EU圏でインターンするなら奨学金に申し込めの話。

花冷えな、イースター休暇中のウィーンより、こんにちは。

ウィーンでも桜が満開です。

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最近の首相会見で5月にはリスクゾーンの皆様のワクチン接種をやり遂げ、なんとかレストランやツーリズムの再開を(楽観的には)模索中とのことで、そちらを前にただいまウィーンはイースターロックダウン中です。ロックダウンに種類がありすぎて、毎日ニュースを読むしかありません。おかげでロックダウンも、去年の第一弾とは規制範囲がちがうので、もはや時間稼ぎだという空気感を感じております。ワクチン普及までまだもう一山、いや二山。

 

さて、そんな静かな(もとい人は活動している)街を横目に、私は来週からドイツへ行きますゆえ準備も最終段階です。インターンです。どんな準備をしているのか、ということで備忘録です。

 

その1.インターン奨学金に申し込む。

私もこちらで知ったのですが、EUの大学はERASMUSという制度があります。簡単に言いますと、EU県内の提携大学間の交換留学制度です。こちらを利用すると毎月奨学金を受給できます。EU圏外との交換留学制度の場合でも、ちょっと違う奨学金に申し込むことができて、どちらも審査はたいして厳しくありません。ふつうに学生をしている人であれば大抵援助してもらえます。

この奨学金のインターンバージョンが存在します。ERASMUS⁺といいます。

私が今回申し込んだのはこちらです。ドイツでのインターンは月450ユーロの奨学金が支給されます。ありがたや。支給上限額は滞在先の国によって異なります。審査は最低限で、必要書類に受け入れ先のサインが貰えれば、大抵採択されます。企業や国立の施設に限らず、個人事業主の場合でも問題ありません。よほど自身の専攻から逸脱していなければ大丈夫みたいです。

こちら注意点が2つほどあります。インターンの期間は最低2か月必要です。そして居住国外でのインターンに限ります。私の前回のインターンはウィーンだったので、対象外でした。

 

リンクを張っておきますのでご興味があれば。

ec.europa.eu選抜や定員制ではないので、もしヨーロッパ圏で交換留学やインターンをする場合はかならず応募するべき奨学金です。大学の正規学生であれば国籍も関係ありません。有給インターンでも併用して利用できます。私の友人は月600ユーロの有給インターンをドイツでしたときに奨学金も月400ユーロ支給されていました。

ちなみにインターンの奨学金は卒業後1年以内であれば継続して利用することができます。医学生や建築学生は合計24か月、それ以外は合計12か月までお世話になれます。

とてもポピュラーな奨学金で、大抵誰か周りに利用経験がある人がいるか、大学に担当者がいるはずです。私はどちらにもお世話になり、急にもかかわらず採択されました。移動先がリッチタウンなので450ユーロは家賃で消えますが、だいぶ助かります。事前にフィックスできているのであれば、遅くとも1か月前には手続きをスタートすることをおすすめします。

 

その2.保険関係を確認、申請する。

 

 国外に出るわけなので、保険関係の適用範囲を確認します。私のオーストリアでの健康保険はドイツと提携しているので、万が一何かお医者さんにお世話になる場合にも、オーストリア国内同様に取り扱ってくれるそうです。保険証の裏側を見せるのよ!と窓口で教えていただきました。なるほど。保険証の携帯をお忘れなく。

そして、労災保険です。直訳すると、事故災害保険?大学関連の研修であれば、大学敷地内でなくとも大学の労災が適用されます。ですが今回は個人的にインターンに行くので。日本から海外旅行時の海外保険みたいなものです。

私の場合は、仕事先の劇場内での事故は劇場が労災保険をかけてくれます。問題は前後の移動時に何か起きた場合。というわけで、こちらも大学の機関に問い合わせて、出していただきました。事故保険は7500ユーロ付いてます。死んだら15000ユーロ。縁起でもない。でも備えあれば患いなし。

 

その3.住居を確保

まずは、コネです。とにかくコネ。だって2か月の滞在にデポジット払えないし、今の家も保持しないとだし、正規ルートでいくと出費がかさみます。ウィーン生活4年、学びました。まずは周りに聞きまくろう。でも心配性なので、ちなみに最悪はAirbnbという保険はちらちら準備しつつ。でもこのご時世、滞在中に人が入れ替わる場所はちょっと避けたい。ごちゃごちゃしている間に、友人の親戚が一部屋空きを持っているというありがたーーーーーし情報をゲットして、お世話になることに。

 

とりあえず、スリーステップ。あとは今週、携帯をドイツでアクティブにする手続きやらCOVID 検査にドイツ渡航の事前登録など。パッキングして、出発です。

 

大学の授業担当の先生にメールしてお伺い立てたり、手続きの書類にサインしてはサインを貰い、送る、次のステップみたいなとにかく事務作業で割とずぅっとPCの前に座っていました。でも3週間前にも関わらず、なんとかなったのラッキーとしか言いようがありません。人間一人じゃどうにもならないもんです。つくづく。

 

インターンの話の翌週には、書類を持ってきては、サインください!とじゃんじゃか準備している私に「早いわねーー」とのんきにコメントしていた教授ですが、あなたが急に話持ってくるからだわーーと突っ込んどきました。笑っとった。

 

そんなわけで、周りにビックリされながらも。チャンスの神様には前髪しかないのよ精神です。カイロスの前髪しかない描写に突っ込むのはこの際やめにして。

そういえばドイツ語どうなった。part4くらい。

そういえば、なトピックス。ドイツ語。

B2試験にギリギリ合格したのが2019年の夏。それ以降の音沙汰がぱったりと途絶えておりました。なぜならトピックになるような出来事が起きなくなったからです。まぁ、語学学校が嫌いすぎて、そういう場に全く参加しないで、だらけてるだけなんですけど、私の場合は。まぁ、そんな怠慢ドイツ語学習ライフのその後です。

 

B2に合格した当時は、”ギリギリ”が物語る通り、込み入った話になると、度々論点を見失ったり、はたまた推測になったりしていました。「多分この話をしているに違いない」みたいな不思議顔を授業中でもまだ披露していました。(私は全部顔にでる)

 

簡単にいうと、自他共に、私のドイツ語はなんとか、やっと、授業や仕事においてそこまで、そうそう問題ない様子まで、えっちらほっちら登ってきたようです。

 

どのタイミングでそうなったのか定かではないのですが、思い返せば、あの19年の夏以降、ドイツ語が原文のテキストや本は、ドイツ語で読むようになりました。今でも、英語の方が2倍くらい早く読めます。そして快適です。でもドイツ語の本も、きちんとアナライズしたり読書として楽しめるレベルにはなりました。時間はかかりますし、大学の講義や自分の制作に使用する場合は、のんびりと辞書も引きながら読むことはあります。でも、読み切れます。

 

4年目にして、やっと、ドイツ語で読んでちゃんと心に響く言葉や、書き留めたくなるフレーズに出会うようになりました。楽しいという気持ちが原動力になって、次も読んでみようという気になります。苦労がないわけではないのですが、不思議なもんです。最近はElfriede JelinekのDAS LICHT IM KASTENという100ページ弱のテキストを読みました。日本語でJelinekの本はいくつか読んだことがあったのですが、私は彼女の本は、原文のドイツ語が好きだな、ということも発見できました。これはシェイクスピアは英語版がやっぱり好きだし、村上春樹のドイツ語版はちょっと笑っちゃうのと同じ感覚かもしれません。

Jelinek関連については原文を読んでみて、日本語訳の翻訳チームは細心の注意の元、翻訳作業をしたんだということも感じられて、これは相当な労力だなんてことも思いました。何様だよ、ですが、精度は高いけれど日本語の方がジェンダー的なキャラクターが強い翻訳なんだなと思います。

 

ドイツ語って、結構ニュートラルなんじゃないか。というか、日本語って、話口調にバリエーションありすぎだし、背景的なものを醸し出しすぎるので、日本語への翻訳って、相当に難儀なんですよね。きっと。そして逆も然り。三島由紀夫をドイツ語で読むと「サブカルちっくと純文学のゴチャ混ぜみたいな描写と繊細な景観描写が同じトーンっておもろい」みたいな。そして日本語的なコンテクストは結構容赦なく端折るのねってことにも驚きました。確かに地名とかネイティヴしか文脈以上、文学的に感じ入ることはないのかもしれませんが。

 

超余談なんですけど、ドイツ語の本や教材を使用するときに思うのですが、もしかしてドイツ語圏と日本語圏は「校正」みたいなものの技術が違うんじゃないかって。どなたかご存知でしょうかね?ファクト管理とか、違う気がする。どうなんだろう。

 

そんなわけで、語学学校に行かなくなった時間を大学の勉強に費やせるようになったので読書を原文でするという時間が出来まして。自分が思うに、これが結構、私の語学力の定着に一役買っている気がするのです。どうでしょうかね。

 

一応、錆び付いて使えないデンマーク語も数えるならば、ドイツ語は私にとっての4ヶ国語目なのですが、人間って、何歳になっても言語の習得における、それぞれの難易度って変わらないのかなぁとか思ったりもします。

リスニングって、あるところを抜けると、あとはほっといても伸びるのって不思議。日本語で何ていうか分からないけれど、ドイツ語をドイツ語で聞きながら意味を覚えちゃう感じが、子供と一緒だなって。で、子供と一緒で、お勉強しないと上手に書けない。

 

 

それにしても。4年目にしては、なっかなか快適レベルまで、遠いなぁと思っています。密かな悩みでもあります。

 

今の大きな課題は、

その1、抽象的な文章を書いてみるものの(そして書く必要がある)、添削できる人がいない。

作品のコンセプトテキストとか、誰に添削して貰えばいいのかわからない。友達にしてもらったこともあるけど、作品の理解から始まるから、超時間がかかって、申し訳なさすぎて。もう頼めない。頼んでもしてくれそうだけど、頼めない。故にあってるのか間違っているのかもわからない。上達の仕方がわからない。

日本語を書いてドイツ語を書いてみるっていうプロセスが、私にはないので、そこも問題なのかもしれない。全く同じ文を書くのであれば、ドイツ語ができる日本人の方に添削してもらえるんだろうか…。でもドイツ語と日本語の引き出しは分かれているのだよ。ドイツ語話すときに英語で考えることはあれど、日本語などはるか彼方である。どうしたらいいのか。私には翻訳の才能が皆無なのです。

 

その2、いつまでたってもうまく発音できない。発音だけは一からやった方がいい気がする。発音悪いのがコンプレックスすぎて、自信なさげに話しちゃう。英語も然り。

 

というわけなんです。

発音についてはシャドーイングをしてみようと思います。

文章については、夏休みまではC1の文法を勉強して、もし可能だったらネイティヴが通う、クリエイティブライティングの講座をとってみようかなぁと考えています。

 

なんか、なんの報告?って自分で書きながら思いました。

でも学習過程の記録なので、大目に大甘に見ていただけると幸いであります。

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私をいつも大目に大甘で甘やかしてくれる友人が焼いてくれたレモンケーキでお茶を濁したいと思います。

 

こんなご時世だけどインターンの話が舞い込んできて。

 超絶肌荒れ中。こんばんは。先週4日間、友人の作品制作のお手伝いに行っていて、睡眠不足とホコリにやられて、ぎょっとする感じで肌荒れ中です。ルームメイトも肌荒れ中で、どうも季節の変わり目とバッチリタックを組まれて大暴れ中のようです。もう少し様子を見て、良くならなかったら友達が皮膚科を紹介してくれると。ありがたや。

 

たわいもない、最近の話なのですが。

日々COVID19検査情報がアップデートされていくのですが、今日は家から徒歩1分の薬局で受けてきました。この半年の私の経験上、一番鼻をぐりぐりするのが上手で親切な検査師さんがいるのです。ご近所付き合い的に週2、3と通っております。ちなみに事前予約必須ですが、保険お持ちでしたら無料で受けられます。リンク貼っておきますね!ちなみに薬局では月に5回は無料という大学からの案内だったのですが、ルームメイトから回数制限はないはずだ、とのこと。次回薬局で何が最新か聞いてみます。

www.apothekerkammer.at

 

こんな感じで本当に日々情勢はコロコロと変わってめまぐるしのですが、私の個人的な日々にもどどんと変化が起ころうとしています。卒業が延びそうです。

 

というのも、火曜日にメンターである主任教授と卒業制作、Diplomarbeitについて腰を据えた個人面談がありました。内容はとても充実していて、私のプロジェクトに合いそうな本を本棚からドンっと出してくれ、有意義な気持ちで終了。ちょっと安心しました。頑張れば6月、間に合うかもな!みたいな気持ちで「dankeschön〜!」と本を持って立ち上がろうとした私に、「それで、私もちょっとkikiに話があるんだけど」と。

 

手に抱えた本をまた机の上に戻し、座り直し「JA〜?」と不思議顔な私に、「4月から5月末のドイツでの仕事でインターンしない?」とな。

 

「…」と驚いて時が止まる私に、吹き出す教授。「そりゃそうよね、6月にDiplomarbeitしようとしてるのに、5月末までドイツに行かなきゃいけないしね」と。じゃあ9月はどう?と二択に変わる。よくよく話を聞くと、彼女としては4月の仕事の方が大きなプロジェクトで、内容も私に合うし、勉強になると思うと。ただ秋の方がよければ、それでも歓迎とのこと。どちらにせよ、普通にビックチャンスである。

 

少し考えてもいいのよ、もちろん。とのことで、うやもや(うやむやともやもや)、と席を二人で立ち、彼女の個人オフィスを出たところで別の先生に会い、その話になると「ゼッッッッたいやるべき受けるべき!」と大プッシュ。ただでさえコロナ禍でインターンなんて中々見つからないのに、そんないいプロジェクト、いくべき!と。卒業制作は1月でもいいじゃない。むしろ時間できていいじゃない!と。

 

なんか、わかんないけど。でも一度一緒に仕事をして、また向こうから声をかけてくれるっていうのは単純に嬉しいし、プロジェクトが魅力的すぎて。後先考えずに、受けてみようと思う次第です。

 

そう、私の最近の人生修行は「心配しすぎない」です。私はどうも心配性すぎて、超ハッピーなことなのに、半分ぐらいを無駄にダークサイドに沈めて、半分しか喜ばないという損な性格なのです。対ヨーロッパ比で、悲観的なタイプに分類されちゃうくらいの心配性なんですよ。それが最近、私って人生自分で沈めがち?と思うように。まぁ、でもそれで事件事故に巻き込まれたくはないので、永遠とその気質は0にはならないと思うのですが。それでももうちょっと「気楽に」生きた方が、周りも安心だろうと思うように。私の心配性話って、ほらつまらないので。笑。

 

そんな無茶苦茶な理由をつけて「急ではあるので、滞在先が見つかればついていきます!」と返事して、お金の計算や滞在先を探し始めました。保険がEU全土カバーなのかとか(基本大学の旅行は大学の保険がカバーされるので心配無用だったのです)、インターン用の奨学金に間に合うかとか、いろいろとね。無給インターンなのでね。しかもリッチタウンで家賃がたけーたけー。教授が「ご飯代は私が持つわ!」と笑っていました。私も笑っとこう。

 

そんなわけで、急な路線変更で、ちょっと整理整頓な数日になりそうです。せっかくフィックスした授業もそれぞれお伺いのメールを出さなければなりません。いくら遠隔授業でも、インターン中は無理難題なので。でも単位は必要なので、なんか考えねば。

 

というわけで、pandemic以降、初めてオーストリア国外に出ることになりそうです。それはそれで不安ですが、いい経験にする!と言う意気込みで頑張りたいと思います。久しぶりのドイツ楽しみだな〜。

日本人の匂いとは。

前回書いた通り、と言うか話はコロコロと転がり、我々のスタジオは月、水、金にCOVID19テストを受けると言う協定が結ばれました。こんばんは。

 

そんなわけで、午前中ZOOM授業後に自宅からアトリエの間でテストして、陰性証明もらってと言う散歩を挟みました。ありがたいことに、今日もポカポカ陽気で光合成の尊さにひれ伏しました。ありがとう、太陽よ。

 

さて、そんな週3でテストに行っているのですが、気になることがあります。

マスクをして、一言も発してない私は毎回「どこから来たのか?日本か?韓国か?」と質問を受けるのです。COVID19の検査会場で。

 

私が無料でテストを受けられており、保健証を片手に所持している時点で、どう見てもウィーン市民なのは明白なのですが、聞かれるわけです。今日も聞かれました。これは個人的な見解で、話すとナガーーーーーーーークなりますが、初対面で、語学学校のセオリーみたいに出身を聞いてくる人には大いなる疑問があります。ちなみに私は聞きません。相手が自ら話さない限り、出身を聞くことはありませんし、ましてや例えば英語やドイツ語でしゃらしゃらとコミュニケーションしていたら、第一情報として私には必要ないわけで。出身国についてお互い話すだけの会話に終始する場面があまり好きではありません。私じゃなくて日本に興味があるなら、他をあたって欲しい、とは言えないのに、そういう会話が始まるとすごい困る。残念ながら、どう考えても夢の国JAPAN的な話は私とはできないから。

例えるのであれば、どうせそのうち仲良くなる相手だったら、話の流れでお互い気がつくもんです。ジェンダーと一緒ですね。いちいちいきなり知り合っただけの人に、私はジェンダーは聞かない(これについては仲良くなっても、ダイレクトにその質問をする機会はないけれども)。そんなわけで、このいつも聞かれる、フレンドリーな様相が異様でいつもびっくりします。でも多分他の日本人の方はフレンドリーにお答えになられることと思います。悪気がないのは100000%理解している。まぁ、ちゃんとした理由はありますが、ここでは割愛します。読んでも日本人にとってはさらに面白くないでしょうし。

 

 

とにかく本音はもちろん、毎回聞かれて、個人的には実は全然いい気はしていない。でも答えなくても答えるまで、なぜか聞かれるので、何か違う方向にベクトルを向けてこの状況を乗り越えなければならない。ここで出会う人は、私のプライベート的人間関係とは程遠いので、私のジェンダー的概念に基づくこの種の質問に関する議論をする相手には1mmも値しないし、相手も0.1mも興味ないことでしょう。付け加えるならば、自分がすでに4年ウィーンで生活していて、ウィーン生活の90%をドイツ語で過ごしているからこそ、生涯その質問に答え続けなければならない未来がちょっと寂しいという超個人的感情もなくはない。一生外国人ですよね、そうですねーって。まぁそうなんですけど。

 

そこで今回から「なんでそんなこと聞くのか?」と聞いてみることにしました。とても礼儀正しく。言うなれば、入国審査で国籍を聞かれても、快く応えられるので、それと相応の理由を共有して、爽やかな気持ちで検査場で過ごしその場を後にしたい。

 

本日の彼の返答は「僕、日本の映画でとても好きなのがあるから」とのことでした。

COVID19の検査に行って、日本映画について質問されるとは。1年前には想像もできませんでした。ちなみに私が韓国人だった場合はなんて言われたんだろうか。

ちなみに前回の彼は「僕は文化的思考のある人間だから。人々のナショナリティは大事なんだ」と言っていました。これを隣のレーンで聞いていたドイツ人の友達は目をひんむいて驚いてました。帰り道で友達が「でも他の人には聞かないのは、なんなん?」と驚いた理由を話していました。確かに、彼はアジア的文化的思考に興味がある人ってことになるけど。彼も私が理由を聞き返してくるとは想像してなかっただろうから。実際のところわかんないよね。

 

もう一つこのエピソードで興味深いのはCOVID19以前は大抵、中国人?と言う選択肢もそこに並んでいたのだけど、その選択肢が突如消失したこと。なんで?

 

ウィーンで検査場に行かれた方しかピンとこないと思うのですが、この聞いてくる方は、液体をパレットに落としてバーコードを貼ってくれるところに座っている人です。毎回人は違うのですが、毎回ここを通過するときに聞かれます。つまり、この人物は私の外国人的名前も、ドイツ語のアクセントも知りません。私の情報を知り得るのは最初と最後のセクションでPC前に座る人だけです。

 

まだ調査対象が少ないのでエビデンスは見つかりませんので、引き続きリサーチしたいと思います。また金曜日も別の人に聞かれたら、とうとう笑ってしまうかもしれん。週3日検査に行く際の副産物が生まれました。でも目立たずひっそりと、時々調査しようと思います。私が毎回意気揚々と質問返ししてたら、噂になっちゃうかもしれない。苦笑。他の方に迷惑かけたくないので。

 

それにしても声も名前も聞かずに、マスク顔でこの質問を受けるって…

もしかして、日本人の匂いでもするんだろうか?

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コロナ禍だけど対面授業に戻るから、48時間以内の陰性証明の通行手形必須なんだよ。

って、大学から新たなアナウンスがありました。

こんばんは、月曜日の夜です。

 

来週から新しいセメスターが始まるにあたり、フィジカルに授業へ参加するためには、48時間以内に発行されたCOVID19の陰性証明が必要です。

 

義務教育課程の子供達がフィジカル授業へ戻るために、教員、生徒を含めたテストを日常化するニュースを読んでいたので、大学でも導入されるのは、まぁそりゃそうだよなぁなんですけど。接触系のサービス(美容院など)を利用するときにも必要になっていたし、これがニューノーマル…と理解はしているのですが、結構インパクトありますね。

 

どんなにコマ数落としても、次のセメスターでの履修を考えると週2回はテストですね。月曜日の朝と水曜日の朝でしょうか。月曜日の朝、激混みかもしれない…。金曜日に授業がなければ、日曜日、火曜日…うーん…。ちなみに今まで有料だった薬局でのテストが3月から一人あたり5回までは無料になります。これはありがたい。ありがとう保険。薬局なら歩いて3分の所にあります。それ以外は、今まで通り、いつでも誰でもウィーン住民は無料のteststraßenへ。

teststraßenについてはこちらへ。

 

kiikiii.hatenablog.com

 

 

こんな予定立てたところで、卒業制作の個別ミーティングがチョロチョロ入り始めると、もう週3は覚悟ですね。鼻をいたわっていこう…。

 

おそらくは、講義・ディスカッション形式のセオリーの授業は次も基本はオンラインだと思われます。テストを受けたところで、フィジカルに参加できるのは学生ひとグループあたり6人までですからね。フィジカルオンリーだと、先生何回授業するんだって話です。ちなみに授業でこの陰性証明コントロールは先生自身が行います。めんどくさいでしょうよ…。もし、テスト反対派の学生がいたらさ。いそうだよ。

 

なんかもう個人の自由と公衆衛生のバランスがどうとかっていう時代は2020年に終わったんだきっと。パンデミック初期の去年の今頃は、こういった類のコントロールに関して、いたるところで議論されていたけれど、今やなんかタブー感ありますし、何より欧州は去年のイタリアの悲惨さをリアルタイム速報で見ていたので、もう…。48時間陰性証明と言う名の通行手形時代はコロナ禍におけるもはや最終手段感ある。最後の一手。だってもうロックダウンでの押さえ込みのインパクトは当初ほどないし。

 

ただ、興味深いことに。

いろいろな企業が、このままコロナ収束してもホームオフィスを継続する方向に流れつつあるのに、教育現場は1年のデジタル悪戦苦闘を経て対面に戻るっていう。でも私も個人的にはフィジカルであることが大事でして。オンライン大学を選んだわけじゃないのに…っていう、仕方ないけれどモヤモヤした1年でした。別に家でも講義は聞けるけど、場で得られる前後のコミュニケーションでいろいろと発展するんだよな。雑談って大事なんだよ案外。帰り道に今日の講義に関連した、いい他の書籍を友達から教えてもらったり、発展系でそのセオリー展開してるアーティストの展覧会情報教えてもらって、さらに一緒に行っちゃったり、それで友達になって、いろいろ制作までつながったり…するのよ!これが。とアトリエ通いが再開してから痛感してます。今日まさに、アトリエでいい本教えてもらったし、展覧会情報もゲットしました。ホクホク。

 

それにZOOMの画面越しの世界に閉じ込められるの怖い。もしかしたら私以外、もう居ないかもしれないじゃない世界に。ZOOMが全部録画されたパラレルワールドだったらどうしようネっとか、自分はアップデートされている毎日だと信じていたのに、それが違ったらもう死者との境界線すら曖昧で、SF映画もびっくりな展開だよ。ぐらいのことをうっすら白昼夢しちゃうくらいには想像力が豊かなので、現実の肉体を感じたいです。はい。

 

とまぁ、話はそれたのですが。いつもそれちゃうんですけど。気をつけることは変わらない、むしろ増えたのですが。陰性でもマスクとソーシャルディスタンスは必須な日常だけど、それと引き換えに、もう少し重量感のある日々と少しの潤いが戻ってくるといいな。いいなぁ。

 

時々(嘘、3日に1回くらい)今年中に収束するだろうか…2020年、人生で初めて新しい友達と呼べる人が出来なかった気がするよ…気が合いそうな人に出会ってもプライベートで会えない切なさよ…と遠い目になりながら、まぁ、でもできること探しながらやってくしかありませんね。冬眠するわけにもいかないし。春はすぐそこです、きっと。

 

人生で初めて罰金を払った話。

雪がちらつくウィーンより、こんばんは。

帽子なくして歩けないくらいにきんっと寒い毎日ですが、私は元気に往復2時間のウォーキングでアトリエに通っています。ちなみにオーストリアの大学は基本オンライン授業ですが、芸大などオンラインで行えない分野の授業は対面で行うことができます。山盛りだくさんなコロナ対策を怠らなければ。

 

そんなわけでアトリエはセメスター休暇中も利用できるし、二度のロックダウンを経て、私は家にこもると落ち込みやすいことに気がついたので、とにかく人と接触せずとも外出する毎日です。今まで自分はひきこもりの類だと思っていたので、新しい発見です。

 

さて、なんでまた往復2時間もウォーキングしているかと言いますと。

年間定期を購入していないからです。

ウィーン市内の公共交通機関が共通で利用できる年間定期、365ユーロと1日換算1ユーロでとてもお得です。私もこの3年間お世話になってきました。

でも今年は購入しないことに。

 

理由は3つ。

  1. 丸々1年間ウィーン滞在する可能性が今のところ低い。
  2. コロナ禍において、決まった場所にしか行かなくなった為、利用頻度が落ちた。
  3. 同じくコロナ禍で蜜を避けたい、さらには運動不足解消の為歩きたい
  4. そもそも、またロックダウンになったら利用できない

そんなわけで、年末に定期が切れてから、公共交通機関を利用する時はその都度切符を購入しています。大文字にしたい。「私は毎回きちんとお金を払っている!」と。

 

それなのに、なんで罰金取られたかって話なんですけどね。

1月の最終週にミーティングがあるのに用事が重なってしまい、家を出るのが遅くなってしまいまして。歩いたら間に合わないので、路面電車に乗ったんですね。乗ったと同時に、ズーーーーーーーット返信を待っていたお仕事のメールが届いて、これはいますぐ返事をせねば!と路面電車内のチケット発券機の前に立ち、小銭を握りしめながら携帯でメールの返信を先に始めたんですね。で、あぁメール打ち終わったよ、さぁ切符買おうとしたら、トントンっと肩を叩かれて、「君、一駅分、切符買わないで過ぎたから、はい罰金105ユーロね」って。

 

えーーーーーーーーーーー。

すっごい買う気満々で、発券機の目の前に立ってたの見てたのに?一駅って2分もなかったじゃないか…。意地悪すぎる…。でも鉄の仮面かのように表情一つ動かさず、「払うの?払わないの?」以外は会話をしてくれない。すごい。冷徹。

 

途中で降ろされて、罰金を払いました。もちろんミーティングにも遅れました。

 

アトリエで超絶落ち込んだ私に、友達2人が「私も先週払ったわ〜」と。多分ロックダウンで私のように外出が減って、定期を持たざる(さらに無賃乗車)客が増えて、コントロール強化してんだろうねぇと。運悪かったねぇと。

 

このチケットコントロール。ウィーン在住でない方に簡単に(今更)ご説明しますと。ウィーンの公共交通機関には改札口というのが存在しません。日本では改札を通過することで、チケットのコントロールがありますが、その機能を人海戦術でウィーンは行っています。二人組の私服パトロールが運行中の車内で、突然「はいコントロールで〜す」と始めるわけです。

そして、私の肌感でいうと、もともと頻繁に行われていました。特に観光の中心地を走るU4が最寄りの駅だった時は少なくとも月一、特に朝9時前後によく当たっていました。路面電車も通勤時間帯のちょっと終わりかけに乗るとよく遭遇していました。

 

えぇもう一度名誉の為に。私は究極の小心者なので、かつて罰金が発生するような博打は打ったこともなければ、今後も故意にそこに参加することはないでしょう…小心者人生における罰金とは想像以上のダメージなのです。

 

そんなわけで、人生で初めて罰金というものを支払いました。

今でもあの105ユーロがあれば…とショウウィンドウを眺めるたびに切なくなります。はぁ。

 

ちなみにコントロールの女性に「たった2.6ユーロ払っとけばいいものの」と言われたので「払おうとしてたんですけどね!たった2分でしたけどね!見てたのによく言いますね!誰でも常習犯扱いするのはどうでしょうかね!お疲れ様です!」と笑顔でお答えしました。私との会話は拒否したくせに愚痴るってずるいじゃない。そりゃ在住4年目にもなればいいかえすに決まってるじゃない。

 

コロナ収束後にウィーンにいらっしゃるみなさん。切符は事前に購入するか、車内で購入する場合は、もう即!即購入することをオススメします。

 

こちら1月の終わりの話。下書きに眠っていて、引っ張り出したので時差がありまして。本日のウィーンは昨日までの雪が溶けた快晴。今日も元気にアトリエに行ってきます。

マイスタークラス制の教授を選ぶよ。芸大の教授選に参加した話。

2月になりました。ウィーンは例年通り、どんよりしています。ちょっとした晴れ間でも「めちゃくちゃ晴れている!」と錯覚するぐらいには太陽に飢える冬。

 

そんな冬の真っ只中、我がスタジオは来年のアカデミックイヤーから迎える教授の選考会的なものが3日間行われていました。なんだか興味深い経験だったのでシェアしようと思います。

 

まず大前提として、私の在籍している大学は教員課程と美術史の専攻を覗いて基本的にマイスタークラス制が取られています。簡単に説明しますと、一人の教授(アーティスト)が入学試験から卒業までを受け持ち、卒業時にはその教授の名前が形容詞的について卒業となります。受験者の大半はそのアーティストが教授のスタジオだから、といった理由で試験に出向く程度には、この芸術教育におけるマイスタークラス制は伝統的で認知されているものです。芸大にいるといえば二言目に聞かれるのは「教授は誰?」です、はい。

 

日本の方がイメージしやすいのは入学試験から担任の先生がわかっていて、その先生が合格を出し、その先生の元でメインの授業をとり、その先生が卒業試験を採点し、その先生の名前が添えられた卒業証書をもらうわけです。

 

もちろん必須科目はごまんとあるので、いろいろな先生や教授から教えを請うわけですが、それでも真ん中にはいつも同じアーティストが鎮座しているわけです。超重要人物です。この人の専門分野やこの人が卒業している学位が大きく影響してスタジオの名前がガラリと変わるなんて事態もありえます。名前だけで、セメスター中に一回しか授業しないアーティストに当たっちゃう可能性もゴロゴロあります。名前だけかよ、困るよってなわけで、オオゴトなのです。

*ごく稀に同じポジションに複数のアーティストが名を連ねているスタジオを置いている大学もあります。

 

そんな教授選なのですが、国立大学ですので、基本的には公に開かれています。元教授が更新にサインしなかったため、2020年の年明けから公募していました。

 

最終的には大学院長が決定権を持っているのですが、そこに到達するまでにいくつかステップがあります。

 

step1:該当のスタジオから学生の代表者として2名、その代理として2名、合計4名の学生が書類選考から大学のコミッションに参加できる。

⇨というわけで2020年の年明けにはクラスから男女2名ずつ、かつ年齢(在籍年数)と国籍をバラしたバランスで代表者をみんなで決めました。何かの代表者を決めるときはまずはジェンダーのバランス、は鉄則。

 

step2:代表者と代理者(代理は代表の2名が何かしらのやむおえない理由で会議や投票に参加できない場合に代わりを担う人です)がコミッションの教授や先生方と学長と一次書類選考と2次の面接を行います。

 

step3:8名まで絞られた候補者が公示されます。

*私たちは行いませんでしたがこの時点で異議があれば、スタジオ在籍の学生達がオフィシャルに他のアーティストに招待状を出し、さらなる立候補者を追加することも可能です。ちなみに私の現教授はその形で学生達から招待されて教授選を経て現職に就いたとのことでした。権威に興味ない人がなんで教授職なんて…と不思議でしたが納得。

 

step4:各候補者が完全に公開(大学外からも見られます)で30分のプレゼンテーションと15分の質疑応答を行います。

*コロナ禍のためオンライン開催

 

step5:各候補者による45分のリハーサル授業が、該当のスタジオの学生のみを対象に行われます。こちらは専攻の他の教授や先生すら見ることができません。完全に学生のみ。

*コロナ禍とはいえオンライン開催は無理なので、2日間それぞれクラスから4名(こちらも在籍年数とジェンダーのバランスをとり)が実際にアトリエへ行き、オンラインから候補者の話を聞き、課題を行う。それを他の学生はオンラインで見ながら質問ができる。というハイバードバージョン。実際にアトリエにいる学生は事前にコロナのテストを受けています。

 

step6:連日それぞれのスケージュルが終わり、19時からクラスミーティング、の繰り返し。候補者について話し合います。

 

step7:4日目にクラスの代表としてコミッションに参加できる(投票権のある学生)を交えて、各候補者についての学生からの意見をすり合わせます。主にどういった点で教授として希望するか、しないのかを明確に文章で書き起こしていきます。課題の質やフィードバックの内容、アーティストとしての方向性が自分たちの専門分野と合致するか、もしくはしない場合でもどのような可能性がありえるのか。

 

もう、毎日12時間オンラインで話を聞きながらメモをとり、みんな疲労困憊。

 

おそらく2月には大学からオファーが届き、その後いろいろと契約事項をクリアしたら、早ければ3月中旬ぐらいには、時期教授の名前がアナウンスされると思います。

 

我々のスタジオは超ニッチなので、他のファインアートのスタジオのように、教授との相性が悪いから、他のスタジオに転移しますができません。先に書いたように、マイスタークラス制におけるメイン教授は超重要。ちなみにオーストリアは超学歴社会です。イミワカンナイのですが、クレジットカードとかにも、頭にプロフェッサーとかついちゃうし、私も無事卒業したら、タイトルがついて回ります。もう一回言うと、イミワカンナイのですが、耳聞きする限り学歴社会らしいです。もちろんオーストリア人限定職ではないので、いろんな国籍の人がいましたが、とはいえそんな場所で教授職というのは名誉あることなんでしょうから、候補者のアーティストは「この人いつもこんなに親切なんだろうか。噂と違うな。」みたいな人もゴロゴロいました。笑。

中には過去にパワ・モラハラ的なスキャンダルがドイツの新聞(タブロイド紙ではなく信頼の置ける新聞社)に掲載されたことのあるアーティストが一人いたことが学生の中で問題視されました。あくまでも教育の場なので、その人物についてのバックグラウンドチェックも公式に大学へ依頼しました。ちなみにここ3年ぐらい賞は総なめにしているイケイケのアーティストでして、名前に目がくらんだんだろうか、学長…と遠い目に皆でなりました。ゲストプロフェッサーならまだしも、メインはどうだろうか…。

 

正直、私はどちらにせよ今の教授のもとで卒業制作をするつもりで話は進んでいるので関係あるかと言われれば、半々くらいです(こんなご時世ですので、なんらかの理由で時期がヅレたら、新しい主任教授も私の卒業制作のコミッションで名を連ねます)

 

なおかつ、この8名の中に、学びたいと思える人は私個人からするといませんでした。

大半は親切そうでしたが、私は”いい先生”より引っ張り上げてくれる刺激的なアーティストのもとで学びたい。たまたまかつ、人間的にも素敵な現在の教授が、まぁベストです。この4年間で関係も良好です。ちなみに今在籍している1年目2年目の学生は顕著に”いい先生”を求めていて、私の希望とも合わない。もうハッキリしている。

 

そんなわけで、ちょっと蚊帳の外感ありながらも、こういう投票事は絶対に参加しなければならない使命感のあるドイツ語圏(私だけだろうか)。最後まで話し合いには参加しました。

 

でも途中で燃料切れになって、こっそり飲酒してたのは大目にみてください。あっちょっとです…グラスいっぱいぐらいを20時ぐらいに…ちょろーっと。だって朝9時から21時までずーっとドイツ語で議論って、アルコールも欲しくなる。なりますよね。しかも繊細な議論でみんなここぞとばかりに言葉も選ぶから、私のできの悪い脳みそはフル回転でオーバーヒート…。あっ愚痴が…。

 

そんなこんな、な。1月のハイライトでした。