたいと思います。久しぶりのドイツ楽しみだな〜。

日本人の匂いとは。

前回書いた通り、と言うか話はコロコロと転がり、我々のスタジオは月、水、金にCOVID19テストを受けると言う協定が結ばれました。こんばんは。

 

そんなわけで、午前中ZOOM授業後に自宅からアトリエの間でテストして、陰性証明もらってと言う散歩を挟みました。ありがたいことに、今日もポカポカ陽気で光合成の尊さにひれ伏しました。ありがとう、太陽よ。

 

さて、そんな週3でテストに行っているのですが、気になることがあります。

マスクをして、一言も発してない私は毎回「どこから来たのか?日本か?韓国か?」と質問を受けるのです。COVID19の検査会場で。

 

私が無料でテストを受けられており、保健証を片手に所持している時点で、どう見てもウィーン市民なのは明白なのですが、聞かれるわけです。今日も聞かれました。これは個人的な見解で、話すとナガーーーーーーーークなりますが、初対面で、語学学校のセオリーみたいに出身を聞いてくる人には大いなる疑問があります。ちなみに私は聞きません。相手が自ら話さない限り、出身を聞くことはありませんし、ましてや例えば英語やドイツ語でしゃらしゃらとコミュニケーションしていたら、第一情報として私には必要ないわけで。出身国についてお互い話すだけの会話に終始する場面があまり好きではありません。私じゃなくて日本に興味があるなら、他をあたって欲しい、とは言えないのに、そういう会話が始まるとすごい困る。残念ながら、どう考えても夢の国JAPAN的な話は私とはできないから。

例えるのであれば、どうせそのうち仲良くなる相手だったら、話の流れでお互い気がつくもんです。ジェンダーと一緒ですね。いちいちいきなり知り合っただけの人に、私はジェンダーは聞かない(これについては仲良くなっても、ダイレクトにその質問をする機会はないけれども)。そんなわけで、このいつも聞かれる、フレンドリーな様相が異様でいつもびっくりします。でも多分他の日本人の方はフレンドリーにお答えになられることと思います。悪気がないのは100000%理解している。まぁ、ちゃんとした理由はありますが、ここでは割愛します。読んでも日本人にとってはさらに面白くないでしょうし。

 

 

とにかく本音はもちろん、毎回聞かれて、個人的には実は全然いい気はしていない。でも答えなくても答えるまで、なぜか聞かれるので、何か違う方向にベクトルを向けてこの状況を乗り越えなければならない。ここで出会う人は、私のプライベート的人間関係とは程遠いので、私のジェンダー的概念に基づくこの種の質問に関する議論をする相手には1mmも値しないし、相手も0.1mも興味ないことでしょう。付け加えるならば、自分がすでに4年ウィーンで生活していて、ウィーン生活の90%をドイツ語で過ごしているからこそ、生涯その質問に答え続けなければならない未来がちょっと寂しいという超個人的感情もなくはない。一生外国人ですよね、そうですねーって。まぁそうなんですけど。

 

そこで今回から「なんでそんなこと聞くのか?」と聞いてみることにしました。とても礼儀正しく。言うなれば、入国審査で国籍を聞かれても、快く応えられるので、それと相応の理由を共有して、爽やかな気持ちで検査場で過ごしその場を後にしたい。

 

本日の彼の返答は「僕、日本の映画でとても好きなのがあるから」とのことでした。

COVID19の検査に行って、日本映画について質問されるとは。1年前には想像もできませんでした。ちなみに私が韓国人だった場合はなんて言われたんだろうか。

ちなみに前回の彼は「僕は文化的思考のある人間だから。人々のナショナリティは大事なんだ」と言っていました。これを隣のレーンで聞いていたドイツ人の友達は目をひんむいて驚いてました。帰り道で友達が「でも他の人には聞かないのは、なんなん?」と驚いた理由を話していました。確かに、彼はアジア的文化的思考に興味がある人ってことになるけど。彼も私が理由を聞き返してくるとは想像してなかっただろうから。実際のところわかんないよね。

 

もう一つこのエピソードで興味深いのはCOVID19以前は大抵、中国人?と言う選択肢もそこに並んでいたのだけど、その選択肢が突如消失したこと。なんで?

 

ウィーンで検査場に行かれた方しかピンとこないと思うのですが、この聞いてくる方は、液体をパレットに落としてバーコードを貼ってくれるところに座っている人です。毎回人は違うのですが、毎回ここを通過するときに聞かれます。つまり、この人物は私の外国人的名前も、ドイツ語のアクセントも知りません。私の情報を知り得るのは最初と最後のセクションでPC前に座る人だけです。

 

まだ調査対象が少ないのでエビデンスは見つかりませんので、引き続きリサーチしたいと思います。また金曜日も別の人に聞かれたら、とうとう笑ってしまうかもしれん。週3日検査に行く際の副産物が生まれました。でも目立たずひっそりと、時々調査しようと思います。私が毎回意気揚々と質問返ししてたら、噂になっちゃうかもしれない。苦笑。他の方に迷惑かけたくないので。

 

それにしても声も名前も聞かずに、マスク顔でこの質問を受けるって…

もしかして、日本人の匂いでもするんだろうか?

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